基本的にはラジアルタイヤの一種
Sタイヤは、市販のモータースポーツ用のタイヤのひとつ。Sタイヤの「S」は、「セミスリック」あるいは「セミレーシング」の略とされているが、基本的にはラジアルタイヤの一種。
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ブリヂストンでいえば、RE-11S。ヨコハマならADVAN A050、ダンロップならDIREZZA03G、トーヨータイヤのプロクセスR888Rなどが、このSタイヤに当たる。Sタイヤの特徴は、サーキット、ジムカーナ、ラリーのターマックなどのモータースポーツシーンで、好タイムが出せるタイヤ=非常にグリップがいいタイヤだということだ。
カタログを見ると、「競技用」「モータースポーツ用」と書かれているが、スリックタイヤと違って、シーランド比はかなり低いが、溝は一応入っているので、1.6ミリ以上残り溝があれば、保安基準上は公道走行もOK。
ただし、高いグリップ性能とのトレードオフで、作動温度領域は限られていて、ウエットはかなり苦手。摩耗は早く、製造から時間がたつにつれ、走行距離に関係なくどんどん性能が低下するので寿命が極端に短い。
タイヤのノイズ対策もないに等しく、走行中の騒音が大きい 。乗り心地や燃費はまったくよくない。といったデメリットがあるので、公道を走るのに適しているとは言い難い。
その代わり、同じ銘柄でも、コンパウンドが数種類あり、耐久レースなどにも使える高温時のサーキット走行用のタイヤから、(ジムカーナの)極低温・低温域で使用するタイヤ、サーキットでの1LAPアタック用の柔らかく温まりやすいタイヤなど、シチュエーションや競技によって使い分けることができるメリットもある。
というわけで、公道走行可能なラジアルタイヤの一種ではあるが、基本的には限りなくレーシングタイヤやスリックタイヤに近い、競技用のタイヤと考えたほうがいいだろう。
ただし近年、Sタイヤがレギュレーションで禁止されている86&BRZレースで、各社のタイヤ競争が過熱しており(とくにプロフェッショナルシリーズ)、Sタイヤと高性能スポーツラジアルとの境界線が、ちょっと曖昧になってきている……。
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