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【試乗】日産エクストレイル×e-4ORCEで実感した国産SUVの新次元。「このハンドリングは、新たな境地を切り開く」

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【試乗】日産エクストレイル×e-4ORCEで実感した国産SUVの新次元。「このハンドリングは、新たな境地を切り開く」

新型日産エクストレイルを、公道で初テストドライブ。画期的なパワートレーンと革新的な4WDシステムが生み出す優れたドライバビリティに、SUVの世界観を一変させてしまうかもしれない「可能性の一片」を感じることができた。

ただタフなだけでは勝ち残れない?時代に合わせた新コンセプト
日産エクストレイルといえば、2000年にデビューした初代モデルの“タフギア””ノーリミット”の印象がいまも強く残っている。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

SUVを遊びの道具としてガンガン使い倒して楽しもうよ、といったアクティブイメージを積極的に打ち出して、当時の若者ユーザーを中心に大成功したモデルだ。そのデビューから22年、4代目エクストレイルが22年7月に登場した。

エクストレイルは、07年登場の2代目モデルは初代路線を踏襲、13年デビューの3代目はプロパイロット採用などで“最先端を相棒に。”をキャッチフレーズに方向性を変更。今回の4代目は”こだわりのアウトド体験に余裕を”というフレーズとともに、“リファインド=上質“という新たな価値もプラスされてのデビューとなった。

このセグメントのSUVを購入するユーザーの年齢層は、調査によるとここ10年で40代以上の比率が75%となっているとのこと。そして購入価格帯も、350~499万円のゾーンが56%というのだ。つまり、モデルが上級ゾーンに移行することには問題がなく、むしろそうした取り組みを行い、特徴を持たせることで、新型エクストレイルは市場のニーズに応えられると判断されたのだ。

タフギア×上質、これがニューエクストレイルのアイデンティティである。

エンジンは発電に専念。モーターならではの滑らかさと力強さ
試乗したのは、装備が充実した上級グレード“G”のe-4ORCE(以下、eフォース)。eフォースは4輪への駆動力配分を、前後モーターとブレーキの統合制御により緻密に制御する機構である。

エンジンは、いよいよ日本市場にも投入された、世界初の量産型可変圧縮比機構を備えたVCターボ採用のKR15DDT型1.5L直3ユニットを搭載。運転条件に応じて圧縮比を8.0~14.0まで連続的に可変させることで、低燃費・高出力・静粛性を実現している。

ただし、パワートレーンは日産お得意の“eパワー”なので、エンジンは駆動用モーターへ供給する電力を生み出す発電機を回転させるためにのみ使用される。それも、基本的には1600rpmと2000rpmの2パターンで定常運転される使われ方が想定されており、これは走行時の静粛性にも寄与している。

走り出すと、そこはeパワーモデルらしく、電気モーターで走る力強さに満ちていた。何より最高出力が前150kW、後100kW、同じく最大トルクが前330Nm、後195Nmというハイパワーモーターを搭載しているので、そこらのSUVとはわけが違う力強さを見せてくれる。とにかく、滑らかで力感に満ちている。

緻密なトラクション制御で、ハイレベルな挙動を実現
そして、乗り心地がまたいい。

試乗コースは埼玉県の山岳地帯に近い景勝地周辺で、時間の都合で一般道とちょっとしたワインディングロードでハンドルを握った。だから道路状況もとくに良好というほどでもなく、適度に荒れた路面を含んだルートだったが、山頂のキャンプ場へと向かうワインディングロードでは目の覚めるような身のこなしを見せてくれた。

電気モーター駆動なので、右足を踏み込めば瞬時にトルクが生み出されてくる。その力強さをまったく無駄にすることがないような感じのスムーズなボディの動きとともに、クルマはハンドルを回す方向へ、右へ左へと正確に素早く向きを変えて行く。この挙動レベルの高さには心底、驚かされた。

このクルマの動き方のフィーリングは、まるでアクティブサスペンションが装着されているかのように思えるもの。各輪のトラクションを緻密に制御することができると、アクティブではない従来型サスペンションでもここまでダイナミクスが変わるのかと正直、びっくりさせられた。

ただし、クルマ側のパフォーマンスが高いからといって調子に乗ってはいけない。前席に座るドライバーや助手席の乗員はまだ良いとしても、後席に人を乗せていたりするような場合は、相当に丁寧なドライビング操作を行うことが必要だとも思った。

ボディがあまりロールしないのに左右への横Gが強くかかってしまうような走り方をしてしまうと、同乗者の乗り物酔いを誘発する可能性が高いからだ。

GT-Rのトラクション効率を超えた「eフォース」のダイナミズム
試乗後、開発エンジニアに聞くと「エクストレイルの前には、GT-Rの駆動系を手掛けていました」という。そして、エンジンによる4WDのトラクション効率を徹底的に追求したその経験を持ってして「eフォースによるトラクション効率のほうがはるかに高いです」と教えてくれた。

「電気モーターは、今どれだけの出力を発生しているのかがほぼ正確に推定できます。エンジンでは気温や湿度、高度などの条件に応じて出力が変わるので、推定値にある程度の幅があります。正確な出力が推定できれば、その時点での各タイヤの理想的なトラクション量と実際の値との差がすぐに出ます。そして瞬時に修正できます。この作業を緻密に繰り返すことで、走行時の理想的な4WD駆動効率の実現を目指しています」

なるほどである。実際、テストコースのワインディングロードにおける走行テストでは、GT-Rに肉薄するような性能を見せてくれたという。当然、ダートや氷雪路といった悪条件下での走行性能の高さも推して知るべしである。

ボディやサスペンション取り付け部もよりしっかりとしたものになっており、タイヤもeフォースがパフォーマンスを発揮できるような仕様とされる。まるでミズスマシのように、ボディの状態を一定に保ったままで次々と現れるコーナーを静かに走り抜けていく新型エクストレイル。eパワーの、新たなる境地が出現したことを実感できた。(写真:永元秀和)

■日産 エクストレイル G e-4ORCE(2列) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4660×1840×1720mm
●ホイールベース:2705mm
●車両重量:1880kg
●パワートレーン:直3 DOHCターボ+モーター×2
●総排気量:1497cc
●エンジン最高出力:106kW(144ps)/4400-5000rpm
●エンジン最大トルク:250Nm(25.5kgm)/2400−4000rpm
●モーター(前)最高出力:150kW/4501-7422rpm
●モーター(前)最大トルク:330Nm/0−3505rpm
●モーター(後)最高出力:100kW/4897-9504rpm
●モーター(後)最大トルク:195Nm/0−4897rpm
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・55L
●WLTCモード燃費:18.4km/L
●タイヤサイズ:255/55R19
●車両価格(税込):449万9000円

[ アルバム : 日産エクストレイル テストドライブ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

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  • 絶賛してるけど、海外だと、eパワーじゃなくてエンジン積んでるでしょ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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