排気量149ccのスクーターでアドベンチャースタイルという、特異な存在のADV150。ADV(アドベンチャー)を名乗るからには、ロングツーリングができなければ嘘になる! 今回は長旅では欠かせない荷物の積載性をチェックしていきます。
【前編】からの続きです
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キャンプでも大活躍するADV150のラゲッジボックス
ADV150でキャンプツーリングをしてきました。そのときの僕(西野)の装備がこちらです。
容量25Lのシートバッグをリアシートに積載しただけで、すべてのキャンプ道具と買い出しした1人分の夕食・朝食の食材が収まっています。
普通キャンプツーリングとなると、もっと大容量のシートバッグやサイドバッグが必要になると思います。
だけどスマートなパッキングができたのは、ADV150のシート下に備わっているラゲッジスペースのおかげにほかなりません。
ADV150のシート下ラゲッジスペースの容量は27L。サイズ感は、ヘルメットとグローブ、レインウエアを入れてちょうどいいくらい。
「だとしたら、そんなに入らないんじゃない?」と思ったかもしれません。
このラゲッジスペースは、容量の数値以上に、形状がキャンプに向いています。
僕(西野)がどのようにキャンプ道具をパッキングしたかをお伝えします。
まず、シート下のラゲッジスペースに、キャンプ場まで出さないものをどんどん入れていきました。
内容はテント、寝袋、マット、防寒着、カメラの三脚、使い捨てカイロなどです。
ラゲッジスペースは、長尺物を入れることができるというのが最大のメリット。テントのポールや三脚がすんなり入ります。
通常、テントのポールはかなりやっかいなんです。シートバッグに入れるとなると、配置にかなり気を使います。それが何も考えずに積載できるだけで、どんなにラクになることか。キャンプツーリング経験者の方なら分かっていただけると思います。
また、このラゲッジスペースは当然ながら、雨が降っても中身が濡れる心配もありません。
テントや寝袋はシートバッグに入れるとき、僕は必ずビニール袋や防水袋に入れてからパッキングしています。それをいちいちしなくていいというだけで面倒な作業がひとつ減ります。
(下に続きます)
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キャンプではなく宿に泊まる場合は、衣類を入れたいですね。着替えが濡れると嫌ですから。そもそもキャンプをしないなら、全部の荷物がシート下に収ってバッグ要らずになると思います!
そこに鍵がかけられるというのもポイント。
旅の場合は、何かあったときのために財布とは別に、予備のお金やクレジットカードなどを入れておくと安心でしょう。
高価で、しかも濡らしたくないノートパソコンなど電子機器類を入れるのにも役立ちます。
こまごまとしたものをシートバッグに詰めれば準備完了
話はキャンプに戻りますが、シート下ラゲッジスペースに入りきらなかったものをシートバッグに詰めていきました。
椅子やテーブル、食器やライト、着替え、レインスーツなどです。
キャンプ道具のパッキングを楽にする方法として、「収納スペースを2カ所以上確保する」という考え方があります。
キャンプ場で道具を片付けて撤収する際、最後にしまいたい物はテントや寝袋なんです。
夜露で濡れたテントは乾かすまで時間がかかり、寝袋も一晩過ごした後はできるだけ直後に干しておきたいもの。そのため、最後に片付けるのはこの2つになる場合が多いと思います。
ただ、そのときに収納スペースが大きなシートバッグ1つだと、主役級の大きさとなるテント&寝袋からバッグに詰めないと、上手くパッキングできません。
ADV150の場合は先述のとおり、テント&寝袋はラゲッジスペースに収納できるので安心。こまごましたものは片付けたらバッグに詰めて、あとはテントと寝袋をしっかり干せたら、シート下に詰めて、バッグを積んで出発できます。
大きなシートバッグひとつでキャンプをする場合と比べたら、撤収にかかる時間が30分くらい短縮できるといっても過言ではないでしょう。
※シートバッグは著者の私物
さて、続いてシートバッグの積載についてお伝えします。
シートは前後一体式となっています。そのため、バッグを積むとラゲッジスペースを開けるのが面倒になります。だからこそ、キャンプ場でしか使わないものを入れるのがおすすめ。レインスーツをうっかりシート下にしまっちゃうと、雨が降ってきたときに困りますのでご注意をくださいね。
ところで通常、スクーターのリアシートは荷物を積載することを想定していない場合が多いのですが、ADV150はさすがです。
このリアシートまわりの優れている点は2つあります。
(1) 座面が広めでフラット
(2) グラブバーまでほぼツライチ&グラブバーにベルトが留められる
このリアシート周りを初めて見たとき、「開発者の方、ありがとう!」と思いました。
リアシートにバッグなど荷物を積むときにグラブバーが邪魔となることはしばしばあります。ADV150の場合、シートからはみ出てもグラブバーに乗るから安心。かなり大きなバッグも積載できるでしょう。
そして、グラブバーの前後がしっかりと車体に繋がっているということ。近年では、グラブバーの後端が車体と繋がっていないバイクがままあります。
CB400 SUPER FOURなどスポーツバイクに多い、クワガタのような形状のグラブバー。かっこいいんですが、キャンプとなるとバッグを積むときに、取り付けベルトがちょっと装着しにくいんです。
CB400 SUPER FOURのシート周り
また、グラブバーが備わっていないタイプのバイクも増えてきました。
例えばCB250Rなど。こういったバイクと比べるとADV150のリアシートは格段に荷物が積みやすくなっています。
CB250Rのシート周り
グラブバーの付け根にベルトを留めて、あとはそのベルトで抑えつけるだけで、パッキング完了!
こうして、無事にまったく悩むことなく、すっきりとした積載ができました。
また、バッグを積んで思ったのですが、ADV150は荷物を積んだ状態が様になるバイクですね。
もともとの冒険感あふれるデザインにマッチし、違和感がありません。なんだか「もっと大きな荷物を積んでもいいんだぜ!」と言わんばかりで、たくましく思えました。キャンプツーリングや泊まりがけツーリングのハードルを上げてしまう積載について、今回はレポートしました。
次でラストですが、続編ではADV150の『バイクとしての面白さ』についてお伝えします。
ADV150なら、簡単にバイク旅を楽しめますよ!
【文:西野鉄兵】
NEXTGO▶▶▶ADV150にバイクとしての面白さはあるか?
続きはこちら!
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