■SUV市場に黄色信号? この先のSUV市場はどうなる?
最近はSUVの人気が高いです。軽自動車やミニバンは、国内向けのカテゴリーですが、SUVは海外でも好調に販売できるために国内自動車メーカーは車種数を増やしました。
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その国内SUV市場に変化が見られているといいますが、この先のSUVジャンルはどうなるのでしょうか。
トヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」のように、国内販売を一度終了した車種が、復活するケースもあります。海外向けの車種になって売れ行きが下がり、国内から撤退しながら、SUVの人気に乗じて販売を再開したのです。今はクルマの売れ行きが海外でも伸び悩んでいるので、SUVのカテゴリーに各メーカーが群がっています。
問題はSUVの販売状況です。最近は以前と違って下降傾向が見られます。直近となる2019年6月から8月の小型/普通乗用車販売ランキングを見ると、SUVジャンルで1位のRAV4はトヨタ「ヴォクシー」やホンダ「フリード」と同等の販売実績で、上位10番手あたりに位置しています。
SUVジャンル2位のホンダ「ヴェゼル」は14番から20番手で、人気に陰りが見えています。それでも対前年比は90%から100%なので、登場が2013年にさかのぼることを考えると、息の長い人気を保っています。
注目したいのは3位のトヨタ「C-HR」です。発売直後の2017年1年から6月には、1か月平均で1万3000台以上を登録しました。当時の小型/普通乗用車販売ランキングでも、トヨタ「プリウス」と日産「ノート」に続いて3位に入っています。
ところが2017年の後半から売れ行きが下がり始め、2018年1月から6月には、1か月平均の登録台数が6800台。約1年で半分近くまで下がっています。2019年1年から6月の1か月平均は5400台ですから、2年前の約40%です。
新車として発売された後、時間が経過して登録台数が下がるのは当然ですが、C-HRは下がり方が大きいです。2016年12月に登場したときは、大いに注目されてSUVの販売1位になりましたが、2019年には、2013年にデビューした設計の古いヴェゼルに抜かれています。2019年4月にはRAV4が加わり、5月以降はRAV4がSUVの1位になりました。そうなるとヴェゼルは2位、C-HRは3位です。
C-HRの売れ行きが下がった背景には、複数の理由があります。まずC-HRの外観が個性的で、趣味性の強い商品であることです。ユーザーの購買意欲を刺激して「今すぐに欲しい!」と思わせるため、ユーザーは愛車の車検期間が残っていても乗り替えます。そのために発売直後は売れ行きが急増しましたが、欲しい人達に行きわたると急落するのです。このような売れ方は、以前のスポーツカーにも見られました。
逆にホンダ「フィット」やスズキ「ワゴンR」のような実用的な車種は、「今スグに欲しい!」とは思わせません。従って売れ行きが一気に伸びることもありませんが、愛車の車検期間が到来した段階で、順次乗り替えていきます。価格を含めた商品力が優れていれば、後々まで堅調に売れ続けます。
C-HRの人気については、同じトヨタからRAV4が発売され、顧客を奪われた影響もあるでしょう。両車の販売状況について、トヨタの販売店は次のように話します。
「C-HRとRAV4では車種の性格が異なりますが、選択に迷うお客様もおられます。ファミリーカーとして使う場合、後席の広いRAV4を選ばれます。そのかわりC-HRは価格が30万円ほど安く、1名から2名の乗車に適しています」
※ ※ ※
後席を使う需要が、C-HRからRAV4に流れたことはあるでしょう。このようにSUVの人気が高くても、車種を増やした分だけ売れ行きが伸びるわけではありません。喰い合いが生じます。
そしてSUV全体の売れ行きを2019年8月の対前年比で見ると、減少した車種が目立ちます。C-HR(-40.6%)、減少した車種が目立ちます。C-HRは40.6%、ヴェゼルは3.3%、スバル「フォレスター」は1.8%、日産「エクストレイル」は29.9%、マツダ「CX-5」は2.4%のマイナスです。SUVは売れ筋のカテゴリーですが、鮮度の高い伸び盛りの時期は過ぎたといえるでしょう。
■国内SUV市場が生き残る道とは
SUVの魅力は、実用性とカッコ良さの両立です。ボディの上側は背の高いワゴン的な形状なので、居住性と積載性が優れています。ボディの下側は、悪路の走破を考えた大径タイヤが装着され、上下に厚みのあるフロントマスクを含めて存在感が強いです。このようなSUVは、家族で使いやすく、なおかつクルマ好きの夫も満足できることから売れ行きを伸ばしました。
また子育ての時期にミニバンを使い慣れると、3列目シートが不要になっても、頭上空間の狭いセダンやワゴンには戻れません。そこにピッタリな選択肢がSUVです。1/2列目の居住性はミニバンと同等で、車種によっては荷室に3列目の補助席も装着できます。その一方で外観はカッコイイため、ミニバンを使い終えたユーザーが改めて好きなクルマを選ぼうとする時、SUVが候補に挙がるのです。
それからSUVは、スバル「インプレッサ」をベースにした「XV」、トヨタ「アクア」をベースにした「アクアクロスオーバー」、三菱「eKワゴン」を発展させた「eKクロス」のように、既存の車種をベースにした派生モデルとして開発することも可能です。
これはコストを含めて開発を合理化したいメーカーにとって、都合が良いことです。XVやeKクロスは相応に人気を得ており、投資対効果の優れた商品になっています。
このようにSUVは、ユーザーとメーカーの双方にとって、メリットの高い商品です
今後、SUVがユーザーから飽きられると、もはや後に続くブームは来ません。セダン、ワゴン、スポーツカー、ミニバンなどは一度ブームを経験しているからです。日本の使用条件では、ピックアップトラックが好調に売れることは考えられません。
従ってSUVが売れ行きを下げると、空間効率の優れた実用的な軽自動車とコンパクトカー、少数のミニバンだけが売れる市場になります。そして先に述べたように、SUVの売れ行きは徐々に下がりつつあるのです。
この流れを食い止めるには、国内に魅力的なSUVを投入し続けるしかありません。XVのように既存の車種をベースにSUVを開発すれば、メーカーの負担も抑えられます。SUVはカッコ良さと実用性の両立が魅力で、後席を使う機会も多いため、ヴェゼルのようなコンパクトで居住性の快適な車種であれば、息の長い人気車になれます。
日産は新型「ジューク」を海外で発表しながら、日本では旧型を売り続けています。スバル「レガシィアウトバック」も、海外でフルモデルチェンジしながら、日本は改良で済ませました。海外は新型、国内は旧型という売れ方が定着しつつあります。
トヨタ「エスティマ」や日産「キューブ」の廃止など、最近はリストラの嵐が吹き荒れていますが、せめてジュークやレガシィアウトバックのようなSUVだけは、国内にも設計の新しい商品を積極的に投入すべきです。そうしないと、実用車しか売れない市場になってしまいます。これは無理な願いではないと思います。
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