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中身の進化がハンパない──ジープ新型ラングラー、ついに日本上陸!

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中身の進化がハンパない──ジープ新型ラングラー、ついに日本上陸!

メルセデス・ベンツ Gクラスにスズキ ジムニー、そしてこのジープ ラングラーと、これらはクルマ業界的には“SUV”というよりも“クロスカントリー”と呼ぶに相応しいモデルとされている。

その意は、下手をすれば人が歩くのも戸惑うほど険しい不整路をクリアするタフな能力を持っているからだ。メカニズム的にはボディとは別に構成した独立フレームや、リジットと呼ぶ左右軸が繋がったサスペンションを用いるのが共通した特徴である。

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この“クロスカントリー御三家”ともいえるGクラス、ジムニー、ラングラーが相次いでフルモデルチェンジを受け、その最後発が、今回発表した新型ラングラーだ。

ラングラーは故郷のアメリカでは、昨秋から既に販売を開始していた。彼の地での人気にくわえ、右ハンドル化をはじめインフォテインメント類のローカライズもあってやや遅れての日本ローンチとなった。

先代の「JK型」に対し、「JL型」と順当な型式名称が与えられたラングラーは、これまた先代同様、2つのボディタイプを擁する。ひとつはジープの本流ともいえるショートホイールベースの3ドアで、もうひとつは「アンリミテッド」と呼ぶロングホイールベースの5ドアだ。

JK型で本格的にラインナップしたアンリミテッドはラングラーの販売台数を飛躍的に増やし、日本でもジープブランド全体の約4割を占めるようになった。

新型のグレード構成はベーシックなスボーツ、豪華仕様のサハラ、そして悪路走破性能を高めたルビコンの3つ。うち、ルビコンは来春以降の導入を予定する。それまでは3ドアのスポーツと5ドアのスポーツ、そしてサハラに装備を追加したローンチエディションの3機種を展開する。

搭載するエンジンは3ドアのスポーツと5ドアのサハラローンチエディションが3.6リッターV型6気筒、そして5ドアのスポーツが2.0リッター直列4気筒直噴ターボだ。ちなみに第2次大戦の戦時下で生まれたラングラーの始祖たる「ウイリスMB」は2.2リッター直列4気筒エンジンを搭載していた。5ドアスポーツの2.0リッター直4ターボはそれ以来の小排気量エンジンになるようだ。

とはいえ、ここでポイントになるのは直噴ターボだ。ラングラーに搭載するそれもパワーは若干3.6リッターに及ばないとはいえほぼ同等、トルクは2.0リッターが上と、下剋上的な様相を呈す。もちろんV6に対し燃費的にも優位はあるだろうし、何よりノーズまわりの重量が軽くなるのは運動性能にもプラスに働くだろう。

が、残念ながら今回の試乗では、その2.0リッターモデルに乗れなかった。というわけで試乗できたモデルはサハラローンチエディションと来春発売予定のルビコンで、ともにV6モデルだ。まずはサハラでオンロードに臨む。

寸法的にはJK型に対し、主に全長が拡大しているが、その大半は歩行者保護要件をくわえたバンパー部の延長によるもので、運転席に乗り込んでみれば見切りのよさは先代と大差ない。さらに前後超音波センサーやカメラ機能もあるので、駐車などでの気遣いもさしていらない。あわせてインフォテインメントの改善やインターフェースの電気化によって、使い勝手も高まっている。

身長181cmの筆者にドラポジを合わせ、後席に座ってみれば、JK型より足元まわりのゆとりやシートバックの傾斜角が確実に改善されているようで、大人でも寛げる空間となっていた。ただし運転席の足元は右ハンドル化の弊害か、左足の置き場に困るのは相変わらずである。

軽量化した車重はV6のアンリミテッドでさえ2tを切るが、フルフレームシャシーにサスペンションは前後リジッド式というヘビーデューティな仕立てはそのままだ。トランスミッションも全グレードでギアレシオのワイドな8速ATを採用するが、更にギア比を低くし、極低速域での駆動力を高められる副変速機も備えている。クロスカントリーのパイオニアとしての姿勢に揺らぎはない。

11年ぶりの刷新となったJL型にみられる進化は、タウンライドでも十分に感じた。下まわりからのロードノイズや駆動系のメカノイズなどは低減され静粛性は大きく向上、同時にサスペンションの動きはしなやかになり、左右に素早く揺すられるリジット特有の動きも減っている。このサスに合わせ、ボディマウントも再設定したのもあってか、常に上屋がプルプルと微振動しているようなJK型の印象は影を潜め、スッキリとしたライドフィールを実現している。8速ATのマネジメントも違和感なく使用回転数を適切に落としており、JK型より燃費は確実に向上、高速巡航であれば10km/Lオーバーはかたいはずだ。

車体の無駄な動きが減り、乗り心地がよくなったのはオンロードだけではない。オフロードでさえ明確だ。タイヤを凸凹に充てがうような道ならぬ道では、サスへの入力が車体を突き上げるものの、そのアタックさえ柔らかい。電動油圧式パワーステアリングの保持力はどんなときも軽く、限られたコンディションでの試乗ながら、前輪からのキックバックでステアリングホイールが激しく揺すられたりすることもなかった。

グレード名「ルビコン」の由来であるアメリカのルビコントレイルは、人もまともに歩けないような岩場が延々と続くところで、クロスカントリーモデルにとって難所中の難所だ。ただし、JL型の確実なトラクション性能をみるに、手元のスイッチでスタビライザーをフリーにすれば、充分そのコンディションに対応出来るはずだ。アメリカでは本気で悪路を目指すエクストリームなユーザーが多くを占めるラングラーゆえ、走破性の点で妥協するのは死活問題になる。この点については心配なさそうだ。

今回の試乗では、局所的な性能はもとより、多くのユーザーが期待するオンロードでの快適性について、大きな進化を確認出来た。今後機会を見て、2.0リッターユニットのメリット、そしてオフロードでの真の実力を確認したい。

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