1976年の初代発売以来、40年以上の歴史を持ち、世界120以上の国と地域で販売され、累計2000万台以上が送り出されているホンダの看板車種「アコード」。
そして、1985年に初代モデルが登場し、モデルサイクル途中で日本車初となるエアバッグを採用するなど、各世代ごとにホンダの最新技術が投入されてきたフラッグシップセダン「レジェンド」。
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今、この2車種の国内販売台数がかなり厳しい数字となっている。たびたび語られる、国内でのセダン人気の低迷が大きく影響しているが、原因はそれだけではないようだ。
かつては栄華を極めた2車種だが、ホンダディーラーにとって両車はお荷物になっているのではないか? 販売の現場としてこの厳しい状況をどう捉えているのか? その実情について取材した。
文/遠藤徹
写真/編集部
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■月100台も売れない2車種 その厳しい実情
2019年で見ると、ホンダの上級セダンである「アコード」は月販90台以下、「レジェンド」に至っては月販20台以下に落ち込み、ますます存在価値がなくなっている。
しかしながら、アコードは2020年2月21日にフルモデルチェンジし、レジェンドは2020年中盤にもビッグマイナーチェンジし、なんとか人気復活をさせようと躍起になっているのがメーカーであるホンダのスタンスだ。販売店としては、この販売実績だと積極的に売り込みをかけようともできないのが実情といえる。
2020年2月に10代目となる新型が発売された「アコード」。モデルチェンジ前(9代目)の2019年累計販売台数は1056台で、月販88台と苦戦
2018年の改良で大きくデザインを一新した現行型「レジェンド」。ホンダが誇る先進技術を随所に盛り込んだセダンだが、月販20台と他社のライバルと比較しても特に厳しい状況だ
各ホンダカーズ店にカタログは置いてあり、注文も受け付けているものの、展示車や試乗車を置いてある店舗がほとんどない。メーカー資本の大型販社でも両モデルで1台くらいずつしかなく、各店舗に持ち回りでデリバリーしてお客さんに試乗させたり、見せたりしている程度である。
アコードは、現行の新型車から従来の国内産だったのをタイでの組み立てに切り替え、国内で完成検査をして希望ユーザーに納車する方式に改めている。グレードも従来の「LX」「EX」の2グレード構成からフル装備「EX」の1グレードに絞っている。
年間の販売計画は300台と公表されているが、2020年度分は200台弱の限定台数に絞り込んでいる。こうした状況だと、ゆくゆくはモデル廃止に追い込まれそうだが、すぐに廃止できない事情もある。
アコードは、北米を中心にしたグローバルでの人気モデルで、現地では月販2~3万台ものヒットモデルだ。ホンダブランドの最上級FFセダンで、ハイテクを盛り込める存在価値の高いモデルだから、最新の技術開発デバイスの実用化に貢献している側面がある。レジェンドも同様であり、アキュラブランドの最高峰で世界的にもまれな3モーターによるハイブリッドを売りにしている。
■他社もセダン不調だがホンダに欠けているピース
日本ではなぜ売れ行き不振なのか。大きな要因は、セダン市場の極端な低迷である。これはトヨタ、ホンダ、マツダ、スバルなどの各社も同様である。ホンダもかつての隆盛時には、アコードが兄弟車の「ビガー」とともに月販1万台以上も販売した実績もあった。
トヨタや日産に比べると、さらに売れ行き不振に見舞われている要因は何か。特に日産とは今や販売力では互角であり、登録車ではホンダのほうが販売台数は多い車種も存在する。上級セダンだけが大きく引き離されている。その理由のひとつは、法人需要に弱いことである。上級セダンの法人需要とは主に企業の役員が運転手付きで使ったりするケースである。ホンダには、こうした用途で上級セダンを使うのは、ホンダ自身やサプライヤーなど下請けの関係先くらいだろう。
またアコードでいえば、世代交代でフルモデルチェンジするたびに、サイズ&クオリティアップし上級シフトし価格も跳ね上がった。こうした対応は、メイン市場であるニーズに合わせたためといえる。体の大きい現地ユーザーに合わせたものだ。
今やアコードはクラウン並みのサイズ&クオリティ、そして価格設定で、レジェンドはかつてのトヨタ「クラウンマジェスタ」、現在はレクサス「GS」や「ES」が対抗モデルであるが、ホンダユーザーにはほとんど存在しないコンセプトといえるだろう。
国産車のセダンでは最も売れている「クラウン」。クラウンの価格は469万1500~732万500円。対するアコードは465万円、レジェンドは720万5000円だ。レジェンドは、クラウンの3.5Lハイブリッドの最上級モデル(732万500円)とほぼ同価格となる
レジェンドは2020年の年央にはビッグマイナーチェンジする。フロントを中心としたエクステリアデザインの大幅変更、内装のクオリティアップが図られるが、メカニズム面は3モーターのハイブリッドシステムに多少の手が加えられるが、足回りや走行性はあまり手直ししないようだ。
したがって、こうした商品ラインアップの強化にも関わらず、新型となった両モデルの人気回復は引き続き難しいと思われる。ますます販売台数が低迷するようだと、国内での販売継続は廃止せざるを得なくなるかも知れない。それでも、ホンダを代表するフラッグシップはハイテクの具現化のために必要と考えるならば、細々と生産販売を継続することになるだろう。
■現場が感じるアコードとレジェンドの苦境
●証言:首都圏ホンダカーズ営業担当者
・新型アコードについて
アコードは新型になったばかりで大幅にクオリティアップしエンジンも改良、最新のホンダセンシングを標準装備している。ただ価格もトヨタのクラウン並みに高くなったので、簡単に売れるクルマではなくなった。今契約すると3カ月以上の納期になっている。
人気が高いわけではない。メーカーは販売台数が限定されると予想し、2020年7月までの生産販売枠を100台しか取っていない。年間300台の計画を公表しているが、今年分は200台もないのだ。「EX」の1グレードだけでナビ付のフル装備だから、あとはドライブレコーダーとコーティングあたりのオプション、付属品で間に合っている。
・レジェンドについて
2020年中盤にビッグマイナーチェンジすると聞いている。内外装はがらりと変えて質感をアップさせるがメカニズム面はパワーユニット、足回りなど殆ど変更はないようだ。
こちらはアコードよりももっと販売台数が少なく、月にひと桁の数台しか売れていない。新型になっても同じだろう。毎月の売り上げの数に入っていない状況にある。いずれはモデル廃止になるかも知れない。
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