クルマを買ってみて、走りは楽しいし、装備が充実していて「本当に買ってよかったなあ」、「予想外に大満足した」ことってありませんか?
では、そのクルマにつけられた値段は、”お値段”以上だったのでしょうか?
これが世界最高峰スポーツセダン BMW新型3シリーズ登場と歴代日本の好敵手たち
例えば新車価格が200万円だとします。実際に乗ってみて、ちょっと不満だから180万円、充分満足したので200万円、最高によかったので220万円くらい……というふうに、新車価格に対して、そのクルマの魅力がその新車価格以上=お値段以上なのか、それとも価格相応だったのか、価格が高いのかを検証してみようというのが、今回の企画の主旨です。
評価項目は、価格対エンジンフィール、価格対動力性能、価格対ハンドリング、価格対ファントゥドライブ度、価格対乗り心地と5項目にわたって10点満点で採点。結果、そのクルマの価格が、お値段以上だったのか? を検証。その価格は妥当なのか、適正価格はいくらなのかも答えてもらった。
今回リストアップしたのは比較的価格が安めのコンパクトスポーツやホットハッチ。それに加えて、輸入車のホットハッチからも選んでもらいました。
モータージャーナリストの岡本幸一郎氏が、ズバリ判定します!
文/岡本幸一郎
写真/ベストカー編集部
■そのクルマの価格は妥当なのか?
●ノミネート車種
ロードスター/ロードスターRF
シビックハッチバック
シビックタイプR(価格は高いが日本を代表するFFスペシャルティなので)
ヴィッツGRスポーツGR
ノートNISMO S
カローラスポーツiMT
ホンダS660
ジュークNISMO
スイフトスポーツ
VWポロGTI
プジョー208GTi
ベストカーWebから、またしても非常に難しいお題が与えられた。キーワードは「お値段以上」。今回も大いに悩みつつ、10点満点で5点を「価格に対して妥当」というつもりで採点した。
すると、たとえばシビックタイプRのエンジンは本当に絶品で、もし「価格対…」ではなく単純に採点するなら迷わず10点なのだが、「価格対……」となると高いクルマだから当然という見方もできるので、そこまで高得点にするわけにはいかない。
後ほど紹介するスイフトスポーツのエンジンフィールが、シビックタイプRよりも点数が高いのかと思う人もいることだろうが、それは絶対的な評価ではない点をご承知おきいただきたい。あくまで「価格対……」の評価なので、どうしても点数が低めor高めに見える部分は生じてしまう。
■お値段以上と聞いてピンと来たのはスイフトスポーツ!
ざっとノミネート車を見て、お値段以上というキーワードで真っ先にピンときたのはスイフトスポーツだ。そして採点でもアタマひとつ抜けて最上位になった。
エンジンは下からビンビンきて、とてもパワフル。それをサイズもパワーも手ごろだからこそ、MTを駆使して手の内で意のままに操れる感覚もある。
それでいてもっと上のクラスのクルマのような操縦安定性も身に着けていて、ドライブしていて本当に楽しい。この価格でこの走りが手に入るなんて願ってもないこと。
この価格のクルマとしては間違いなく世界でイチバン楽しいクルマ。文句なく価格以上の価値があると思う。こんなに安く売られていること自体が驚きだ。
■スイフトスポーツの判定/お値段以上
■スイフトスポーツ(6MT)
価格183万6000円→適正価格は200万円超でもおかしくない
■価格対エンジンフィール 8点
■価格対動力性能 7点
■価格対ハンドリング 7点
■価格対ファントゥドライブ度 9点
■価格対乗り心地 5点
合計36点
★判定/お値段以上
■価格は高いが中身超弩級のシビックタイプR
逆に、価格が高くても価値も高いのがシビックタイプRだ。このクルマは市販車のFF世界最速を目指したという崇高なクルマ。ド派手な外観も、ひとつひとつに意味があるし、赤のアクセントが目を引くインテリアも特別感に満ちている。
このクルマの真骨頂である2LのVTECターボは、驚くほどアクセルワークにダイレクトに応答し、トップエンドまでその勢いを衰えさせることなく力強く加速しつづけるエンジンは本当にインパクト満点だ。
ハンドリングもたいしたもの。フロントのグリップ感が極めて高くて、意のままに行きたいところに行ける感じ。そしてリアがピタリとついてきて、安定している。このあたり空力がかなり効いているらしく、車速を増すほどにタイヤが路面に押し付けられていく感覚がある。それらすべて派手なエアロのおかげだ。
しかもこのクルマ、こうした類いのクルマとしては望外に乗り心地がよい。よく動いて路面からの入力を吸収しつつ、引き締まっていてフラット感もある。ニュルブルクリンクサーキットを速く走るための足まわりは、快適性も高いというわけだ。
むろんそのぶん価格も立派。まあ、これだけ出せば、世界最速のFF車が買えると思えば安いものという見方もできるかなと。450万360円という価格は高いが、中身はそれ以上ということで。
■シビックタイプRの判定/お値段以上
■シビックタイプR
価格450万360円→適正価格は480万円程度
■価格対エンジンフィール 7点
■価格対動力性能 7点
■価格対ハンドリング 7点
■価格対ファントゥドライブ度 7点
■価格対乗り心地 5点
合計33点
★判定/お値段以上
■S660はミドシップという希少性でお値段以上
お値段以上かどうかという切り口では、こちらもけっして安いわけではないのだが、オープンカーの2台が今回の採点項目では比較的点数が高く、くしくも偶然(本当に偶然!)に同点で並んだ。
より万人向けなのはロードスターだが、逆に世界最小のミドシップオープンスポーツであるS660のほうが、ミドシップという希少性ゆえ、お値段以上というお題には合っている気がするので、S660より上としたい。
S660は、よくぞこうして世に出てきたものだとつくづく思う。存在そのものに、大きな価値がある。しかも走りは手の内で操れる感覚と、小さなスーパーカーと呼ぶべき本格的なミドシップスポーツの味わいを兼ね備えている。むろん趣味性は相当に高いが、それだけ価値ある1台といえる。
■S660の判定/お値段以上
■ホンダS660
価格198万0720~218万5920円→適正価格はプラス10万円程度
■価格対エンジンフィール 5点
■価格対動力性能 5点
■価格対ハンドリング 7点
■価格対ファントゥドライブ度 9点
■価格対乗り心地 4点
合計30点
★判定/お値段以上
■大馬力ではないが、とにかく乗っていて楽しいロードスター
逆にロードスターは、けっして速くはないし、限界性能が高いわけでもないが、とにかく乗っていて楽しい。1.5Lエンジンは非力だが7500rpmまでスムーズによく回る。昔のロードスターは、上まで回すと苦しそうな感じになったのとは大違い。2Lは夏前の改良で従来よりも動力性能が大幅に向上したのは明らかだ。
ソフトトップも片手で簡単に開閉できるくらい軽いし、ルーフを開けてより絵になると思うが、耐候性が気になる人や、こちらのスタイルを好む人にはRFもあるし、より走りを求める人に向けたRSグレードなど、幅広く用意されている点もポイント高い。
■マツダロードスターの判定/お値段以上
■ロードスター/ロードスターRF
価格:255万4200円~381万2400円→適正価格はプラス10万円程度
■価格対エンジンフィール 5点
■価格対動力性能 4点(1.5L、2Lは5点)
■価格対ハンドリング 7点
■価格対ファントゥドライブ度 9点
■価格対乗り心地 5点
合計30点
★判定/お値段以上
■カローラスポーツiMTのフットワークは欧州勢に負けていない
価格が安くて内容も充実しているという点では、カローラスポーツiMTがなかなかのものだ。
存在感のある内外装デザインは見てのとおり。走りについてもTNGAにより劇的な進化をはたして、大きく洗練されたフットワークは欧州勢に負けていない。
いたって乗りやすく、操縦安定性も高い。乗り心地も欧州勢を上回るほど快適で上質になった点も評価できる。
そんなカローラスポーツにはMTが用意されたのも特徴だ。ただし、走りに特化したMTではなく、誰でも気軽にMTを楽しめるようにと運転しやすい味付けとされている。エンジンももう少しレスポンスがよくてパワー感があるとより楽しめる。そのあたりは今後に期待したい。
■カローラスポーツiMTの判定/お値段以上
■カローラスポーツiMT
価格210万6000~238万6800円→適正価格はプラス10万円程度
■価格対エンジンフィール 5点
■価格対動力性能 5点
■価格対ハンドリング 7点
■価格対ファントゥドライブ度 6点
■価格対乗り心地 7点
合計30点
★判定/お値段以上
■お値段以上はここまで。これ以降はお値段相応か、高い……
そのほか、残りの日本車勢は、コンプリートモデルも個人的に好みだし、入れるべきかと思ったのだが、お値段以上というよりも、いろいろ付いているので価格は高くなるが、そのぶん価値も高い、というニュアンスとなる。
■シビックハッチバックの判定/お値段相応か、やや高め
タイプRだけでなく、実はシビックハッチバックもなかなかのもの。世界中の多くの自動車メーカーが欧州Cセグメントのハッチバック車をラインアップに持っているが、そのなかでもシビックは持って生まれたもの自体がかなりスポーティで、このクラスでスポーティなテイストを味わいたいのであれば、シビックハッチバックがイチオシだ。
ただし、このクラスでは価格は高めなほうで、おねだん以上かどうかという今回のお題に対しては微妙な気もするので、忖度なしでおねだん以上ではないと判定した。
■シビックハッチバック
価格280万0440円→価格相応か、やや高め
■価格対エンジンフィール 5点
■価格対動力性能 6点
■価格対ハンドリング 7点
■価格対ファントゥドライブ度 7点
■価格対乗り心地 5点
合計30点
★判定/お値段相応か、やや高め
■ノートNISMO Sの判定/お値段相応か、やや高め
e-POWERが大ヒット中のノートには、NISMO系のコンプリートモデルもラインアップされていて、実に約1割の販売比率を占めるとか。実用的なコンパクトカーであるノートで、走りを求める人も少なくなく、いかにその期待に応えているかがうかがえる。
走り味はいたって骨太で、引き締まった足まわりもいかにもNISMOな感じがする。見た目も、NISMOモデルならではの、小さくても存在感のあるいでたち。e-POWERでもNISMOが選べるのもポイントだ。
■ノート NISMO S
価格232万8480円→価格相応か、やや高め
■価格対エンジンフィール 6点
■価格対動力性能 5点
■価格対ハンドリング 6点
■価格対ファントゥドライブ度 7点
■価格対乗り心地 4点
合計28点
★判定/お値段相応か、やや高め
■ヴィッツGRスポーツGRの判定/やや高い
ヴィッツGRスポーツGRも、価格はそれほど高くないが、ノーマルのヴィッツとは別物。
いかにもコンプリートモデルっぽい引き締まった足まわりには、アクセルワークで曲がり具合を積極的にコントロールできる味付けで、ドライブしていてとても楽しい。
CVTは美味しい回転域を維持して走る独自の制御が入っていて、これがラリーのような走り方で効いている。CVTでこんな仕様のクルマは他にない点でも価値は高い。
惜しむらくはエンジンがノーマルなので、MTもCVTも非力であること。そして価格があがったぶん、相対的に、エンジンの印象が下がるので採点もこうなった。
トヨタのなかでのGRのレギュレーションに則ってのものなので仕方がないが、ほかの部分がよくできているだけに、なおのこと、そこが残念ではある。
お値段以上かどうかは、受け取る側がこの味を好むかどうかにかかってくるが、とにかくノーマルのヴィッツにはない、ツウ好みのクルマであることには違いない。
■ヴィッツGRスポーツGR
価格229万2840円→価格はやや高い
■価格対エンジンフィール 5点
■価格対動力性能 4点
■価格対ハンドリング 6点
■価格対ファントゥドライブ度 7点
■価格対乗り心地 4点
合計26点
★判定/やや高い
■ジュークNISMOの判定/やや高い
ジュークNISMOも、モデル末期ながら、NISMOモデルとしての作り込みはさすがと思わせる。しかし、このクラスで300万円に達しようかという価格はやや高く感じる。
さらに、このクラスとしては貴重なNISMO RSのようなモデルまでラインアップされていることも注目に値する。ジュークNISMOの190ps/24.5kgmに対し、ジュークNISMO RSは214ps/25.5kgmを発生する専用チューンの1.6L、直4ターボは凄い。しかし、346万8960円は高い。過激なクルマを出してくれたのは誉めたいのだが……。
■ジュークNISMO
価格297万1080円→価格はやや高い
■価格対エンジンフィール 6点
■価格対動力性能 5点
■価格対ハンドリング 6点
■価格対ファントゥドライブ度 6点
■価格対乗り心地 4点
合計27点
★判定/やや高い
■欧州ホットハッチの2台は?
■VWポロGTIの判定/やや高い気もするが価格相応
輸入車については、VWポロGTIとプジョー208GTiという欧州ホットハッチを代表する「GTI(GTi)」を冠した2台を挙げておこう。
ポロGTIは、かつてに比べると価格がだいぶ高くなったのは事実とはいえ、中身はそれ以上に引き上げられていて、乗ると感心せずにいられない。
見た目は従来型のイメージを色濃く踏襲するも、中身は別物。MQBプラットフォームを得た新型は走りの質が大幅に向上して、兄貴分のゴルフGTIにすら迫るほど。
クラス最大の2Lの排気量を持つパワフルな直噴ターボエンジンと、ステアリングを操作したまさしくそのとおりに応答する一体感のあるハンドリングはクラス随一。
電子制御ダンパーを備えた足まわりは乗り心地が素晴らしく、フラット感も高い。むしろ、この価格帯でこれほどの走りを実現したのは偉い。
ゴルフGTIと遜色ないバリューが51万1000円安く手に入ることを考えれば俄然リーズナブルに思えてくる。むしろサイズ的にはゴルフGTIよりもコンパクトで、こちらのほうがホットハッチという言葉がピッタリはまるのではないだろうか。
■VWポロGTI
価格344万8000円→やや高い気もするが価格相応
■価格対エンジンフィール 6点
■価格対動力性能 7点
■価格対ハンドリング 8点
■価格対ファントゥドライブ度 7点
■価格対乗り心地 6点
合計34点
★判定/やや高い気もするが価格相応
■プジョー208GTiの判定/やや高い気もするが価格相応
一方のプジョー208GTiも、ほかの208に比べるとだいぶ高価ながら付加価値も高い。こちらは3ペダルの6速MTのみの設定で、いまや希少な3ドアである点も特筆できる。
もともとはBMWとの共同開発により生まれた1.6Lエンジンの最高出力は200psまで高められていて、そのパンチの効いた加速と専用エキゾーストシステムによるホットなサウンドによる情熱的なドライブフィールを味わうことができる。
しなやかななかにもダンピングを効かせたスポーツサスペンションも「猫足」の進化形を感じさせる独特の味わい。ドイツ勢をはじめとするほかのホットハッチとはひとあじ違う、このクルマならではの妙味がある。
■プジョー208GTi
価格322万円→やや高い気もするが価格相応
■価格対エンジンフィール 8点
■価格対動力性能 6点
■価格対ハンドリング 7点
■価格対ファントゥドライブ度 8点
■価格対乗り心地 5点
合計34点
★判定/やや高い気もするが価格相応
いずれの2台は数々の専用アイテムが与えられていて、見た目にも特別感があるのはいうまでもない。価格はそれぞれのエントリーモデルの1.5倍近くにもなり、日本のホットハッチに比べてもだいぶ割高な感はあるが、得られる満足感もずっと高い。
価格が高めなので「価格対…」での評価はそれほど高くないが、相対的な実力はそれなりに高く、それだけ価値も高いと思ってもらってよいだろう。
ご参考までに、ちょっとマニアックかもしれませんが、お値段以上の輸入車というと実はアメ車に要注目だ。
特にジープの快適性が格段に向上し装備も充実した新型ラングラーや、一見フラッグシップのグラチェロに見えるほど上級イメージになったコンパスはかなりコスパ高し。
あるいはコルベットだって欧州製の高性能スポーツカーよりもかなり割安感がある。アメ車は全体的に中身が濃いわりに価格が安いという事実もお伝えしておきたい。
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