ランボルギーニは2023年3月29日(日本時間3月30日)、最新フラッグシップモデルの「レヴエルト」をワールドプレミアした。注目のパワートレーンには6.5LV12DOHC+3モーターを搭載した新世代ランボを現地で取材した西川氏の興奮冷めやらぬレポートをお届けしよう!
文/西川 淳、写真/ランボルギーニ
1015馬力の猛牛現る!! ランボルギーニ新旗艦はV12+PHEV!! 「レヴエルト」を目撃せよ
■ランボフラッグシップモデルの方程式に則り、車名は闘牛名から採用
日本時間3月30日AM2時、ついに新世代ランボルギーニのフラッグシップモデル、「レヴエルト」がその姿を現した。車名はスペインの闘牛名からという伝統は踏襲された!
創立60周年の節目を迎えたスーパーカーブランドの雄、ランボルギーニが新たなフラッグシップモデル「レヴエルト」を発表した。実に11年の長きにわたって生産され絶大な人気を誇った先代フラッグシップ、アヴェンタドールの後継モデルだけに世界中のスーパーカーファンが待ち望んだ1台だ。
その車名はムルシエラゴやアヴェンタドールと同様、サンタガータ産の最強猛牛の伝統に則って、スペインの闘牛名から拝借したもの。
時は1880年8月1日。バルセロナのアレーナにおける戦いの最中に何度も柵を越えて暴れ回った獰猛な闘牛がいた。その戦いぶりから付けられた名前がレヴエルト。スペイン語で“引っ掻き回す”という意味だ(転じてスクランブルエッグを指すことも)。
新型フラッグシップは早くからプラグインハイブリッドのスーパーカー(PHEV)と言われてきたから、エンジンと電気モーターを“かき混ぜた”パフォーマンスを見せるという意味で、確かにふさわしいネーミングだろう。
■どこからどう見ても「ザ・ランボルギーニ」な外観デザイン
レヴエルトのデザインはデザインセンターのチェントロ・スティーレが担当。どこからどう見てもランボルギーニのモデルであることは明白だ
ミッティア・ボルカート率いるチェントロ・スティーレ(デザインセンター)が生み出したレヴエルトのデザインは新鮮であると同時に歴史的なデザインもうまく融合させており、それゆえどこからどう見ても“ザ・ランボルギーニ”である。
個性的なY字シェイプヘッドライトを持つフロントマスクから、曲線と直線を融合させたワンモーションのウェッジシェイプ、そして上方排気とエンジン丸見えのリアセクションと、見どころはいっぱい。
レヴエルトでミッティアのお気に入りのシーンはこのリアエンドからキャビンを見とおす景色だそうな
もちろん、エアロダイナミクスも大幅に進化している。その詳細については写真をじっくり見てほしいが、なかでもリアエンドからまっすぐキャビンを見とおす景色がミッティアのお気に入りらしい。
■パワートレーンはV12DOHC+3モーター+リチウムイオンバッテリー!
レヴエルトのインテリア。最新のADASがついにスーパースポーツにも装着されるようになった
インテリアも当然一新された。最新モデルらしく大きなモニターを備え、最新の運転支援(ついにスーパースポーツにもADASが!)も装備。また、室内高をアヴェンタドールに比べて26mm上げたことで、背の高いユーザーの快適性を確保し、ヘルメット着用のドライブも容易にした。13種類ものドライブモードをハンドル上のふたつのダイヤルで選択できることもレヴエルトの特徴だ。
レヴエルトが搭載するパワートレーンは完全新設計となるV12の6.5LDOHCに3モーター。0-00km/h加速は驚愕の2.5秒をマーク!
既報のとおり、そのパワートレーンは新設計のV12自然吸気エンジン+3つの電気モーター+リチウムイオンバッテリーで、システム最高出力はなんと1015cv。パワーウェイトレシオは驚異の1.75kg/cvで、0→100km/h加速2.5秒、0→200km/h加速7秒、最高速度350km/h以上というから電池による重量増をモノともしないパフォーマンスを実現している。
6.5LのV12自然吸気エンジン(型式名L545)は完全新開発で、アヴェンタドール用L539に比べて17kgも軽い218kgにまとめられた。最高出力は825ps/9250rpm。9500回転まで許容する超高回転型だ。最大トルクは725Nm /6750rpm。
これに前2+後ろ1の電気モーターとリチウムイオンバッテリー、これまた新たに開発した8速DCTを組み合わせた。前輪と後輪との物理的なつながりこそないが、ディアブロ以来の伝統である四輪駆動もまた継承されている。
ふたつのYASA製フロントモーターのスペックはそれぞれ150ps/350Nmで、前輪を駆動するほかトルクベクタリングや回生ブレーキとして働く。後退を含めた電動走行は基本、フロントモーターが担う。
MAHRE製リアモーターは150ps/150Nm。スターターやジェネレーターとして機能するほか、走行モードや状況に応じて駆動にもかかわる。完全電動の4WD走行も条件次第で可能だ。
■エンジンとトランスミッションの搭載位置はカウンタック以来の伝統から変化
レヴエルトのエンジンとトランスミッションは、カウンタック以来のランボ伝統レイアウトとは真逆になるキャビンから見てエンジン→ミッションに変更された
筆者を含めてランボファンが最も驚いたのはエンジン+トランスミッションの搭載方法だった。カウンタック以来の伝統というべきレイアウトの180度逆、つまりキャビンからみてエンジン→ミッションと常識的な配置となったからだ。
これまでセンタートンネルがトランスミッションの置き場だったわけだが、代わりに重くてかさばるリチウムイオンバッテリーを置くことに。そしてエンジンの後ろにシャフト数に工夫を凝らした軽量かつコンパクトなDCTを自社で新たに開発(サプライヤーはグラツィアーノ)し、電気モーター1基を真上に載せてリアアクスル上に横置きすることになった。カウンタックの伝統こそ失われたが、重量バランス的にはほぼ同等であるとエンジニアは説明する。
CFRP製モノコックボディで覆われたセンタートンネル内に鎮座するVALMET製リチウムイオンバッテリーは4500W/kgという高い出力密度を誇る。容量は3.8kWh。PHEV用というには低容量だが、走行中における再充電時間を短くすることで繰り返し最大性能を得られるほうを重視した。
ちなみにプラグイン給電はフロントブートを小さく開けて行う。なお、フードは小さく隙間を開けた位置でロックされるという。荷室も機内持ち込みサイズのトロリーケース2個分を確保した。
■航空機の機体製造工場なみの精緻さから生まれたCFRP
レヴエルトの骨格はCFRPモノコック構造を採用している。軽量化と高剛性化を目標とするユニークな設計を施してあるという
レヴエルトの高性能を支える骨格はもちろんCFRPモノコック構造で、先代に比べさらなる軽量化と高剛性化を目指し、複数の成型法を組み合わせたユニークな設計とした。市販の量産ロードカーとしては初めてフロントサブフレームにCFRPを採用。リアのサブフレームは従来どおりアルミニウム製だ。
サンタガータは新しいモノコックボディを特に“Monofuselage(=単胴体)”と呼ぶ。メインのバスタブ、フロントファイアウォール、フロントサブフレーム、アンダーパネルなど50%以上を占める成型法が細かな炭素繊維を樹脂に混ぜてホットプレス(5000トン級)する得意のフォージド(鍛造)カーボンだ。
加えて伝統的なハンドレイアップ・プリプレグ成型はピラーからルーフにかけて、つまり軽量で高剛性であると同時にクラスAの表面クォリティが必要な部分に使われる。
ちなみにフォージドカーボンとプリプレグ、新たに自動レイアップのプリプレグ・ホットプレスによるパーツは自社CFK工場にて生産される。CFK工場はおよそ1.5倍の規模に拡張された。改装されたCFK工場も見学したが、ほとんど航空機の機体製造現場の様相だった。
■サプライヤー供給を受けるユニークな「ロッカーリング」は革新的!
筆者とレヴエルト。アヴェンタドール用のアッセンブリーラインを改装して本社工場に備え、月産7台のレヴェルトが誕生するのだという
構造物のなかで最も革新的でユニークだったのはRTM(レジン・トランスファー・モールディング)成型で生産された“ロッカーリング”と呼ばれるパートだ。フロントサブフレームの接合部から両サイドシル、リアバルクヘッド下をリング状に一体成型したもので、そのなかにすっぽりとフォージドカーボン製バスタブがハマる仕かけになっている。このロッカーリングのみサプライヤーから供給を受けている。
結果、モノコックボディと前後サブフレームの総重量はアヴェンタドール用に比べて10%軽く、捻り剛性は25%もアップした。驚異の動力スペックを支えるに充分な骨格というべきだろう。
伝統の本社工場にレヴエルト用のアッセンブリーラインはある。アヴェンタドール用を大幅に改装し、より働きやすく効率的で環境に優しい工場を目指した。当面、その生産台数は日産7台であるという。
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