現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 三菱「ランエボ」電動SUVで電撃復活か!? 新4WDシステムが開く再生への扉とは

ここから本文です

三菱「ランエボ」電動SUVで電撃復活か!? 新4WDシステムが開く再生への扉とは

掲載 更新 3
三菱「ランエボ」電動SUVで電撃復活か!? 新4WDシステムが開く再生への扉とは

■三菱「ランエボ」 電動SUVとして復活か?

 自動車メディアの間では“ランエボSUV”とも呼ばれる、三菱の次世代高性能SUV。これまで量産の噂が何度もありました。登場時期としては2021年が有力とか、もう少し先とか、さまざまです。果たして、噂の真相はどうなっているのでしょうか。

スバル最強「S209」爆誕! オーバーフェンダーがイカつい限定車だ!

「ランサーエボリューション」のSUVの量産が現実味を帯びたのは、東京モーターショー2017で登場した「e-エボリューションコンセプト」。さらに、東京モーターショー2019に登場した「MI-TECH(マイテック)コンセプト」です。

 これ以前にも、三菱小型スーパーSUV登場の噂は絶えませんでしたが、ついにその姿を現した、という感じでした。

 ただ、MI-TECHコンセプトによって逆に「ランエボSUVはやっぱりないかも」という噂もたってしまいました。パワートレインが、ガスタービンエンジンを利用したブラグインハイブリッド車というからです。同様のシステムは、イギリスなどで以前に研究されたことがありますが本格的な量産に至っていません。

 一方でボディデザインとしては、量産っぽさを感じます。2座席のオープンボディのバギータイプ、というカモフラージュで登場しましたが、近年の三菱デザインらしいガッツリ顔の「ダイナミックシールド」からは量産車へとつながる雰囲気があります。

 そして、量産化の観点でもっとも気になるのが、「クワッドモーター4WDシステム」です。

 クワッドとは4を意味します。つまり4モーターです。近年登場しているEV (電気自動車)、プラグインハイブリッド車、またはハイブリッド車で四輪駆動というと、2モーターまたは3モーターが使われています。

 2モーターの場合、FF(前輪駆動車)用のエンジンに1基、後輪駆動用に1基。または前後に1基あり、それぞれが両輪の動力源になっています。

 3モーターの採用例はホンダの「SH-AWD」で、「NSX」や「レジェンド」に搭載。NSXは後輪側のエンジンに1基、前輪側に2基。レジェンドはその前後逆となります。

 4モーター式4WDでは、欧米のベンチャー企業が少量生産モデルとして発表したり、レクサスのコンセプトモデル「LF-30エレクトリファイド」などがありますが、本格的な量産車はまだありません。

 4モーター式4WDの三菱車というと、いま(2020年)から15年前の2005年に三菱が発表した「ランサーエボリューションMIEV」(ランエボMIEV)を思い出す人がいるかもしれません。

 自動車メディアの多くも、ランエボMIEVの現代版として、MI-TECHコンセプトをランエボSUVの原型として捉えているのでしょう。ただし、ランエボMIEVと今後登場するかもしれないランエボSUVとでは、4WDシステムに大きな違いがありそうです。

■低コスト化も実現? 「MI-TECHコンセプト」に隠された復活へのヒントとは

 ランエボMIEVは、2010年に「i-MiEV」として量産された三菱のEV技術の礎になっています。

 だたし、このランエボMIEVの「MIEV」内の大文字「I」は、「インホイールモーター」を意味します。一方、i-MiEVの方の「iMiEV」内の小文字「i」は「イノベーティブ」(革新的)と異なります。

 インホイールモーターは、車輪ホイールの内側にモーターを配置する方式です。ランエボMIEVでは、公共交通機関向けなどに電動品を開発製造する東京電機製造の、アウターローター式モーター(最大出力50kW)を四輪に装着しました。最高速度は時速180km、満充電での航続距離は250kmとしました。

 インホイールモーター式の四輪駆動車は、三菱以外にも国内部品メーカーなどによる実験車両があります。いずれも高い出力ときめ細やかな制御で、スーパーSUV級の走りが可能です。

 弱点は重量とコストで、これまで自動車向けでの本格的な量産化は進んでいません。

 一方、MI-TECHコンセプトでのクワッドモーターは、インホイールモーター式ではありません。モーターは前後車軸の中央部分に制御システムと共に配置されています。コスト面では将来的に大きく改善されるでしょう。

 背景には環境規制として、中国での新エネルギー車政策や、欧州でのグリーンディール政策などが強化されたこと。また、フォルクスワーゲングループが中長期経営計画としてEVシフトをぶち上げ、電動車関連部品を大量に発注したことなどが大きな要因です。

 では、ランエボSUVの量産化の時期はいつになるのでしょうか。

 MI-TECHコンセプトの発表時、三菱幹部は同社の電動車戦略について、「2022年までに、ミッドサイズSUV、コンパクトSUVに、三菱のプラグインハイブリッド車技術、また(ルノー・日産)アライアンスによるバッテリーEV、シリーズハイブリッド(e-POWER) のいずれかの電動化技術を採用した新型車を投入する計画です」と説明しています。

 この「2022年までに」という目標は、日産の内田誠CEOも決算発表で明言しています。

 日産は2020年にe-POWER搭載のコンパクトSUV「キックス」と、EV「アリア」を発売することが濃厚です。続く2021年にはハイブリッド車を含む新型「エクストレイル」と、より大きなSUV「クロスモーション」が北米市場に次いで日本にも導入されるのではないでしょうか。

 つまり、三菱がいう2022年までの新型ミッドサイズ・コンパクトSUVは、こうした日産車の三菱バージョンになる可能性が高いといえます。なかでも、「アウトランダーPHEV」と、新型エクストレイルの電動化技術の共用性に注目が集まります。

 クワッドモーター式4WDを搭載したランエボSUVは、こうした各種電動車が販売好調の場合に日産絡みの電動部品を活用することで、2023年以降で量産への道が開けると考えるのが妥当でしょう。

こんな記事も読まれています

米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
AUTOCAR JAPAN
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
AUTOSPORT web
カワサキ新型「レトロスポーツモデル」に反響多数!「古き佳き」スタイリングが“現代”に刺さる!? 玄人も注目する“バイクらしさ”を味わえる「W230」とは?
カワサキ新型「レトロスポーツモデル」に反響多数!「古き佳き」スタイリングが“現代”に刺さる!? 玄人も注目する“バイクらしさ”を味わえる「W230」とは?
くるまのニュース
「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
VAGUE
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
WEB CARTOP
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
GQ JAPAN
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
乗りものニュース
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
レスポンス
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
motorsport.com 日本版
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
motorsport.com 日本版
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
くるまのニュース
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
@DIME

みんなのコメント

3件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

360.1533.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.5558.0万円

中古車を検索
エクストレイルの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

360.1533.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.5558.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村