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ジムニー納車トラブル 現金で支払ったのにクルマは来ず スズキ自販奈良が関与か? オークションで転売の可能性も

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ジムニー納車トラブル 現金で支払ったのにクルマは来ず スズキ自販奈良が関与か? オークションで転売の可能性も

客に納車すべきクルマをオークションで転売?

4月10日にAUTOCAR JAPANが報じた「ジムニーが! ムーヴが! 入金したのに納車されず 奈良県のスズキ/ダイハツ正規販売店で納車詐欺? 代理人弁護士から『受任通知』」の記事。※記事下のリンクを参照。

【画像】「スクエアオートモーティブ」一連の事件 関連資料【現地より】 全4枚

「スクエアオートモーティブ」社にて現金にてクルマを購入したにも関わらず、納車がされず、弁護士からの「受任通知」が届いた事態が相次いだことを報じた。

大変多くの方々にご覧いただいており、その後、この事件に絡んだ数多くの情報提供をいただいた。勇気を出して情報を下さった皆様にまずは感謝したい。

そしてこの原稿を書いている本日14日金曜日のお昼ごろ、筆者の電話が鳴った。電話の主はAさんだ。Aさんは過去、スクエアオートモーティブ代表N氏とも何度か会っており、スクエアオートモーティブに納車をしたこともあるという。現在は退職している。

「奈良県内のクルマ屋の間では結構有名な話です。わたし自身もスクエアオートモーティブ代表N氏のことは良く知っています。N氏の納車詐欺にはスズキ自販奈良の業販担当者が関わっています」

この証言によると、スズキ正規販売店(副代理店)でしかも「優秀賞」を受ける実績もあったスクエアオートモーティブ社とそこにクルマを業販していたスズキ自販奈良との間には関わりがあった。

スズキ自販の担当者が悪事に加担している。あってはならないことだが、実は同様の情報提供をまったく別方向から複数件いただいている。複数の情報から同じ人物の名前が挙がっている。

あらためて今回の事件をおさらいしておこう。

スズキ自販としても責任があるのではないか

スクエアオートモーティブ代表N氏が顧客から納車前に現金で全額を受け取って、実際には納車をしない状態が長く続いていた。

そして3月29日、事業が破綻したので「破産申し立ての受任通知」が債権者(納車を心待ちにしていた顧客)のところに届いた。

代理人弁護士からの受任通知には、以下のことが記されてあった。

・20名以上の債権者に対して少なくとも6000万円の負債があります。

・30名以上の自動車購入者から6000万円分の自動車売買代金を受け取ったが納車はできません。

・スクエアオートモーティブオートモーティブN氏の窮状をご理解ください。

・N氏に直接連絡を取ることはやめてください。

・売買契約は不履行です。契約解除する方は債券調査票に記載してください(契約解除してもお金が戻るわけではない)

なぜAさんはAUTOCARに情報提供をした?

Aさんにはまず、なぜ、勇気を出して筆者に電話をしてくれたのか? そこから聞いてみた。

「AUTOCAR JAPANの記事を見たとき、これはスズキ自販としても責任があるのではないかと思いました」

「奈良ダイハツさんは公式サイトに『うちは関係ない』といったことが書いてありましたが、スズキ自販奈良は今もそのような公式発表を出していません」

「無関係だと言えない背景には『何らかの関与があった』ことを内部が把握しているのではないかと思っています」

「会社のやり方に思うところもあり、わたしが知っている範囲で真実の情報を提供しようと記事を書いた加藤さん(筆者)に連絡をしてみました」

「また、副代理店の認定は年間24台以上の規定台数を販売していたとしても、自販がその称号を与えないこともできるんです。ずっと問題のある所だとわかりながら、副代理店として認定していたわけです」

スクエアオートモーティブはスズキの正規販売店でスズキ内では「副代理店」に位置づけられる。しかも、年間多くの台数を販売している「優秀店」としても認められている。

Aさんいわく「年間50台前後は販売していたと思います」小規模な店舗としてはかなりの台数である。

さらに驚く告発があった。

客に納車せず、メーカーから届いた新車の名義を変更してオークションで「転売」

Aさんは続ける。

「いわゆる、オークション流しという行為です。スズキは販売店名義のクルマをメーカーに発注することは禁止されています。もちろん、それをオークションに出す行為も禁止です」

「そこで、客からの発注として客名義でメーカーに発注します。店に新車が届いたあと、本来の客名義から違う名義にコロコロと変えていきます」

「奈良から遠く離れた場所の住所になっていることもありましたよ。名義を買っているのでしょうかね? そしてそのクルマを業者オークションに出して販売します。だから、お客さんのところにはいつまでたっても納車されないんですよ」

「注文書は月末に登録してまとめて出すことが多かったと思います。なぜかというと月末には注文書が10枚、20枚と溜まりますよね。スクエアオートモーティブからの注文書はわざと順番を後ろの方にして(下の方にして)いました」

「後ろにすると、一番から見ていくなかで最後の方になり、登録を進める本社業務課なども、見ているのが疲れてきます。あえて後ろにすることでバレにくくする。その指示は所長がしていました」

「所長はノルマ達成のためなのか、すごい台数の売り上げを上げていましたよ。もうだいぶ上の方になっているかもしれません。お客さんのことなんて考えてないですよ。会社も見抜けなかったと思います」

「いや、わかっていても黙認していたのかもしれません。台数を売っている人間が強い……。そんな感じです」

「オークション優先でしたが中には納車していたクルマもあったと思います。おそらく、数十台はオークション流しをやっていたと思います。しかも、現在でもジムニーは高値で取引されていますから」

「客に納車するよりオークションに出して利益を出す方がいいんでしょう。1台当たり50万円はもうかっていたと思いますよ」

客から入金されたお金はどこにいったのか?

「スクエアオートモーティブは異様に優秀な店でした。副代理店として認められるには年間24台を売る必要がありますが、実際のところスクエアオートモーティブは50台以上販売していたと思います。副代理店の中でも異常なほど優秀な店でした。つまりそこで、自販の担当者とも口裏合わせをしていたのでしょう」

「お金は持ち逃げしているでしょうね。こんなめちゃくちゃなことをしながら、自販奈良の本社やメーカー(株式会社スズキ)はまったく気づいてないでしょう。メーカーにとって奈良県という市場はそれほど重要じゃなかったと思いますし。だけど、このありえない悪事に現場はみんなわかっていましたよ」

「優秀賞を獲得した店にはスズキの社長名が入った盾が送られていますね。だからもちろん、メーカーでも審査はしているのでしょうけど、事務的な流れ作業で盾を作っていたと思われます」

「悪事の始まりはコロナ禍以降。2~3年前からやってたと思いますよ。なかなか納車されないのにオークションには新車のジムニーが多数出品されているわけですから、おかしな話です」

「オークションで高値で落札されたジムニーの車台番号が店に入荷したジムニーの車台番号と一致していたので、これはもう、完全な『オークション流し』ですよね」

では、被害者が今もローンを返済している購入代金はどこに行ったのか? 最後にAさんに聞いてみた。

「そこまでは明確にわかりませんが、関わった自販の営業担当2名とスクエアオートモーティブN氏の3人で山分けしてるかもしれませんね」

「ダイハツは『買取』がOKなんです。この『買取』とは、販社名義でメーカーにクルマを発注し買い取ることができるという意味です」

「だから、買い取ったクルマを転売することも可能です。しかし、スズキはお客さんの名前と住所がないとメーカーに発注できないんです。奈良ダイハツの業販部門がスクエアオートモーティブN氏と共謀していたかはわたしにはわかりませんが、実際ダイハツのクルマも入金したのに納車されていないわけですから……何らかの関与はあったかもしれません」

現在、筆者からはスズキ、ダイハツの国内広報担当者に今回の件を聞いている。メーカーとして、どう考えているのか? 納車を心待ちにしていたお客さんに対して何らかの救済措置はあるのか?

回答が来たらまた記事にしてお伝えしたい。

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