現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トラックのタイヤが外れる脱輪事故が10年前の10倍以上に増加! 急増した原因と期待される画期的アイテム

ここから本文です

トラックのタイヤが外れる脱輪事故が10年前の10倍以上に増加! 急増した原因と期待される画期的アイテム

掲載 37
トラックのタイヤが外れる脱輪事故が10年前の10倍以上に増加! 急増した原因と期待される画期的アイテム

 この記事をまとめると

■トラックの脱輪事故は増加傾向にある

デコってるワケじゃなかった! トラックのホイールに付いてる「緑の物体」の正体とは?

■2022年の車輪脱落事故発生件数は140件だった

■脱輪を防ぐための方法や最新技術について解説

 脱輪をセンサーで監視する装置が登場

 一般ドライバーにはあまり馴染みがないかもしれないが、運輸・輸送業界ではトラックの脱輪(脱落)事故が頭の痛い問題とされている。国土交通省によると、大型車の脱輪事故が2011年から増加傾向にあるという。2022年の車輪脱落事故発生件数は、確認されているだけで140件に及ぶ。これは、2011年の約12倍だ。

 そもそも、脱輪事故はなぜ起きるのだろうか。簡単にいえば、それはナットが緩んで外れるからだ。スタッドボルト(ハブにホイールを取り付ける際に使用するボルト)が折れることもあるが、それはナットが緩んで無理な力がかかったとか、ボルトに疲労や欠損があった場合である。要するに、脱輪事故の多くはナットの緩みに起因しているということなのだ。

 では、なぜナットが緩むのか。一般にホイールを取り付ける際の作業ミスと思われがちだが、それは主因とはいえない。なぜなら、ホイールを取り付けるときには専用工具を使用して、規定のトルクで締め付けているのが当たり前だからだ。

 現在、専門家が指摘している原因はふたつ。ひとつは「初期馴染み」である。これはホイール取り付けの際に、ナットが錆びや微細な異物・傷などを一緒に締め込み、その後に走行することでこれらが馴染んででくるとナットとボルトに隙間が生じ、振動などで緩んでくるという現象だ。スタッドレスタイヤに交換したあとの12月に、脱輪事故が多いことがこれを裏付けているという。

 もうひとつは、ナットがJIS規格(日本規格)からISO規格(国際規格)に変わったことだ。JIS規格のときには、車両左側のナットは左締め(逆ネジ)になっていた。なぜなら、走行の負荷でネジが閉まるようになるからだ。しかし、ISO規格はすべて右締め。ただ、この点に関しては公式な検証結果がないので、因果関係は証明されていないことになっている。

 いずれにせよ、脱輪事故は増えているのだから、防止のために何らかの手を打つ必要がある。大切なのは日常点検をしっかりと行ない、日頃からナットの緩みをチェックすることだ。また、増し締めしたボルトとナットにペイントで印をつけ、そのずれを確認するという方法もある。同様の効果が期待できる市販品に、ホイールナットマーカーというグッズがある。これをナットに装着するのもよいだろう。

 ただ、ペイントやホイールナットマーカーは「ポカヨケ」のようなもので、最終的には人が目で確認しなければならない。見落とす可能性が皆無とはいえないだろう。そこで、脱輪をセンサーで監視する装置が登場したわけだ。この装置は「ナットキャップセンサ」と「受信機兼表示器」で構成された、東海理化の「天護風雷」という画期的なシステムである。

「ナットキャップセンサ」は、ナットに被せてロックをするだけで装着が可能。内蔵された加速センサーで、ナットの緩みを検出する。このデータは特定小電力無線局(発射する電波が著しく微弱な無線システム)で「受信機兼表示器」に情報が伝達される。電源は電池を使用し、約1年程度の寿命があるのでメンテナンスにも手がかからない。

「受信機兼表示器」はキャビン内のダッシュボードなどに取り付け、USBコード(Type C)でシガーソケットなどから電源を得る。「ナットキャップセンサ」がナットの緩みを検知(角度にして90°のずれが発生)した場合、この装置がLEDの発光とブザー音で、異常をドライバーに知らせてくれるのだ。

 取り付けが簡単で車種を選ばないという簡便性・汎用性や、走行中に異常が起きても検知可能な判別性に優れており、新たな脱輪予防の切り札になるのではないかと期待されている。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
Merkmal
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
レスポンス
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
AUTOSPORT web
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ベストカーWeb
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
Auto Messe Web
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
WEB CARTOP
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
バイクのニュース
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
くるまのニュース
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
日刊自動車新聞
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
AUTOSPORT web
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
AUTOCAR JAPAN
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
くるまのニュース
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
レスポンス
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
日刊自動車新聞
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
くるまのニュース
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
Auto Messe Web
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
くるくら
「運転者管理システム」の運用3月22・23日全国一斉停止、マイナカード移行作業で免許証更新業務もストップ[新聞ウォッチ]
「運転者管理システム」の運用3月22・23日全国一斉停止、マイナカード移行作業で免許証更新業務もストップ[新聞ウォッチ]
レスポンス

みんなのコメント

37件
  • るでる
    逆ネジに戻すべきでは。
  • П П
    外れた車輪は左右どちらが多いのか?
    これぐらい調査してから記事にしてほしい。
    私は圧倒的に左側だと思いますけどね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村