F1のステファノ・ドメニカリCEOは今後のF1開催カレンダーのあり方として、ヨーロッパでの一部レースを隔年でローテーションさせる可能性があることが検討されていると認めた。
F1は近年開催カレンダーの拡大が続き、2024年シーズンは全24戦が行なわれている。既にレース数は限界を迎えているとされ、新規開催を望む地域を追加する余地が無くなってしまっている状態だ。
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そうした状況にドメニカリCEOは以前、ヨーロッパでのレースをローテーションで開催することも選択肢になりうると示唆していたが、現在その方針が検討されていることを認めた。
最近行なわれたF1オーナーのリバティ・メディアによる投資家向け会議で、ドメニカリCEOは次のように語った。
「中長期的にヨーロッパのグランプリをローテーション方式で行う可能性と、その他今後の新たなオプションについて、皆さんにかなり近いうちに共有できるニュースがある」
「それらはもちろん明らかにしていくつもりだ。新たに参加を希望する開催地からの引き合いが大きいことは事実であり、システムとして得ることのできる適切な経済的な利益と、我々の事業をさらに成長させていくために役立つポテンシャルの見込まれる市場を活用することの間で、バランスのとれた選択を行なっていくつもりだ」
なおドメニカリCEOは先日アメリカGP開催中のイベントでは、復活を望む開催地として、アルゼンチンを挙げていた。
現在、ヨーロッパでのレースはアゼルバイジャンGPを含めると全10戦が開催されていて、イタリアではイモラとモンツァの2箇所でF1が行なわれている。また2026年からはスペインGPの会場がバルセロナからマドリードへ変更となる。
最近の報道によると、バルセロナ(カタルニア・サーキット)はオランダGPと開催枠を共有することになるとも言われている。ただ、オランダGPの主催者側はこうした考えからは距離を置いている。
ドメニカリCEOのローテショーン開催のプランが抱えている可能性のある問題は、既に多くのヨーロッパのサーキットが複数年契約を結んでいること、そしてそれらのコースの財政的な将来は毎年F1を開催することにかかっていることだ。
サーキットとの契約の一例では、シルバーストン(イギリス)、ハンガロリンク(ハンガリー)、レッドブル・リンク(オーストリア)は2030年代までの契約を結んでいる。一方でスパ・フランコルシャン(ベルギー)、モンツァ、イモラ、ザントフォールト(オランダ)の契約は来年以降で満期を迎えていく。
モナコも契約は2025年で一旦満期となるが、F1における象徴的なレースのひとつであるため、ここがローテーション枠となることはまず無いだろう。
F1は近年、大きな関心を惹きつけており規模を拡大させ収益的にも好調となっている。そのためその盛り上がりに加わりたいと、開催を希望する地域が増加している。
現在建設中のサウジアラビアのキディア・サーキットは同地での2戦目を、またルワンダが候補とされているアフリカ大陸でのF1復活、前述のアルゼンチンGPの復帰の可能性なども、ヨーロッパでのレースが減らされた場合に候補となる可能性のある候補地の一部に過ぎないのだ。
シリーズ運営や商業的な権利などを定めるコンコルド協定では、F1の年間最大開催数は25戦と規定されている。ただドメニカリCEOは全24戦からさらに増加させるつもりはないという。
「開催数の面で、今の24という数字はバランス的に適切なものだと考えている」
「議題に上がってくる全ての提案は、我々の将来を更に良い選択をする可能性を与えてくれるものだと信じている」
「そしていつものように、我々はバランスをとっていく必要がある。直接的な財政提案にのみ乗ることはできないと認識しているんだ。それは地域によってことなるものだからだ。しかし、ステークホルダーに正しい選択を提示できるかどうかは、我々次第だ」
「将来に向けた戦略をより確固たるものとするために、我々は今良い勢いがあると思う。だからこそ、それはスポーツ、社会、ビジネスの観点から、我々のプラットフォームを強化するための助けになると確信しているんだ」
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