メルセデス・ベンツは1月3日、1,000km超の航続距離を誇るEVサルーンコンセプト「ビジョンEQXX」の実車を世界初公開した。
航続距離延長のためにメルセデスは車体の空気抵抗を徹底して低減。Cd値(空気抵抗係数)0.17という数値は史上最高。現状の市販車の中では最良の「EQS」を15%も下回る値で、アメフトのボールにも勝っているとのことだ。ちなみに、Cd値は0.01ポイントの改善で航続距離を約2.5%伸ばすことができるという。
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シルバーにペイントされたボディには、エアロダイナミクス改善のため様々な機構が取り入れられた。代表的なものはリアエンドのリトラクタブルディフューザーで、高速域でのみ展開される仕組みにより美しいデザインとドラッグの低減を両立。そのほか、「スマート」ブランドのモデルより小型化されたフロントフェイス、フロントより50mm狭く設計されたリアトレッド、さらには開閉式のエアダクトやカバー付きのマグネシウムホイールなども空力に配慮されている。
バッテリーについては、F1の技術を取り入れることでEQSと同等のエネルギーをコンパクトカーのサイズに収めることに成功。およそ100kWhの出力を維持しつつ、体積を50%、重量を30%削減している。また、ルーフパネルに組み込まれた薄型の太陽光発電システムも、航続距離を最長25km延長することに寄与するという。
ボディサイズについては現状2,800mmというホイールベースのみが公開されているが、現行「Cクラス」が2,865mmのホイールベースを持っていることを踏まえると、EQXXはCもしくはDセグメントの4ドアモデルにカテゴライズされそう。とすれば、既存モデルのライバルはテスラ「モデル3」になるが、あちらは最長でも614kmの航続距離にとどまっている。もちろん、現段階でEQXXはコンセプトにとどまるが、搭載される技術は2024年以降にデビューする市販モデルに生かされる見通しだ。
このほか、サステナビリティに配慮した素材の多用や大型ガラスパネルを用いたコクピットなど見所満載のEQXX。その姿を見られる日が楽しみだ。
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