■盛り上がるCtoCカーシェアはレンタカーやBtoCサービスの対抗馬になるか
最近、CtoC(個人間)のカーシェアリングサービスが盛り上がりを見せています。従来は、「タイムズカープラス」や「オリックスカーシェア」などのBtoCサービスが主流でしたが、CtoCの特徴はどこにあるのでしょうか。
20代の半数以上がシェア経験 認知高くも課題点多いカーシェアの今後
まずは、DeNAが提供するCtoCのカーシェアリングサービス「Anyca(エニカ)」の担当者にお話を聞きました。
──どのようなサービスを提供しているのか教えてください。
Anycaは、個人間の共同使用によるクルマの維持費軽減を目的としたサービスをご案内させていただいております。オーナーのメリットは、クルマを使用しない日に他の方へシェアすることでクルマの維持費軽減が可能となります。ドライバー側では、乗ってみたいクルマや憧れのクルマの運転が可能となるという、カーシェアのマッチングサービスです。
──料金はどのようにして決めているのでしょうか?
実際のカーシェア料金につきましては、オーナーが任意で料金設定をすることが可能です。オーナーによってはリピートでシェアレンタルしてくれるドライバーへ割引をされることもあるようです。
* * *
実際にAnycaのアプリを見てみると、人気のクルマランキングを掲載しており、1位のテスラ「MODEL S」であれば8千円から9800円/24時間、ポルシェ「カイエン」であれば5980円から6480円/24時間、BMW「2シリーズ」であれば5480円/24時間など魅力的な価格設定になっています。
通常のレンタカーやカーシェアではなかなかお目にかかれないような高級車がズラリと並んでおり、こういったクルマを手軽にレンタルできるという点はCtoCならではの魅力といえるでしょう。
■CtoCカーシェアの事故対応やトラブル対応はどうなる?
いっぽうで、個人間でのやり取りで不安になるのが車両事故や故障等のトラブルです。
Anycaによると、「万が一の事故やトラブルに備え、ドライバーにてカーシェアの予約と連動し東京海上日動の『1日自動車保険』にご加入いただいております。そのため保険の加入漏れはなく、万が一の際に備えていただけます」との回答がありました。
予約と連動してドライバーが保険に自動的に加入するシステムとなっているので、登録漏れの心配はないそうです。また、支払いに関しても、Anycaを介しての決済のため、貸したのにお金が支払われない、といったトラブルは防ぐことができそうです。
実際にAnycaを利用してクルマの貸し借りを行ったことがあるユーザーに話を聞きました。
──クルマを借りる際に感じたメリットやデメリットを教えてください。
一番のメリットは珍しいクルマや高級車を借りられることです。また、高級車の場合、24時間以上(長時間)借りれば大手カーシェアやレンタカーより安い場合もありますし、個別に料金の交渉もできます。
ただし、クルマの引き渡し場所が遠方の場合、そこまでの往復の交通費がかかったり、毎回必ず保険へ加入する必要があるので、安いクルマの場合はその金額を上乗せすると割高になってしまうことがあります。
また、貸し出しや返却の時間は貸す側の都合によるので、土日祝日は借りられないことが多いです。また、借りる際の車両確認もきちんとしておかないと、貸した後に傷が付いているなどトラブルになる可能性があります。個人情報をクルマに置き忘れていないかも毎回必ずチェックが必要ですから、その点は大手のカーシェアやレンタカーよりも気を遣います。
──クルマを貸す側のメリット、デメリットを教えてください。
クルマを使わない日に貸し出しできれば、駐車場代やローン支払いの収入に当てることができるので、そこにメリットを感じています。いっぽうで、やはり傷を付けられたり、汚されたりするのではないかという心配はあります。
Anycaでは300万円までは事故等が保険で補償されるので、表立って目立つ傷であればそれで補填することができるかもしれません。しかし、ハイオク仕様のクルマにレギュラーガソリンを入れて満タンを偽装したり、クラッチやブレーキを酷使する運転をされるなど、見えない部分までは気が付かないので、そういった点では貸し出すリスクを感じてます。
※ ※ ※
話題沸騰中の個人間カーシェアサービスですが、やはりBtoCのサービスのように何もかも安心というわけではなさそうです。貸す側も借りる側も大きなメリットがありますが、気をつけなければいけない部分も多いので、特性をしっかりと理解したうえで利用すると良いでしょう。
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