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新型を発表したのに「現行N-BOX」がバカ売れ! 8月の販売台数が驚異的だった

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新型を発表したのに「現行N-BOX」がバカ売れ! 8月の販売台数が驚異的だった

 この記事をまとめると

■2023年8月単月でもっとも売れた新車はホンダN-BOXだった

モデル末期でも2023年上半期ナンバー1はホンダN-BOX! 驚異の売れ行きも「これでいいのかホンダ」感が拭えないワケ

■厳しい生産環境だったモデルの新規受注再開でトヨタがトップ7を独占することになった

■9月に無理してどこまで生産台数を増やせるかが新車販売台数統計にも大きく影響しそうだ

 モデル末期の現行N-BOXを狙った駆け込み受注で販売台数激増

 2023年8月単月締めでの、登録車(自販連/日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)それぞれの車名(通称名)別販売ランキングが発表された。

 2023年8月単月締めでもっとも売れた新車はホンダN-BOXとなった。8月に入ってすぐに次期ホンダN-BOXが公開され、8月から予約受け付けがはじまった。しかし、軽自動車は日常生活の移動の“足”という存在なので、値引きも期待できるモデル末期は、製造品質も最高の状態となっているので、あえてこの時期に現行車を購入する人も多いのである(メーカーも現行車販売促進のために次期型を早見せしているものと考える)。

 次期N-BOXがオールBEV(バッテリー電気自動車)になるとか、ボクシースタイルから丸みを強調したエクステリアになるわけでもないので、なおさら現行型はいまが“買い”ともいえるのである。そのような状況を販売台数が物語っているといってもいいだろう。

 トヨタ・カローラが6、7、8月と登録車のみの販売ランキングで2位となっている。8月でも約1万台売っているのはたいしたものといえるだろう。この時期、発売以来多くの時期で新規受注停止となっているカローラクロスの新規受注が一時的に再開されていた。納期遅延が続くなか、厳格な生産体制で完成車生産を続けているなかで、カローラ・クロスは近々モデル改良を控えているのだが、現行型の生産余力があることがわかり、一時的に新規受注が再開されたとのことである。

 また、カローラスポーツは早めに新規受注停止となっていたのだが、セダンとツーリングも2024年春ともいわれているモデル改良を控えて間もなく新規受注停止となるとの情報もあり、その直前ということで積極的に生産してきたことで、登録車で2位をキープしたのかもしれない。なお、8月単月での登録車のみのランキングでは1位から7位までをトヨタ車が独占している。

 ハリアーやRAV4など生産環境の厳しかったモデルも、本稿執筆時点では新規受注を再開し、納期も短めとなっている。全般的に生産力が増強されたことで、トヨタがトップ7を独占することになったのかもしれない。

 ただ、トヨタの販売現場で頭を悩ませるのが、ダイハツの認証不正問題。このスキャンダルのおかげで、売れ筋のライズのeスマート仕様車は新規受注停止どころか、生産再開未定のなか生産も停まっている。

「『納期も短めなので…』ということでご注文をいただいているお客さまもいらっしゃいます。数カ月先に下取り予定車の車検期限満了が近づいているお客さまもいますが、某大手買い取り&中古車販売店のスキャンダルもあり、動きがとれないで困っております」とは現場のセールススタッフ。

 9月はN-BOXとフリードの“末期モデルコンビ”が大暴れしそうな予感

 シエンタはHEV(ハイブリッド車)がギリギリで納車が越年してしまう程度なのに対し、ガソリン車は2024年春以降納車予定となっている。これは、ライバルのフリードをラインアップするホンダがさまざまなモデルでHEVの生産を優先させるような動きを見せていることも影響しているようである。

 軽自動車は、次期型デビューが一連の不祥事もあって延期となっているムーヴが意外に健闘しているように見えるが、この多くはムーヴ・キャンバスとなっているといえよう。キャンバスは届け出済み未使用軽中古車の在庫も豊富となっている。届け出済み未使用軽中古車の“素”ともいえる、自社届け出(ディーラー名義などでナンバープレートを手配する)が盛んに行われていることが効いているようである。

 6月末に新型がデビューしたアルファード&ヴェルファイアは、アルファードが4865台なのに対し、ヴェルファイアは1829台となっている。リリースでは、ヴェルファイアの生産比率は全体の3割とされているが、8月の台数で計算してみると、約27%となっているので、計画どおり生産が進んでいるともいえることになる。

 2023年9月は2023事業年度(2023年4月から2024年3月)での上期(2023年4月から9月)末となり、半期決算セールが展開されるのだが、思い切りアピールしているのはホンダぐらいとなる。ホンダはN-BOXとフリードの“末期モデルコンビ”がかなり暴れるきざしを見せている。

 日産は9月中に届け出や登録が間に合い、上期末決算セールのカウントに間に合うというそこまで短納期車両は少ないのが現状だが、2023暦年内(2023年12月内)に納車可能なモデルはノートなど売れ筋でも期待できる。もともと半期決算セールにも熱心だったのでねらい目ともいえる。

 スズキもキャンペーンを展開しており積極姿勢を見せている。ただ、2023年8月のランキングを見てもわかるとおり、「納車まで待たないから」といった理由で、トヨタから流れてくるという図式はなかなか期待できないように見える。

 また、同クラスのトヨタ車が納期遅延で悩んでいるのに、自車もそれほど大きく納期が短いわけでもなく、「それならトヨタ車で待ってもいいか」とお客を逃がしてしまっているようなパターンも見受けられる。

 例年とは異なり、引き続き9月に無理してどこまで生産台数を増やせるかが、新車販売台数統計にも少なからず影響しているので、販売ランキングで上位を独占するぐらい販売しているのに、新規受注停止車両も目立つというのは少々違和感を覚えるところだが、そのような車種が販売ランキング上位に見られるのは、トヨタが日本国内において販売している新車台数が飛びぬけて多いということも表しているように見える。

 2023年8月新車販売ランキング

 ホンダN-BOX 1万6812台 トヨタ・ヤリス 1万4232台 ダイハツ・タント 1万950台 トヨタ・カローラ 1万201台 トヨタ・シエンタ 9636台 スズキ・スペーシア 8768台 トヨタ・ルーミー 8704台 スズキ・ハスラー 7268台 トヨタ・プリウス 7252台 トヨタ・ノア 7139台 ダイハツ・ムーヴ 7092台 トヨタ・ヴォクシー 6542台 日産ノート 6192台 日産セレナ 5790台 スズキ・ワゴンR 5590台 トヨタ・ライズ 5071台 トヨタ・アルファード 4865台 スズキ・アルト 4816台 日産ルークス 4610台 ダイハツ・タフト 4603台 ホンダ・フリード 4590台 トヨタ・アクア 4567台 ダイハツ・ミラ 4273台 トヨタ・ランドクルーザー 4111台 トヨタ・ハリアー 4062台 ホンダ・フィット 3751台 ホンダ・ステップワゴン 3700台 三菱デリカミニ/eKシリーズ 3593台 日産デイズ 3504台 ホンダ・ヴェゼル 3387台

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