■なぜ装備される?「MTモード付きAT」とは
近年、日本で販売される新車のうち、ほとんどをAT(オートマチック)車が占めるといわれますが、そんなAT車でもMT(マニュアル)車のように運転手自らがギアを選択できる機能が、「MTモード付きAT」です。
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しかし、クルマにそれほど興味のない人のなかには、MTモードを一度も使ったことがない人もいるといいます。
普段の環境では使わなくても問題なく運転できるATのMTモードですが、なぜ装備されるのでしょうか。また、装着車のユーザーからはどのような点が評価されているのでしょうか。
MTモード付きATは、CVT車を含むAT車に幅広く装着される装備です。装着される基準は、グレードや排気量にあわせて決まる場合もあれば、AT車仕様の全車に標準される場合もあり、まちまちです。
MTモードを使う場合は、シフトレバーのMTゲートや、ハンドルの奥にあるパドルシフトを用いてギアの上下を操作します。
MTモード付きATには、大きく分けて3つの種類が存在します。
ひとつめは、無段階変速の「CVT」にMTモードが付いているものです。こちらは段階のない変速を実現しているCVTに、擬似的に段を付けて走行するという仕組みになります。
ふたつめは、トルクコンバーターを使用した「ステップAT」にMTモードが付いているものです。
そして、CVTとステップATのどちらとも異なるのが「DCT(デュアルクラッチトランスミッション)」ベースのものです。ステップATと比べてもMTモードのダイレクト感が強いのが特徴で、国産車のなかではCVTやステップATより採用例は少ないです。
※ ※ ※
そもそも、MTモードがもっとも使われる状況は、下り坂などでエンジンブレーキを効かせたいときが中心だといいます。
MTモードのないAT車であっても、従来からドライブのほかにローレンジが設けられており、このローレンジを別の操作方法で実現しているのがMTモードともいえます。
三菱の広報担当にMTモードについて聞くと、次のように説明します。
「MTモードのないATのシフトレバーのポジションは、一般的には上からパーキング、リバース、ニュートラル、ドライブ、そしてローレンジになっています。
MTモード付きのATが登場する前は、下り坂などでエンジンブレーキを使うときは『L(ローレンジ)』を使う必要がありますから、ドライブの位置よりもシフトレバーを手前に引く操作をしていました。
そのため、『-(シフトダウン)』は手前に操作することが自然だと考えたことから、弊社のMTモード付きATのシフトパターンは、シフトアップは奥、シフトダウンは手前というシフトパターンを採用しています」
ローレンジとほぼ同じ効果を持つATのMTモードですが、ユーザーからはどのような声があるのでしょうか。
マツダの販売店スタッフに聞くと、次のようにコメントします。
「お客さまがMTモードを使うタイミングとしては、エンジンブレーキを効かせたいときのほかに、スポーティに走りたい気分のときがあるようです。
弊社の現行モデルでは、内装全体の質感の向上にあわせて、シフトなどの操作感もこだわっているので、上質かつスポーティな雰囲気が好評です」
MTモード付きATは、本来はシフトのローレンジが変化したポジションであるものの、クルマのスポーティさを演出する装備として定着したといえます。
■なぜシフト上下が逆のクルマが存在する?
MTモード付きATを装備する国産車のシフトパターンを見ると、前出の三菱のように奥に倒すとシフトアップ(+)、手前に引くとシフトダウン(-)という車種が多いですが、マツダは反対に奥に倒すとシフトダウン(-)、手前に引くとシフトアップ(+)というパターンを採用しています。
なぜマツダ車はシフトレバーのパターンを多くの国産車と反対にしているのでしょうか。
マツダの広報担当者は次のようにコメントしています。
「マツダ車が他社のシフトパターンと逆にし始めたのは、クルマを意のままに操れる『人馬一体』を実現するためです。
クルマは加速するときは後ろにG(重力)がかかり、減速するときは前にGがかかります。
シフトアップ操作が奥に倒すタイプのシフトパターンでは、加速Gとは逆の方向にシフトを操作する必要があり、自然な操作とはいえません。
そのため、加速中は手前にシフトレバーを引きシフトアップ、減速中はレバーを奥に倒してシフトダウンすることで、違和感の少ないシフト操作が可能になります。
なお、レーシングカーなどシーケンシャルトランスミッションのIパターンシフトも、マツダ車と同様のシフト操作になっています」
※ ※ ※
ちなみに、ほかの国産車ではトヨタ新型「スープラ」も、奥に倒すとシフトダウン(-)、手前に引くとシフトアップ(+)というシフトパターンを採用しています。
シフト操作をマニュアルでおこなえるMTモード付きATのシフトレバーでも、仕様が異なることでメーカーや車種ごとの個性が表れており、設置される大きな意義も、そこにあるといえるのではないでしょうか。
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