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「最新モデル試乗」乗って確信したトヨタGR86の実力。SUBARU・BRZとは別個性のFRスポーツである!

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 「最新モデル試乗」乗って確信したトヨタGR86の実力。SUBARU・BRZとは別個性のFRスポーツである!

GR86が公道デビュー。まずはBRZとの違いをおさらいしておこう

 GR86が正式デビューした。2ndモデルは、トヨタ86からGR86に名称を変更。SUBARU・BRZから約3カ月遅れでの発売となった。2台は、世界的にも希少なFRスポーツ。腕に覚えがあるドライバーにとって実に魅力的な存在だ。両車のキャラクターを理解したうえで、「自分の1台」を選ぼうと考えているユーザー候補は多いはず。サーキットで走りの差は明確だったが、一般公道ではどうか。

トヨタのスポーツカーシリーズ「GR」のブランド名を冠した新型GR86がついに発売。車両価格は279万9000円~351万2000円に設定

 最初に両車の違いをおさらいしておこう。フットワーク系はショックアブソーバー/スプリング/スタビライザー/EPS制御が異なり、フロントハウジングの素材(GR86:鋳鉄、BRZ:アルミ)、リアスタビライザーの取付方法(GR86:リアサブフレーム取付、BRZ:ボディ直付)が違う。パワートレーンはMT車のエンジンとAT車のシフト制御(スポーツモード)がそれぞれ専用だ。

 今回ワインディングロードを中心に走り込んだ結論は、「サーキット以上に2台は異なる」というもの。具体的に説明していこう。

GR86は全身ピュアなスポーツカー。基本は同じでもBRZとは別物

 走り始めてすぐ実感するのは、MT車のエンジン特性だ。 2.4リッターのボクサー4はどちらも235ps/250Nmを発生。だが、同じようにアクセルを踏んでいても印象は異なる。GR86はひと言で表現すると「力強い」。旧型に対して28ps/28Nmのアップを実感する。BRZは+400ccの「余裕」が心地いい。第一印象でパワフルと感じるのはGR86。BRZは洗練されたイメージだ。パフォーマンス自体は同等だが、味わいは明確に異なる。

 フットワークはどうか? 一般道なのでタイヤの限界まで攻めるような走りにはトライしていないが、共通しているのはリアの剛性アップ。スタビリティがグッと高まり、ドライバーに絶大な安心感を与える。車体の強さは路面段差をひとつ乗り越えるだけでも明確にわかる。
 
 ハンドリングは大幅に進化した。操舵してからの一連のクルマの動きが素晴らしい。どちらも「手ごたえ」と「滑らかさ」、「対話性」をしっかりと備えている。そのうえでGR86は操作に対して阿吽の呼吸で反応。メリハリあるクルマの動きと回頭性のよさが印象的だ。Rが厳しいコーナーでもグイグイとノーズが入っていく。日常の中で非日常が味わえる設定は「自分はいまスポーツカーに乗っている」ことを実感させてくれる。

 BRZは操作に対するクルマの動きが滑らかでシームレス。どこにも過度なところがない。ノーズはリアとのバランスを考えてジワーッと入っていく。GR86ほどの切れ味はないが、スバルらしく安心安全を担保したうえで楽しさをプラスした味付けになっている。「トルクスプリットAWDのようなFRスポーツ」といったフィーリングである。

 勘違いしてほしくないのは、「GR86はシャープ」、「BRZはスムーズ」という短絡的な評価にはならないこと。両車の差は、あくまでも「2台を比べたとき」の相対的なもの。基本となる「走る歓び」、「一体感」、「コントロールする楽しさ」は共通。そこに至るまでの道筋とアプローチが異なるだけだ。

17インチ仕様の方が違いは明確! 進化も実感できる

 今回は18インチタイヤを履く上級グレードだけでなく、17インチを履く普及グレードにも試乗した。18インチと17インチはタイヤが違っても足のセットアップは共通。したがってタイヤの差がストレートに実感できた。17インチは旧型と共通のミシュラン・プライマシーHPを装着。乗ると「同じHPを履いていると思えない!」と感じるほどだった。限界が高い上に粘りのあるグリップが実感できた。パワーアップした2.4リッターエンジンの効果で、18インチ仕様よりも「じゃじゃ馬」的な面もあるが、それもひとつの個性だ。新型の進化は17インチのほうがストレートに感じられる。
 驚いたのは17インチは2台の個性がより際立っていたこと。個人的にはグレードを問わず17/18インチが購入時にセレクトできるといいな、と感じた。

 結論。ユーザーが知りたいのは「どちらが優れているか?」だろう。筆者はサーキットのときと同じでどちらも正解」と判断する。その理由は各々が目指すコンセプトに合わせ、見事な味付けになっているからである。クルマ選びで重要になるのは「どちらが好みか」という点。購入する際は、必ず2台を乗り比べて決断すべきだ。

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