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日産「e-POWER」の拡大とトヨタ「新世代CVT」の発表でラバーバンドフィールは死語になる

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日産「e-POWER」の拡大とトヨタ「新世代CVT」の発表でラバーバンドフィールは死語になる

2018年2月26日、トヨタが発進用ギアを用いた新世代CVTを発表した。そして、2月28日には日産が人気ミニバンモデルであるセレナに電動駆動系(シリーズハイブリッド)の一種である「e-POWER」を新搭載したグレードの発売を発表した。トヨタの新世代CVTの搭載自体は公表されていないので市販モデルとしてはタイムラグのある話だが、この2つのパワートレインについて同時期にニュースになったというのは偶然としても気になる。というのも、いずれもエンジンを効率良く使うテクノロジーであるからだ。

もともと、アクセル操作に応じてエンジン回転が上昇、そしてスピードが上がっていくという流れは変速比が固定されている状態における“自然な振る舞い”であって、エンジンで発電して電気モーターで駆動する「e-POWER」をはじめとしたシリーズハイブリッドにおいてはエンジン回転数と速度がリンクしている必要はない。むしろバッテリーをバッファとして利用することで効率の良い領域で発電しつづけられることがメリットだ。つまり「e-POWER」というのはエンジン回転と速度がリンクしている必要がない駆動系として、ひとつの理想形を示すように思える。もちろん、エンジン由来のノイズやヴァイブレーション対策として低速域や停止状態ではエンジン回転を上げないようにするという工夫はあるが、それは快適性を求めるための制御であって、効率面を優先した判断ではないといえる。同じことはCVTの制御にもいえる。固定ギア(ステップギア)に慣れ親しんだドライバーにとって自然な感覚を求めて変速感を演出することもあるが、本質的に効率を求めるのであればエンジン回転数と速度のリンクを考慮する必要はない。

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ところで、固定ギアのエンジン車における自然な振る舞いとの乖離した、速度とエンジン回転数の上昇がリンクしない状態を「ラバーバンドフィール」と否定的に呼ぶことがある。前述したCVTのステップギア的な制御というのはラバーバンドフィールと呼ばれることを嫌ったものだろうが、効率でいえばナンセンスな行為ともいえる。日産e-POWERのようなシリーズハイブリッドが拡大していくことで、エンジン回転数と速度がリンクしていないことがデフォルトだと市場が認識するようになると、CVT本来のメリットを活かしたエンジン回転数の変動が少ない制御が許容されるだろう。一方で、シリーズハイブリッドのような、割合に硬質なフィールの発進性も求められるかもしれない。そのときに、トヨタが発表した発進時にはギアを用いるというハイブリッド型CVTの良さが評価される…。2つのニュースから、そんな未来を想像してしまう。

(文:山本晋也)

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