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愛車が浸水しても一概に[全損]じゃないワケ 災害時の[自動車保険]が適用外になる場合って?

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愛車が浸水しても一概に[全損]じゃないワケ 災害時の[自動車保険]が適用外になる場合って?

 近年、災害の多さから車両保険の重要性が増している。しかし、せっかく車両保険に加入していても、いざという時に使えないことも。特に浸水や洪水、地震による損害は、場合によっては補償が限定されるケースもある。そこで今回は、自然災害に対してどこまで自動車保険がカバーしてくれるのかを確認していく。

文:佐々木 亘/写真:AdobeStock(トップ画像=sunftaka77@AdobeStock)

愛車が浸水しても一概に[全損]じゃないワケ 災害時の[自動車保険]が適用外になる場合って?

【画像ギャラリー】確認しておきたいポイントはこれだ! 今こそ知っておきたい災害時の自動車保険のアレコレ(5枚)

■冠水車の全てが全損になるわけではない

浸水で車がダメージを受けた場合、車両保険が適用されるが、すべてが「全損」と判断されるわけではない(jpimage@AdobeStock)

 浸水で車がダメージを受けた場合、車両保険が適用されます。浸水したクルマを「冠水車」と呼びますが、その定義は室内フロアよりも上まで浸水した車です。受けたダメージの具合によって補償額は変わってきます。

 実際、自分では全損しているだろうと思っていても、保険会社からは分損と判断されることも。保険会社とのトラブルに発展しないためにも、全損と分損の境界線について知っておくことが重要です。

 浸水害による車の全損と分損の分かれ目はシート座面にあります。これより上に水が達した場合、多くの保険会社では全損と判断するでしょう。全損と判断される理由は、シート座面よりも高く水に浸かると、エンジンや電装系が広範囲で損傷を受け、修理費が車両の時価を超える可能性が高いためです。

 一方、シート座面より下の浸水になるとエンジンや電装系に水がかかっていないとみなされ、分損になることもあります。

 また、浸水害で判断が難しいのが、時差的に起こる不調です。エンジンや電装系に直接水がかかっていない場合でも、数年後にエンジン不良が発生することもあります。こうした事象で、浸水から時間が経ってから保険会社に補償を求める方がいますが、その損害を車両保険で補償することは一般的には難しいです。

 さらに、避難指示が出ている地域に車で故意に進入したり、明らかに浸水している道路を恣意的に走行したりすると、補償が受けられないことがあるので、安全のためにも冠水路に車では入らないということを、肝に銘じておきましょう。

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■地震被害は自動車保険の限界を超えるため補償は限られる

 地震被害は予測が難しく、発生頻度は低いものの一度起こると被害規模が大きくなる特性があります。そのため、リスクの高い災害として位置付けられており、保険会社にとって大きな負担が生じる可能性があるのです。

 加えて、地震は広範囲にわたって甚大な被害をもたらすことが多く、短期間で多数の保険金請求が発生します。こうしたことから、保険会社にとって経済的なリスクが非常に高いのが地震災害です。

 そのため、地震被害は通常の車両保険では対応しきれません。地震による損害は標準的な補償範囲から除外されているのが現状です。なお、地震による損壊、火災、津波などの二次災害も含め、一般的には補償対象外とされています。

 どうしても地震被害に備えたいという場合、保険会社により違いはありますが、地震災害特約を付帯することができます。

 しかし、地震特約では補償額を一律と定めている保険会社が多く、一般的な車両保険とは特性が違うものと認識しなければなりません。補償額は50万円~100万円とされていることが多く、仮に車両保険で300万円の車両価額となっていても、地震被害で支払われるのは特約が補償する50万~100万円が限度です。

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■愛車を災害や地震から守るための具体的な対策はOK?

愛車が浸水害の被害に遭った場合、保険会社に連絡をして速やかに適切な整備を受けることが重要だ(fotosr52@AdobeStock)

 もし、浸水害が発生した場合は、保険会社に連絡をして速やかに適切な整備を受けることが重要です。エンジンや電装系の点検・修理を行い、潜在的なダメージを早期に特定することで、浸水による長期的な故障リスクを小さくすることができます。

 災害大国日本では、災害対策や防災意識を高めることが非常に重要です。日常的な防災意識の向上とともに、愛車の保険の見直しと保険適用範囲の確認は忘れずに。

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