現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則144】オペル ザフィーラはドイツ車らしい質実剛健さが魅力だった

ここから本文です

【ヒットの法則144】オペル ザフィーラはドイツ車らしい質実剛健さが魅力だった

掲載 更新 4
【ヒットの法則144】オペル ザフィーラはドイツ車らしい質実剛健さが魅力だった

2005年10月に日本で発表された2代目オペル ザフィーラは、ドイツ製コンパクトミニバンとして人気を集めたが、2006年、オペルの日本撤退により惜しまれながら姿を消している。派手さはないが、多機能で元気いっぱい。2代目ザフィーラはどんなクルマだったのか、振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年2月号より)

乗り心地は締まった感じで硬め、直進安定性にも不安なし
オペル車はどうにも「地味」なイメージがつきまとう。そして「いいクルマなんだけどね」と言われる。ではライバルメーカーのフォルクスワーゲンが「派手」かというとそうでもない。ドイツ車、それも実用モデルはさほど「きらびやか」である必要はない。しかしユーザーはどこかに光る部分-これはメッキのデコレーションのことではもちろんないのだが-が欲しい。

【くるま問答】アイドリングストップ機能はよいことばかりではない。OFFスイッチはいつ使う?

日本に導入された新型オペル・ザフィーラは7シーターのコンパクトバンだ。このモデルは「光る部分」がこれまでのオペル車、たとえばアストラ、べクトラよりも多くてわかりやすい。それはいかにもドイツ車らしい、という輝きだ。

このザフィーラは、アストラで高評価を得た電子制御シャシ(IDS)の改良型を備えるが、基本構成はフロントがストラット、リアがトーションビームとごくスタンダード。この機械基盤が実に強靭なのが特徴。アンダーステアを制御するロジックと各輪個別ブレーキング機能を備えたESP、トラクションコントロール(TC)、コーナリングブレーキ制御(CBC)などなど、いかにも理詰めの頼もしいシャシ(コンパクトバンでは世界初)である。

エンジンは2.2L直噴のECOTECで、2本のバランサーシャフトを備えスムーズな回転を確保した。出力は110kW(150ps)で燃費性能も従来型より優れる。

そしてボディ。なにより「ホゥ」と感心するのはCd値が0.31ときわめて優れていることだ。これは同じGMグループのスポーツカー、コルベットと同じ数値。で、3列シートの最後列は子供用ではなく、ゆったりとリラックスして、とはいえないまでも、標準体型の大人が着座してのドライブに耐えるし、シートアレンジ、収納スペースもたっぷりある。またオプション装備だが収納コンパートメントと一体型のパノラマルーフシステムが快適だ。

新型ザフィーラには標準仕様の「CD」、「スポーツ」の2グレードがあり、後者はコンティニュアス・ダンピングコントロール(CDC=ダンパー制御機能)、16インチアルミホイール、レザーステアリングなどがプラスされるが、エンジンは同一。試乗車は「スポーツ」を選んだ。

一般路を少し走って高速道路へ。まず電動油圧式パワーステアリングの感触がいい。乗り心地は締まった感じで硬めの部類だが、ゴツゴツ感はさほどない。2.2L直噴エンジンは予想以上にパワフルで好ましいレスポンスを示したが、高回転域ではややうるさい。

当日は風がとても強かったが直進安定性に不安はなかった。ビシッと腰が据わった走りで、外乱に強い。おお、これがドイツ車のいいとこ=得意技だ、と実感できた。

途中でインパネにあるSPORTのスイッチをオンにする。するとどうなるか、というとシフトスケジュールが高回転側に変化する。これは標準の「CD」にも装備されているが、「スポーツ」ではさらに前述したCDCが働き、サスペンションの減衰力が高くなり、ステアリングもクイックな特性になる。この変化は劇的で驚いた。オーバーにいうと別のクルマになったような感じでもある。ファミリーを乗せてコーナリングを楽しむ、というパパは少数党にしても、この運動性は痛快だ。

唯一注文をつけたいのが、オートマチックトランスミッション。4速ではこのクルマのポテンシャルを十分引き出せていない。縦方向に動かすシフトも時代遅れだ。本国のディーゼルターボ仕様には6速ATが用意されている。「日本向けはライバル車より価格を抑えたいから、4速でいい」としたら、それは大きな間違いではないか。(文:御田昌輝/Motor Magazine 2006年2月号より)



オペル・ザフィーラ2.2スポーツ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4465×1805×1660mm
●ホイールベース:2705mm
●車両重量:1600kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:2198cc
●最高出力:150ps/5600rpm
●最大トルク:215Nm/4000pm
●トランスミッション:4速AT
●駆動方式:FF
●車両価格:299万円

[ アルバム : オペル・ザフィーラ2.2スポーツ(2006年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編
知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編
AUTOCAR JAPAN
20代現役デザイナーが選んだ「アルフェッタGT1.8」は伊藤忠モノ! 4~5年探してやっとの思いで購入したアルファ ロメオとは
20代現役デザイナーが選んだ「アルフェッタGT1.8」は伊藤忠モノ! 4~5年探してやっとの思いで購入したアルファ ロメオとは
Auto Messe Web
ブガッティとベントレーの愛のない結婚? HEツーリッター・スポーツ(1) 100年前に5年保証!
ブガッティとベントレーの愛のない結婚? HEツーリッター・スポーツ(1) 100年前に5年保証!
AUTOCAR JAPAN
基本メンテナンスで100年間! HEツーリッター・スポーツ(2) 1924年を感じさせない製造品質
基本メンテナンスで100年間! HEツーリッター・スポーツ(2) 1924年を感じさせない製造品質
AUTOCAR JAPAN
美と走りの頂点へ! 一部改良で進化したレクサス「LC」がラグジュアリーの新たな幕を開ける
美と走りの頂点へ! 一部改良で進化したレクサス「LC」がラグジュアリーの新たな幕を開ける
VAGUE
ほぼ新車な「“クラシック”ディフェンダー」がスゴイ! V8搭載&超豪華内装化も可能!? TWISTED JAPANの「ハイパフォーマンスモデル」とは
ほぼ新車な「“クラシック”ディフェンダー」がスゴイ! V8搭載&超豪華内装化も可能!? TWISTED JAPANの「ハイパフォーマンスモデル」とは
くるまのニュース
冬のツーリングこそ楽しい! バイク界の“高級サルーン” 快適装備満載の人気「バガー」3選
冬のツーリングこそ楽しい! バイク界の“高級サルーン” 快適装備満載の人気「バガー」3選
VAGUE
名機・A型エンジン搭載の歴代『サニー』が集結…オールサニーズ・ミーティング
名機・A型エンジン搭載の歴代『サニー』が集結…オールサニーズ・ミーティング
レスポンス
2024年問題で高速の景色が変わった! トラックドライバーの労働時間を縛る愚策がもたらした結果
2024年問題で高速の景色が変わった! トラックドライバーの労働時間を縛る愚策がもたらした結果
WEB CARTOP
[15秒でニュース]ラムが初のBEVトラックの発売を延期…PHEVを優先展開
[15秒でニュース]ラムが初のBEVトラックの発売を延期…PHEVを優先展開
レスポンス
「ここ有料道路だったの!?」がやけに多い“千葉県”なぜ? 今やフツーに使ってる“実は神ルート”な道たち
「ここ有料道路だったの!?」がやけに多い“千葉県”なぜ? 今やフツーに使ってる“実は神ルート”な道たち
乗りものニュース
スバル「BRZ」の限定車「STIスポーツパープルエディション」実車初公開へ! 東京オートサロン2025では“さらなるサプライズ発表”も!?
スバル「BRZ」の限定車「STIスポーツパープルエディション」実車初公開へ! 東京オートサロン2025では“さらなるサプライズ発表”も!?
VAGUE
約213万円! 旧車デザインの「バモス“カスタム”」実車展示! 角目の“アメ車“顔が超カッコイイ「ホンダ製“軽バン”」登場
約213万円! 旧車デザインの「バモス“カスタム”」実車展示! 角目の“アメ車“顔が超カッコイイ「ホンダ製“軽バン”」登場
くるまのニュース
アプリリアよ、シーズン中の新旧バイク変更はもう勘弁な! フェルナンデス心の叫び
アプリリアよ、シーズン中の新旧バイク変更はもう勘弁な! フェルナンデス心の叫び
motorsport.com 日本版
[Pro Shop インストール・レビュー]トヨタ ハイエース(山野幸夫さん)by アークライド 後編
[Pro Shop インストール・レビュー]トヨタ ハイエース(山野幸夫さん)by アークライド 後編
レスポンス
4度のGT500王者はこれだけやってる! 長年の蜜月ミシュランが知るロニー・クインタレッリの超ストイックエピソード
4度のGT500王者はこれだけやってる! 長年の蜜月ミシュランが知るロニー・クインタレッリの超ストイックエピソード
motorsport.com 日本版
スズキ「ワゴンR“スマイル”」改良モデルが公開! 両側スライドドア&丸目ライトがイイ! 3年ぶり顔面刷新の「新モデル」何が変わったのか
スズキ「ワゴンR“スマイル”」改良モデルが公開! 両側スライドドア&丸目ライトがイイ! 3年ぶり顔面刷新の「新モデル」何が変わったのか
くるまのニュース
周冠宇、F1復帰を諦めず「中国GPの開催契約が延長されたのは素晴らしい。シート獲得のモチベーションになった」
周冠宇、F1復帰を諦めず「中国GPの開催契約が延長されたのは素晴らしい。シート獲得のモチベーションになった」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

4件
  • トラヴィックは試乗したらとても印象がよかったが、トラブルの多さを耳にして買うのをやめました。
  • オペル・ザフィーラと言えば、エンブレム違いだけの同型・上位モデル「スバル・トラヴィック」より高い値付けで欧州ブランド「ボッタくり」をあからさまに示してしまったことと、超低品質・低信頼性で呆れられてしまったことによりオペル・ブランドの日本撤退を決定づけてしまった商品だというのが、歴史的な意味・事実。

    それを、「ヒットの法則」「質実剛健、元気いっぱい、惜しまれながら姿を消した」って、いったいどこまでフェイク・ニュースな外車忖度記事なんだよ!!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

269.0334.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

40.040.0万円

中古車を検索
ザフィーラの車買取相場を調べる

オペル ザフィーラの中古車

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

269.0334.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

40.040.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村