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自動車のインターフェースとトレンドの移り変わりを検証【自動車業界の研究】

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自動車のインターフェースとトレンドの移り変わりを検証【自動車業界の研究】

今回はドライバーにとってはもっとも身近で、近年はデジタル化も進む自動車のインターフェースについて、時代によってどのような変化が見られるのか?や運転時の安全にも関わる視認性に影響するメーターのレイアウト、最新の音声認識機能によってインタラクティブ(双方向のやりとり)を実現しているインフォテインメント機能などを中心にトレンドの移り変わりもご紹介するコラムをお届けします。

自動車のインターフェースとは?

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そもそもインターフェースとは複数の異なるものを接続するといった意味で、自動車においてはドライバーと自動車を接続する機能を指します。
具体的にはハンドルやペダル、シフトノブ(ATセレクター)や各種スイッチといった操作系、メーターやディスプレイといった情報系に分類されますが、いずれも運転に際してドライバーと自動車を接続する機能がインターフェースです。
自動車のインターフェースは運転に必要な外部インターフェースである視界、車外や車内の視認性とそれらを補助するミラーや外部カメラ等といった部分も含めて運転に関わる様々な事が考慮されて設計されています。

インターフェースは操作性(使い勝手や誤操作防止等)やディスプレイ等の視認性はもちろんのこと、インテリアとしてユーザーの印象にも大きな影響を与えますので、デザインや材質、操作時の触感、カラーコーディネートもとても重要であるため、モデルに関わらず統一コンセプトを打ち出しているブランドも多く見られます。
さらに今後は、コネクティッド機能によるエンターテインメントやオンライン会議等のビジネス機能といった、外部と接続するインターフェースも非常に重要で、ブランドのオリジナリティを決定づける大きな商品要素、魅力になってきていると考えています。

自動車のインターフェースの変化について、日本を代表する伝統モデルの一つであるトヨタのクラウンの変遷を見てみますと、ハンドルやペダルと各種スイッチ、メーターといった部分の基本レイアウトに大きな変化はありませんが、日本のバブル期に重なる1980年代の後半にナビやデジタルメーターが装着されたことやナビ画面がどんどん大きくワイドになってきていることが特徴です。
伝統モデルとして奇を衒わず時代の移り変わりに合わせて機能やデザインをアップデートさせて正常進化している印象を受けます。

メーターレイアウトと外部視認性の関係性

運転する際にはなくてはならないメーターは、少し前までセンターレイアウトの採用が増えていましたが、現在はモデルチェンジの際にドライバー正面にレイアウトを戻すモデルが増えています。
元々、メーターのセンターレイアウトは運転時に前方から視点をそらさずにメーターを確認できるといったことや、仕向地に合わせて左右ハンドル用に2タイプのインパネを製造せずに1タイプに共有化できるといったコストメリット、未来的などといったデザイントレンドによって、20年ほど前からコンパクトカーや軽自動車、ミニバンを中心に採用が拡大しました。
しかし、近年はメーターのセンターレイアウトが減少していて、理由としては自動運転などの高機能化によってメーターの情報量が増えて詳細を確認する時に近い方が良い、長き時代に渡って大多数を占めてきたドライバー正面のレイアウトから乗り換えた際に違和感がある、夜間に手元が暗いなどといったユーザーの意見もあるのですが、センターレイアウトの普及によって未来的であるとユーザーが感じない時代になったという、現在のデザイントレンドによるところが大きいと「かつてのデジタルメーターの流行」からも考えられます。

いずれにしてもメーターのセンターレイアウトについて、運転していて慣れれば問題ない! やセンターレイアウトのほうが良い! といったユーザーの意見ももちろんありますので、また採用が増える時代が来るのかもしれません。

最新のインフォテインメントとインターフェースのトレンド

CASE(Connected:コネクティッド、Autonomous:自動運転、Shared&Services:シェアとサービス、Electric:電動化)時代における自動車のインターフェースはコネクティッドにより進化していますが、その中でも注目されるのがインフォテインメントです。
インフォテインメントはインフォメーション(情報)とエンターテインメント(娯楽)が組み合わさってできた言葉で、文字通り自動車の車内においてコネクティッドの通信技術によって各種情報や娯楽が楽しめる機能を指します。

例えば、メルセデス・ベンツの「MBUX(Mercedes Benz User Experience)」の最高峰である「MBUXハイパースクリーン」には、運転席のコックピットディスプレイ、中央のメディアディスプレイ、助手席のフロントディスプレイと3つのディスプレイが装着され、それらを1枚のガラスで覆っています。
特に中央と助手席には高精細な有機ELディスプレイが採用され、それによって個々の画素が自発光して使われていない画素がOFFとなるため、下地がブラックとなってグラフィックの視認性が向上、ONになっている有機EL画素は見る角度や周囲の光の条件とは関係なく高い輝度で発色するというメカニズムから、常にくっきりしたコントラストが生まれ綺麗な映像が提供されます。
これらによって、同乗者はUSBに保存した動画コンテンツやWEBブラウザを介して動画サービスを視聴することが可能になり、映画やスポーツ、音楽ライブといった各種エンターテインメントを視聴する事ができ、触覚フィードバック機能によって操作した時に指に操作感(反応)も得られます。
3つのディスプレイがそれぞれ独立して操作できるため同乗者にとってはこれまでにない体験が得られます。将来は自動運転の進化によって、ドライバーもそれらを視聴したり、オンラインミーティングをしたりする時代が来るのかもしれません。

また「MBUX」はインタラクティブな音声対話型の機能として、施設検索や目的地の設定、エアコンディショナーのオンオフや温度設定、音楽メディアやラジオやテレビの放送局選局などの操作、電話の発信、メッセージの作成と送信や受信メッセージの読み上げ、気象情報の確認、ルームライトやアンビエントライトのオンオフ、車両情報の表示、シートヒーターのオンオフといった多種多様な多くの機能を持っています。
さらに「MBUX インテリア・アシスタント」によって、手や腕で特定のジェスチャーをすることによってお気に入りの機能を呼び出したり室内灯を点灯消灯したりと、指でスイッチを操作することなく特定の機能を使うこともでき、今後もOTA(Over The Air:無線通信)アップデートによってエンターテインメントやナビなどを中心に機能の進化を続けます。

現在、メルセデス・ベンツではマイクロソフトと提携して北米仕様の車種に「チャットGPT」を試験搭載していますので、将来はさらにスムースでインタラクティブな機能を持つシステムが出てくると期待されます。

またホンダの「ワイドビジョンインストルメントパネル」は、量産車では世界で初めて5つのスクリーン(ディスプレイ)を水平に配置、マルチタスク機能によって、1つのディスプレイでは不可能だった2人で違った別々の操作(例えば運転席側でナビの設定、助手席側で好きな音楽を探すなど)を実現、「Honda パーソナルアシスタント機能」によって「OK, Honda」と声をかければ音声認識によって各種機能の操作もインタラクティブに可能です。

メルセデス・ベンツの「MBUXハイパースクリーン」やホンダの「ワイドビジョンインストルメントパネル」のインターフェースでは、助手席で独自に操作するという概念が導入されたことが新しいと思います。

スマートフォンの重要性とエンターテインメント

自動車のインターフェースにおける最近のトレンドを象徴する一つとして、スマートフォンが自動車のインターフェースに加わったことがあげられます。
これによってスマートフォンから走行距離や燃料残量、スターターバッテリーなどといった車両の情報やドアロックの施錠と解錠、さらに車内に乗り込む前にエアコンを作動させて車内を快適な温度にしたり、ナビへ目的地を予め設定したりといった機能が一部のモデルには既に導入されています。
もはやどこに居ても自動車の状況が確認できたり操作できたりといった自動車のインターフェースが当たり前になりつつあります。

また最新のBMW 5シリーズには、ゲームプラットフォーム「AirConsole」と提携してスマートフォンをコントローラーとして、レース、スポーツ、クイズ、音楽クイズなどを楽しめるゲーム機能が搭載されていて、映画を観るには時間が短いけど少し時間があるといった時、例えばBEV(Battery Electric Vehicle:バッテリー型電気自動車)の充電待ちなどの時間に退屈せずに車内で過ごすことができます。

自動車のインフォテインメント機能は車載OS(Operating System)の進化によって、今後は益々の進化を遂げていくため、車載OSの良し悪しが商品力として重要になってくると想定され、現在は世界中の自動車メーカーにおいてOSの開発が盛んに行われています。

近年、自動車のインターフェースは、通信キャリアによるインターネットの普及で実現されたコネクティッド機能により、スマートフォンで提供される機能が拡充して進化を続けています。

スマートフォンの重要性は私たちの日常生活においても高まっていますが、自動車業界においてもインタラクティブで多種多様なことが実現できることから、自動車本体のインターフェースとしてだけではなく、ユーザーにとってはアフターサービスにおける入庫の予約やメーカーや、販売店にとってはCX(Customer Experience:顧客体験)における満足度を向上させる各種情報提供を担うといった役割も持ちあわせています。

自動車業界の3大顧客接点(スマートフォン、ナビ、販売店)のなかでも最もユーザーにとって身近にあるスマートフォンを軸にナビや販売店が連携をするため、CXにおけるその重要度は増すばかりです。

参考リンク)
メルセデス・ベンツ日本 オフィシャルサイト
https://www.mercedes-benz.co.jp/
BMW PressClub Global.
https://www.press.bmwgroup.com/
トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
https://global.toyota/jp/
LEXUS ホームページ
https://lexus.jp/
Honda ホームページ
https://www.honda.co.jp

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みんなのコメント

4件
  • アプリ連動なんて珍しくないですけど!
  • ナビなどの装備は元々日本が一番進んでいたが
    サクッと中韓にすら抜かれ気味
    供給元との関係が影響しているのだろう
    あとはデザイナーかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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