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採石場ではスタック不可能? フォード・レンジャー・ラプター ジープ・ラングラー 直接比較 前編

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採石場ではスタック不可能? フォード・レンジャー・ラプター ジープ・ラングラー 直接比較 前編

最も悪路での走破性に長けたモデル

グレートブリテン島で普通に暮らしていると、ここまでぬかるんだ場所へ立ち入ることはないだろう。恐らく、農業を営む方でも。

【画像】採石場ではスタック不可能? レンジャーとラングラー グラディエーターとブロンコも 全115枚

3月中旬の今日は、雪が溶けて採石場はドロドロ。空は薄暗く肌寒い。しかし今回の2台にとっては、意に介するほどの悪条件ではなさそうだ。夕日を浴びながらバーベキューを楽しめる季節なら、筆者ももっと幸せな気分になれそうではある。

コーンポタージュ並みにトロみのある、泥混じりの深い水たまりにも挑戦した。2時間ほどたわむれて、充分に能力は確かめられたと思う。

筆者と同僚は、2台のオフローダーをスタックさせようと試行錯誤した。しかし、今回の場所では不可能だった。現在一般的に販売されているなかで、最も悪路の走破性に長けたモデルであることは間違いなさそうだ。

今回、わざわざこんな採石場まで足を運んだ理由は、新しいフォード・レンジャー・ラプターが登場したから。スペインでの初試乗に続いて、英国の一般道でも走り込み、好印象を与えてくれている。

だが、持ち上げられた最低地上高の下には、まだまだ沢山の空間が残っていた。平らに均されていない広大な大地こそ、その能力を遺憾なく発揮できる場所だと考えた。市街地や高速道路のように、少し窮屈な思いをする必要もない。

バハ1000に参戦したレンジャー・ラプター

レンジャー・ラプターのドライブモードには、バハ・モードが付いている。北米大陸の東、メキシコ半島に広がるバハ・カリフォルニア砂漠は、オフロード・ラリーのメッカ。AUTOCARの読者も、一度は耳にされたことがあるはず。

その土地で開かれるイベントで、最も有名なのがバハ1000と呼ばれるラリーだ。約1300kmのルートを全開で突っ走るもので、フォードは2022年にレンジャー・ラプターで参戦している。基本的に市販車と同じ仕様で。

ただし、フォードの技術者チームはもっと広い大地を念頭に入れていた。開発が主に進められたのはオーストラリア。長く伸びた半島など、許容できて当然といえた。面積の小さいグレートブリテン島なら、小手先でこなせるといっても良さそうだ。

それでも、ぬかるんだ草地は広がっている。うさぎ小屋を修復するため、敷地の反対側に建つ納屋まで道具と材料を急いで取りに行くのに、パワフルなピックアップトラックほど適した乗り物はないだろう。

レンジャー・ラプターの高い走破性を支えているのが、有能なダンパーだ。アメリカ・カリフォルニアに拠点を置くフォックス社製のアイテムで、本来はオフロードバギー向けに開発されている。

細かい入力や波打った路面からの入力は、しなやかに1発で吸収。同時に、ジャンプなどでダンパーが伸び切ると減衰力が一気に高まり、直後に待ち構える強い負荷へ備える。どんな条件にも対応する瞬間的な応答性には、舌を巻く。

0-100km/h加速を7.9秒でこなすトラック

先代のレンジャー・ラプターも、悪路性能は充分に高かった。しかし、英国で選択できるエンジンは、2.2Lの直列4気筒ターボディーゼルに限られた。トルクは太かったが、うさぎ小屋から納屋まで、少し多くの時間を要したことは間違いない。

新しい2代目が搭載するのは、3.0L V6ツインターボガソリン。オーストラリアでは405psの最高出力を発揮するが、グレートブリテン島では排気ガス規制に合わせて、292psへデチューンされている。それでも、充分にたくましい。

最大トルクは、2300rpmという低い回転域から49.9kg-mを生み出す。車重は2454kgもあるが、0-100km/h加速は7.9秒でこなせる。ウサギが小屋から逃げ出しても、すぐに追いつける瞬発力といえる。これ以上速い必要はないかもしれない。

有能なぶん、英国価格は5万8900ポンド(約948万円)とお安くない。直接的なライバルは数少ないが、オフローダーというカテゴリーならジープ・ラングラーは外せない。英国価格も6万2280ポンド(約1002万円)と、比較的近い。

レンジャー・ラプターに並ぶ速さを砂漠で披露しないとしても、低速域での走破性で、ラングラーの右に出るモデルは殆どない。ジープは数10年にわたって、素晴らしい伝統を守り進化させてきた。スポーツカーで例に挙げるなら、ポルシェの911のように。

明確なコンセプトを掲げ、隅々まで設計が煮詰められている。このカテゴリーで確実な成功を収め、これまでに25万台以上が地球上を走り回ってきた。偉業といえるモデルに仕上がっている。

この続きは後編にて。

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