現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 「ステランティス」出資の新銘柄 リープモーターC10へ試乗 力強い加速に感心 平均以下の部分も

ここから本文です

「ステランティス」出資の新銘柄 リープモーターC10へ試乗 力強い加速に感心 平均以下の部分も

掲載
「ステランティス」出資の新銘柄 リープモーターC10へ試乗 力強い加速に感心 平均以下の部分も

ステランティスが出資する中国ブランド

プジョーやフィアットなど、14ブランドを擁するステランティス・グループと協力関係にある、中国のリープモーター。小さな電動ハッチバック、T03と、テスラ・モデルYにサイズの近いSUV、C10の2台体制で、欧州市場への参入が始まった。

【画像】「ステランティス」出資の新銘柄 リープモーターC10 競合サイズの電動SUVと見比べる 全186枚

販売を担うのは、ステランティス・グループとリープモーターによる合弁企業、リープモーター・インターナショナル社。前者が、株式の51%を保有している。

リープモーターは、シャシーから駆動用バッテリーまで、一貫して設計するというアプローチが特徴。バッテリーのレイアウトや車内空間の確保、ねじり剛性の向上、生産コストの削減などでメリットがあると、同社の幹部は主張する。

今回試乗した、スッキリとしたスタイリングをまとうC10のパワートレインは、218psの駆動用モーターと、69.9kWhのバッテリーという組み合わせ。後輪駆動で、航続距離は421kmが主張される。英国価格は、3万6500ポンド(約701万円)からだ。

広々の車内空間 14.6インチのタッチモニター

C10の車内空間は、確かに広い。後席側の足もと空間にはゆとりがあり、高さ方向にも余裕がある。ただし、乗り込むには事前のレクチャーが必要。ロックを解除するには、カードキーを運転席側のドアミラーへかざす必要がある。

荷室容量は、リアシートを起こした状態で435L。折りたたむと1410Lへ拡大できる。床面には前後へ分かれた収納があり、手前側にはパンク修理キットがしまわれている。奥側には、充電ケーブルを片付けられる。

発進前に、ドアミラーの角度調整は済ませておきたい。ダッシュボード中央に鎮座する、14.6インチのタッチモニターで該当項目を選択し、ステアリングホイール上のローラー・コントローラーで向きを変えることになる。

このローラーは、スポーク部分の左右へ備わる。通常は右側をクルクル回すと、オーディオのボリュームを変えられる。左側は、特に機能が割り振られていないようだ。

エアコンの操作も、ドライブモードの設定も、巨大なタッチモニター上で。画面のアイコンは小さく、走行中に触れることは難しい。

シートやドアパネルなどには合成皮革が用いられるが、質感はあまり良くない。価格を考えると、シートには位置を調整できるランバーサポートが欲しい。腰痛持ちのドライバーには、特に喜ばれるだろう。

感心するほどスムーズでパワフルな加速

C10の加速は、感心するほどスムーズでパワフル。これは意図的に与えられたもののようだ。息を呑むほど鋭く速度上昇するわけではないが、静止状態からでも走行中でも、充分以上といっていい。0-100km/h加速は、7.5秒が主張される。

回生ブレーキは、4段階から選択可能。ブレーキペダルを踏まずに止まれる、ワンペダルドライブにも対応するが、停車した状態で予め選んでおく必要がある。

コンフォート・モード時は、ステアリングホイールが不自然なほど軽くなる。一方でスポーツ・モード時は、ファミリーSUVへ不釣り合いなほど重い。デフォルトのスタンダード・モードが、適度な重さでちょうどいい。どのモードでも、感触は薄いけれど。

試しに、スポーツ・モードで路面が濡れたワインディングを飛ばしてみた。トラクションは不足気味といえ、ヒヤッとする場面も何度かあった。家族との移動を楽しむファミリーSUVだから、そんなに気張って運転されることは稀なはずだが。

サスペンションは、もっと洗練させたいところ。滑らかな路面ではフラットな印象だが、アスファルトの剥がれた穴などを通過すると、落ち着きへ影響が出てしまう。凹凸が目立つ高速道路では、次のインターチェンジまでに少し疲れてしまった。

急速充電能力は最大で84kWと、最近のこのクラスでは遅い方。残量10%から80%まで回復するのに、最短で40ほど必要になる。ちなみに、モデルYは最大250kWへ対応している。

魅力はゼロではない 平均以下の部分も

ステランティス・グループの後ろ盾で、欧州市場へ参入したリープモーター。中型の電動SUVとして、C10に魅力がないとはいえないだろう。

シンプルなスタイリングの印象は良いし、車内空間は広々。家族でゆったり移動できるSUVを、安価に購入したいユーザー層の共感は得られるだろう。

ただし、インフォテインメント・システムの操作性や乗り心地は、平均以下といわざるを得ない。航続距離や充電速度も、強みとするには物足りない。コストパフォーマンスが重視される新ブランドが故に、欧州での競争は楽ではなさそうだ。

◯:比較的手頃な価格と充分な航続距離 広々とした車内
△:タッチモニターへ集約されすぎた車載機能の操作 ライバルに届かない乗り心地と操縦性

リープモーターC10(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万6500ポンド(約701万円)
全長:4739mm
全幅:1900mm
全高:1680mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:7.5秒
航続距離:421km
電費:4.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1980kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:69.9kWh
急速充電能力:84kW
最高出力:218ps
最大トルク:32.5kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ガスリー、ご近所さんになった角田裕毅とカラオケ熱唱「声枯れるほど歌った。楽しい夜だった」思い出アデルの曲も再び
ガスリー、ご近所さんになった角田裕毅とカラオケ熱唱「声枯れるほど歌った。楽しい夜だった」思い出アデルの曲も再び
motorsport.com 日本版
Jujuが人気ドライバー部門首位「暖かい声援が何よりも活力に」。2024年のSFgoアワードはTGMが“2冠”
Jujuが人気ドライバー部門首位「暖かい声援が何よりも活力に」。2024年のSFgoアワードはTGMが“2冠”
AUTOSPORT web
ラリーカーが空を飛ぶ! WRCラリージャパン堂々幕開け。Rally1ではM-スポーツ・フォードのフルモーSSS1最速。勝田貴元3番手
ラリーカーが空を飛ぶ! WRCラリージャパン堂々幕開け。Rally1ではM-スポーツ・フォードのフルモーSSS1最速。勝田貴元3番手
motorsport.com 日本版
60系『プリウス』のメーター手前を小物置きに、カーメイトが専用トレー発売
60系『プリウス』のメーター手前を小物置きに、カーメイトが専用トレー発売
レスポンス
新車採用が「義務化」! でも後退時「バックモニター」だけで動くのは「危険すぎ」!? “カメラ”に映らない「死角」がヤバかった
新車採用が「義務化」! でも後退時「バックモニター」だけで動くのは「危険すぎ」!? “カメラ”に映らない「死角」がヤバかった
くるまのニュース
“ツーリングもサーキットも楽しめる”スーパースポーツバイク! ヤマハ「YZF-R7 ABS」の2025年モデルは鮮烈なブルーとグレーが魅力です
“ツーリングもサーキットも楽しめる”スーパースポーツバイク! ヤマハ「YZF-R7 ABS」の2025年モデルは鮮烈なブルーとグレーが魅力です
VAGUE
レクサス新型「本格ラグジュアリーSUV」発表! “450馬力”超えの「3列シート」採用モデル登場! 超パワフルな「高性能ハイブリッド」初搭載した“新型LX”加国発売!
レクサス新型「本格ラグジュアリーSUV」発表! “450馬力”超えの「3列シート」採用モデル登場! 超パワフルな「高性能ハイブリッド」初搭載した“新型LX”加国発売!
くるまのニュース
いすゞ、新開発の2.2Lディーゼルエンジンを『D-MAX』と『MU-X』に搭載
いすゞ、新開発の2.2Lディーゼルエンジンを『D-MAX』と『MU-X』に搭載
レスポンス
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
新型「“真っ黒”クロスオーバーSUV」発表! 初の「精悍ブラック仕様」&特別な“豪華内装”採用! 専用装備マシマシな「Cクラス オールテレイン」登場!
新型「“真っ黒”クロスオーバーSUV」発表! 初の「精悍ブラック仕様」&特別な“豪華内装”採用! 専用装備マシマシな「Cクラス オールテレイン」登場!
くるまのニュース
最新EVと環境への挑戦を体感! 第30回日本EVフェスティバル 11月23日
最新EVと環境への挑戦を体感! 第30回日本EVフェスティバル 11月23日
レスポンス
インフィニティ、フルサイズSUV『QX80』新型の購入者に新サービス…専任コーディネーターが対応
インフィニティ、フルサイズSUV『QX80』新型の購入者に新サービス…専任コーディネーターが対応
レスポンス
ホンダ「2列×6人乗り」小型ミニバンが凄い! まさかの「前席に3人並ぶ」斬新シート採用! 全長4.3mで「最高にちょうどいい」サイズの“エディックス”とは!
ホンダ「2列×6人乗り」小型ミニバンが凄い! まさかの「前席に3人並ぶ」斬新シート採用! 全長4.3mで「最高にちょうどいい」サイズの“エディックス”とは!
くるまのニュース
メルセデスAMG試乗付き宿泊プラン、1日1室限定…インターコンチネンタルホテル大阪
メルセデスAMG試乗付き宿泊プラン、1日1室限定…インターコンチネンタルホテル大阪
レスポンス
勝利をもたらす「招き猫」こと「BLUE LINK VICTORY CATS」の4名とは?「ANEST IWATA Racing with Arnage」をサポートするRAの素顔を一部ご紹介
勝利をもたらす「招き猫」こと「BLUE LINK VICTORY CATS」の4名とは?「ANEST IWATA Racing with Arnage」をサポートするRAの素顔を一部ご紹介
Auto Messe Web
ランドクルーザーとランドローバー、世界のクロカン4WD市場を席捲する両雄
ランドクルーザーとランドローバー、世界のクロカン4WD市場を席捲する両雄
@DIME
角田裕毅、危うくアメリカ入国拒否!? 入国審査で別室へ……「着ていたパジャマの色が問題だったのかな?」
角田裕毅、危うくアメリカ入国拒否!? 入国審査で別室へ……「着ていたパジャマの色が問題だったのかな?」
motorsport.com 日本版
めちゃ“豪華インテリア”の新型「ミドルサイズSUV」発表! 大人気モデルが「全面刷新」で進化! 多彩なテクノロジーを搭載した新型「ティグアン」登場!
めちゃ“豪華インテリア”の新型「ミドルサイズSUV」発表! 大人気モデルが「全面刷新」で進化! 多彩なテクノロジーを搭載した新型「ティグアン」登場!
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

563.7727.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

377.9750.8万円

中古車を検索
モデルYの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

563.7727.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

377.9750.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村