この記事をまとめると
■クルマに貼るための「CHILD in CAR」と書いたステッカーが存在する
いまじゃ当たり前すぎて誇れない! 「TWINCAM」「DOHC」「TURBO」消えたクルマのエンブレム&ステッカー
■1990年代には必要派・不要派でたびたび議論になった
■もともと海外から来たもので本体の用途は異なる
さまざまなメディアで取り上げられ意見が飛び交った
最近少し減っている気はするが、よく見かけるのがリヤに貼ってある「CHILD in CAR」のステッカー。これについて、1990年代に大きな論争が起こったことがある。「必要だ」、「いやいらない」というものなのだが、覚えている方もけっこういるのではないだろうか。
ネットはなかった時代だけに、きっかけとなったのはある自動車雑誌で、賛成派、反対派を集めて討論会をやっていたほど。そこから飛び火してほかの雑誌でも取り上げられたり、新聞にも載っていた。なにをそんなにやり取りしていたのかというと、両派の意見としては次のようになる。
クルマ好きやベテランドライバーからすれば、「路上交通は公共性の高いもので、そのなかをルールに沿ってみんな走っている。貼ったことでなにか手加減してほしいのか?」という否定的な意見が多かった。
チャイルドシートが法制化される前で、それそのものの存在もなじみではなかったが、シートにしっかりと座らせていれば安全だろう、というのも背景にあった。
本来は事故時に子供を先に救出してもらうためのものだった
さらに「乗せているときは表示して、乗せていないとき外さないと意味がない」という、会議室の在室札的な意見も出たりした。まぁ、確かにフツーに走ればいいわけで、そのうえでなにを配慮するのか? という気は今でもする。
一方の賛成派というか、貼っている派としては、「子供を乗せているんだから、配慮してほしい」という意見が多かったし、「貼るのは勝手だろう」的なものも出て、まさにケンケンゴウゴウ。
もちろん意見をぶつけ合ったところで、どっちに軍配が上がるわけでもなく、平行線のまま。強烈に賛同するほどの意見内容でもないのが輪をかけて、当時も結論は出なかったように思う。
この「CHILD in CAR」の表示は、じつは海外から来たもの。ただ用途は違っていて、欧州では高速道路の平均速度が高い上に、霧が出ると多重事故が発生しやすい。もし事故に遭って車体がぐちゃぐちゃになったときに、子供を乗せているから先に救出してくれというのを伝えるというのが本来の役割だといわれている。
今からすればどっちでもいいし、貼りたければ貼ればいいと思う。それよりも、いまだにチャイルドシートは使っていなくて、車内で動き回って遊んでいたり、助手席に子供を座らせたり。また、ひどい場合は膝の上に乗せていたりするなど、普及しないモラルについて啓蒙した方がいいのではないだろうか。
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