LSが進化。ハンドリングのリファインと上質な乗り味を目指した改良を実施
LSは、レクサスのフラッグシップであると同時に、数ある日本車の中でもプライベートカーの頂点に位置する高級サルーンだ。2017年にデビューした現行型は第5世代(1st~3rdモデルは日本では「セルシオ」の名称で販売)。2020年11月にマイナーチェンジを受け、いちだんと完成度を高めた。
5thモデルは、4thモデルに対してボディ骨格からシャシー、パワーユニットまで、あらゆる部分が刷新された革新作。今回のリファインは、現行型になって4回目。いっそうの進化を目指した作り込みが実施された。
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パワーユニットは、直噴とポート噴射を併用したツインターボ付きの3.5リッター・V6エンジン(422ps/6000rpm、600Nm/1600~4800rpm)を小改良。LSの頂点を象徴するV型8気筒エンジンに代わって現行モデルで新たに登場したV型6気筒ターボは、電動ウエイストゲートのチューニング変更などによって加速レスポンスの向上が図られた。さらに、10速ステップATのシフトスケジュールを変更。特定運転領域でのシフトビジー感を解消し、より上質な動力性能を目指したことがトピックだ。
快適性とハンドリングも見直された。細部にまで手を加え、振動や衝撃の低減を図ったのだ。全モデルに標準採用されるランフラットタイヤの縦ばね剛性とスタビライザーのスプリング定数が見直され、バンプストッパーの先端剛性も改良。4WD仕様はエンジンマウント内オリフィスを変更している。同時に全車にエアサスペンションとセットで採用される電子制御式の減衰力可変ダンパー「AVS」も小改良。オイル流路を拡大した新設計の油圧制御用ソレノイドを採用した。
今回は、ユニットの大幅刷新は行っていない。微に入り細を穿ったリファインを重ねることで、操舵応答性や安定性の向上と上質な乗り味を追求した。
さらにスムーズで静粛に変身! 安全機能も世界トップ級
試乗車は、最新のツインターボ付きV6エンジンを搭載した500エグゼクティブ(4WD)と、500h・Fスポーツ(2WD)の2種。500h・Fスポーツは3.5リッター・V6(299ps)+モーター(180ps)でシステムを構成する独自のストロングハイブリッドを搭載。レクサスが求めるスポーツ観を表現するために、メッシュタイプの専用グリルや、前後異サイズの大径タイヤを採用し、前席スポーツシートを装備したアクティブな1台だ。
ボディサイズは全長×全幅×全高5235×1900×1460mm(500エグゼクティブ・4WD)。ヘッドライト形状が一新されたフォルムは、いちだんと流麗に変身していた。
同じLSでありながら狙ったキャラクターが異なる2台だが、いずれも従来のモデルに比べ、路面凹凸のいなし方が向上していた。拾った振動の減衰が素早く、従来やや気になった「ブルブル」とした不快な印象が減っている。もちろん、素晴らしく滑らかな加速の連続感や圧倒的な静粛性の高さなど、「LSのDNA」は、しっかり継承されている。パフォーマンスはガソリン、ハイブリッドともに優秀。WLTC燃費はガソリンが9.5km/リッター(4WD)、ハイブリッドは13.6km/リッター(2WD)をマークする。
安全機能も進化した。交差点右折時の対向直進車や同じく右左折時の歩行者の検知など、これまでフラッグシップとしては少々物足りなさが感じられたプリクラッシュセーフティ機能が、しっかりバージョンアップされた。ステアリング操作から解放される「ハンズオフ」機能を備えた、さらに高度な運転支援技術は、 2021年中の搭載予定が発表されている。
課題はランフラットタイヤ。時に乗り心地に影響が……
走りで気になった点は乗り心地。改善されたとはいえ、特定の路面でまだランフラットタイヤに起因するシャープな振動がある。フラッグシップ車セグメントにあって、まだ世界のトップレベルに到達していると思えない部分だ。
メルセデス・ベンツがすでに新世代Sクラスをローンチしたことを考えると、現状で満足はできない。これは、開発陣も認識しているはずだ。
LSのような高級サルーンは、日本においては主に都市部で使われる。その現実を考えると、無条件なランフラットタイヤの採用に疑問が残る。日本随一のフラッグシップだからこそ、際立って高い目標に挑み続けてほしい。
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みんなのコメント
フロントフェンダーバンパ下部の四角いグリルはダミーか?エアインテークか?
ダミーならメチャ恥ずかしい。 最近のトヨタはこの手の子供だましが多いけど。
最高級グレードでこれをやるかあ?
フォグかドライビングランプでもつけておけば良いのに。
それにしてベンツに成りたい感が凄い。
まあ、ベンツにのっていると取引先から嫌みを聞かされる中小企業の社長さん向けだね。