いくつかのアルファベットと数字で、車種名や年式などが特定できるので、クルマ好きの会話でちょいちょい登場する車両型式。最近新型の話題で盛り上がっているスープラは「A90」という型式ですが、歴代をさかのぼると、ルーツがセリカXXにあるのも有名な話。そんな背景もあり、スープラとセリカの車両型式が少々入り組んでいます。今回はそのセリカ&スープラの型式の変遷をさかのぼってみましょう。
だんだら模様のカモフラージュも取れ、その姿形やスペックが公開された新型スープラ。プロトタイプのスペックや試乗インプレッションが記事が雑誌やネットで掲載され、新型を表す「A90」を目にする機会も多くなってきました。
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ですが、このスープラのことを表す「A」という記号、元々セリカのものだったんですよね。
ご存知方も多いでしょうが、スープラは輸出仕様に付けられていた名前で、元々国内ではセリカXX(ダブルエックス)と名付けられたセリカの兄弟車でしから、セリカと同じ「A」でも違和感はないんですが、当のセリカ、今は生産されていませんがいつの間にやら型式が「T」に改名されました。(細かくいうとAの前にエンジン型式のアルファベットが付きますが、話がくどくなるので今回は触れません)
初代セリカは「A20/30系」
で、本家セリカの型式をたどってみると、「ダルマ」と呼ばれた流麗なクーペボディの初代の型式が「A20」、その後追加された、今でいうところのハッチバックゲートを備えた「LB(エルビー)」なんて呼ばれかたもする「リフトバック」が「A30」です。
ちなみに同時期に登場している“足のいい奴”「カリーナ」も同じ型式「A」ですから兄弟車だということがわかります。
二代目セリカの兄弟車として”初代スープラ”登場
そして、1977年登場の二代目セリカ「A40/50系」の派生のスペシャルティモデルとして、翌78年に、直6エンジン(2000cc/2600cc/2800cc)を搭載した初代スープラである「セリカXX(ダブルエックス)」誕生となります。
三代目セリカ&二代目スープラ
A60系セリカのエンジンは1600ccの2T-Gや1800ccの18Rなど4気筒。かたやセリカXXは引き続き6気筒(2000cc/2800cc)を搭載。
そしてセリカとの兄弟関係はここまで。次のモデルチェンジでセリカとスープラは別の道を歩みます。
セリカのFF化に伴い型式が変わる
1985年、国産車に訪れたFF化の波に飲み込まれ、この代でセリカはコロナやカリーナとともにFFへと姿を変えたものの、スープラはそのままFRを踏襲して1986年に登場。ここで誕生以来兄弟であったセリカXX(=スープラ)がセリカと決別します。
この時にスープラの型式はそのまま「A」を引き継ぎ「A70」、FFセリカはシャシーを共用する新たな兄弟「コロナ」や「カリーナ」とともに「T」を拝命し「T160系」と名乗るようになりました。
ちなみに、この「T」は元々コロナに付けられていた型式です。
ペットネームを変えながらも車両型式を引き継いだスープラと、名前はそのままに型式が変わったセリカというねじれ現象はここで発生したんですね。
まあ、機械的な工業製品の類別につけられる車両型式ですから、機械的な継承をするスープラに型式が引き継がれるのは合理的でわかりやすいですが。
セリカはWRCで隆盛を誇った後に七代目でその歴史を中断
その後セリカは「GT-FOUR」のWRCでの活躍が、記憶に残る四代目「T160系」、五代目「T180系」、六代目「T200系」と歴史を刻み、七代目となる「T230系」は1999年にデビューし、2006年の販売終了をもってお休み中。
いつかスープラのように復活するのを期待したいですね。
その際の型式は「T300系」でしょうか?
四代目の販売終了で途絶えたスープラの歴史が、再び始まる
晴れて日本でも「スープラ」として登場した三代目スープラが「A70」、その後1993年に登場した四代目であり“先代”が「A80」。
その「A80」の2001年の販売終了のから17年ぶりに新型が発表され、復活を果たしたのが新型の「A90」ということになるんですね。
クルマ好きの読者には釈迦に説法だったかもしれませんが、車両型式って、家系図みたいで面白いですね。ご自身の愛車の型式を確認して、そのルーツを調べてみると意外な発見があるかもしれません。
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