メルセデスは、2024年用ニューマシンW15のフロントサスペンションに、興味深いトリックを仕込んでいるようだ。先日公開されたW15のレンダリング画像を詳しく見ると、あってはならないアームが1本追加されているのが分かった。
全チームのマシンが出揃い、21日からはバーレーンでプレシーズンテストが開催される。
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そんな中各チームは、マシンの重要な部分をひた隠しにしている。
マクラーレンは、公開した2枚のレンダリング画像それぞれで、フロアのデザインが異なっているのが確認されている。この部分を隠そうとする意図が働いているのは間違いないだろう。
レッドブルもRB20のサイドポンツーンのインテークを隠し続けており、さらにフロア端には厳重なカバーが取り付けられていた。
これらの部分に注目が集まるのは必至だが、チームは詮索の目を避けるため、あえて別の部分に注目を集め、本当の隠したい部分に注目が集まらないようにするということもある。それにより、ライバルを出し抜こうとしているのだ。
メルセデスにもその兆候がある。同チームが先日公開した新車W15のレンダリング画像を詳しく調べたところ、かなり珍しいモノが存在していることが判明した。
レンダリング画像を見ると、フロントサスペンションに1本追加のサスペンションが存在していることが分かる。
レギュレーションでは、各サスペンションは6本のアームで構成されていなければならないと規定されている。しかし、メルセデスW15には7本のアームが存在しているようで、これはレギュレーションでは許可されないはず……おそらくメルセデスの”ジョーク”だったのだろう。
W15の発表当初は、昨年途中まで使ってきたゼロポッドのスタイルを捨て、ある意味オーソドックスなデザインに変更したことばかりに注目が集まり、この7本目のアームの存在が明るみに出るのが遅れた。
ただサスペンションアームを7本にしたのは、過去にも事例がある。ウイリアムズは2019年のFW42に、クラッシュした時にホイールが飛散するのを防ぐためのテザーだけを覆う形のフェアリングを設けたことがあった。
これはサスペンション構成のためではなく、空力的な効果を狙ったモノだった。しかしこの処理はFIAによって違法と判断され、ロワウイッシュボーンの後方アームのフェアリング内部に、テザーを通すように命じることとなった。
メルセデスは今季のW15に、過激なフロントウイングを搭載している。最も上部のフラップの内側と外側を分離し、内側が棒のように細い構成になっているのだ。
これについては合法なのか、それとも非合法なのか、今後議論の的となる可能性がある。この”7本目”のアームは、フロントウイングばかりに注目が集まることを阻止するという試みだったのかもしれない。もしくは、それ以外に彼らが隠したい何ががあるのだろうか?
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