この記事をまとめると
■クルマが真っ直ぐ走らない理由を原因とともに紹介
安さが取り柄だけのサスペンションじゃない! 形式だけで判断するのはもったいない「トーションビーム」の実力
■タイヤ関係のトラブルはよく起こるのでこまめにチェックが必要だ
■タイヤ以外の要因で真っ直ぐ走らなくなる場合もあるので駆動系も要チェックだ
クルマがまっすぐ走らない際に疑うポイント
「クルマが真っ直ぐ走る」のは、今日では当たり前の性能だと思われているが、平成以前、つまり昭和のころは、タイヤも頼りなかったし(ラジアルタイヤの普及率が50%になったのは、1977年頃)、道路の舗装も荒かったし、クルマのボディも弱く、後輪駆動が当たり前だったので、直進性のいいクルマは限られていた。
いまのように、ボディがしっかりしていて、FFもしくは4WDが大半で、路面がフラットで、高性能タイヤが当たり前の時代に、クルマがフラフラして真っ直ぐ走らないとしたら、クルマに何か異常が生じているか、大地震が起きている最中だと思っていい。
まぁ地震はともかく、クルマ側に問題があるとすれば、どんなトラブルが疑われるのだろうか?
・タイヤのパンク
まずはタイヤのパンク。
タイヤのパンクは、JAFのロードサービス出動理由(2022年)の第2位(1位は「バッテリー上がり」。しかも年々増加傾向にあり15年前に比べて13万件以上増えている)。
タイヤが空気圧に依存する割合は90%といわれ、エアが抜けているタイヤが1本でもあれば直進性は悪くなるし、ハンドルを切ったときの反応も遅れる。最悪、空気が抜けきったときに急ブレーキをかけたりするとスピンする可能性もあるので、タイヤの空気圧は給油のたびに点検し、フラフラする、反応が遅れるといったときはまずタイヤをチェックしよう。
また、新品タイヤでもタイヤのグレードを落としたために、直進安定性が悪くなるケースは珍しくない。タイヤだけはケチらず、買い換えの際は、標準装着タイヤと同等以上のタイヤを選ぶことがポイントだ。
・タイヤ(ホイール)のバランス
タイヤの空気圧に異常がなくても、リムずれなどによるユニフォミティ(真円度)やウエイトバランスの崩れも大きく影響する要素。
タイヤのプロショップに行って、もう一度バランサーにかけてもらい、バランスを取りなおしてもらうようにしよう。同時にホイールの傷や変形も疑って、一緒に点検してもらうといい。
また、冬用タイヤと夏用タイヤを自分で交換した人や、純正品以外のアルミホイールを履いている人は、ホイールを車体に取り付けた際、タイヤのセンターが出ていない(ずれている)可能性もある。車体側のハブにホイールのセンターホールをピタッとはめることが出来れば、真円度不足、均一度不良が解決するので、ここも要チェック。
タイヤ以外の要因でも真っ直ぐ走らなくなる場合あり!
・アライメント
タイヤ、ホイールに問題がなければ、ホイールアライメントを確認。ホイールアライメントとは、タイヤの取り付け角度のこと。トー、キャンバー、キャスターの3つの角度で、これが狂うと、真っ直ぐ走っているつもりなのに、クルマが左右に流れたり、ハンドルのセンターがずれたり、ハンドルを切ったとき左右で手応えが違うなどの症状がでる。また、タイヤが偏摩耗したり、燃費が悪化することにもつながる。
アライメントテスターは、足まわりに強いプロショップにしかないが、ネットで検索すれば意外に近所で見つかるはず。上記のような症状があれば、一度点検と調整を。
・ダンパーのヘタリ
あまり知られていないが、ダンパーも消耗品で、ダンパーがへたってくると、直線を走っているのにハンドルの修正が多くなり、ロングドライブが以前より疲れるようになる。
ダンパーのヘタリとは、ダンパー内部のオイルの劣化。エンジンオイルなどと同じように、このダンパーのオイルも熱で劣化し、走行距離に応じてオイルの粘度が保てなくなってしまう。本来であれば、純正ダンパーでも、5年/5万kmを目安に交換もしくはオーバーホールするのが理想的だ。
・その他
あとはハブベアリングの劣化やドライブシャフトの寿命、テンションロッドのブッシュなども考えられる原因箇所。
ハブベアリングやドライブシャフトが痛んでくると、コーナリング中にガタや異音が出るので、異音を感じたら点検を。放っておくと最悪ベアリングが焼き付いたり、ドライブシャフトが折れたりして、走行不能になるので安易に考えないこと。
このように、直進性を悪化させる原因はいくつかあるが、「あれ? いつもとフィーリングが違う」と思ったら、後まわしにせず、すぐにプロの点検を受けるようにしよう。
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