この記事をまとめると
■ジャパンモビリティショー2023が開幕
【500ps超え】スーパーカー並のスペックを持つ超荒削りな中華SUVに乗った
■BYDブースではミニバン「DENZA D9」が展示されている
■「DENZA D9」の内外装について詳しく解説
アジアマーケットを知り尽くしたBYDならではの仕上がり
ジャパンモビリティショーで初お目見えとなったDENZA D9は、BYDが本国マーケットに満を持して投入したゴージャスなミニバン。中国で大人気のアルファードを追撃すべく開発されただけあって、ルックスやボディサイズにも一脈通じるものがある。とはいえ、その正体はいまをときめくBYDの最新モデルだけに手抜かりのない仕上がりであることは間違いない。
そもそもDENZAは、BYDがメルセデス・ベンツとの合弁会社でラグジュアリーモデル専業ブランドとしてスタートしている。もっとも、シャシーやEVコンポーネントを共同で開発しているとされるが、D9に投入された新たなシステムや贅を極めたインテリアなどは、中国市場、アジアマーケットを知り尽くしたBYDならではの個性が光る。たとえば、BEVとPHEVでそれぞれ専用のフロントグリルを用意するなど、顧客が喜ぶツボを押さえまくりなのだ。
DENZA D9は、全長5250mm×全幅1960mm×全高1920mmと堂々としたもの。現行型のアルファードに比べ全長+255mm(4955mm)、全幅+110mm(1850mm)となり、一方で全高は−15mm(1935mm)と、ローアンドワイドのフォルムでライバルに差をつけたのだろう。ホイールベースは3110mmとこれまたアルファードよりも110mm長く、2+2+3の7人乗りレイアウトには十分すぎるスペックといえよう。
ゴージャスな気分に浸れる室内空間
ミニバンのコンフォート性能を大きく左右するインテリアに目を移すと、10.25インチの大型液晶パネルをはじめ、センターには15.6インチのカラーディスプレイを設置した。エアコンやオーディオなどは、すべてタッチパネル機能がついたディスプレイで操作が可能となり、物理スイッチはほとんど省かれている。全席が独立したシートは、ダイヤモンドステッチによるキルティングが施され、座り心地はもちろん、ゴージャスな気分に浸れること請け合いだ。オーディオシステムも試聴こそ叶わなかったが、アメリカのダイナオーディオ製のハイエンドスピーカーをインテグレートしているので、エンタメ機能も万全といったところ。
また、BYDはシャシー、とりわけ足まわりの開発に余念がないことでも有名。D9に新規採用となった「DiSusインテリジェントボディコントロールシステム」は、乗り心地の良さ、究極のフラットライドを目指したもので、車高の高いミニバンでもフワフワしない走りを実現したとされる。なお、駆動方式はすべて4輪駆動が採用され、走行可能距離は満充電で800kmという優秀なデータを誇る。
すでに中国では10万台以上が売れているというD9だが、45万元(およそ920万円)というゴージャスなわりにリーズナブルな価格も奏功しているに違いない。現在、日本導入の予定はないとのことだが、モビリティショーの反響いかんでは「打倒アルファード」のかけ声とともに上陸してくる可能性も否めない。リッチなミニバンのマーケットはますます充実してきそうだ。
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