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巨大市場の中国ではやっぱりEVが主役! 遅れをとっている感が拭えない日本メーカーへの不安

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巨大市場の中国ではやっぱりEVが主役! 遅れをとっている感が拭えない日本メーカーへの不安

 目立つ位置に展示されていたモデルにトヨタマークがなく……

 第17回広州国際汽車展覧会(広州ショー)の広州豊田ブースへ行くと、見慣れないモデルが展示してあった。その名は“iA5”、セダンタイプのBEV(純電気自動車)である。しかし、「どこかで見たことあるなあ」と、隣の広州汽車ブースを見ると、見た目もよく似ている“Aion S”というモデルが展示してあった。

【5分でわかる】複雑な中国の自動車メーカー事情

 地元の報道を見ると、「見た目は多少異なるものの、iA5は広汽新能源のAion Sの兄弟車となる」というような感じで報道していた。確かにトヨタ車だというのに、フロントとリヤのセンターにはトヨタのあのエンブレムではなく、広州汽車のエンブレムがついている。正式にはどのような表現が使われているのかは確認できないので、OEMと言い切ることはできないが、少なくともトヨタの技術が100%そのまま採用されているモデルではないのは確か。

 それなのに、広汽豊田の看板車種であるカムリをブースの隅に追いやり、iA5がブースのセンターに複数台数が展示されていたのだ。さらに、広汽豊田は今回のショー会場において、RAV4の兄弟車となるワイルドランダーをワールドプレミアしたというのに、ワイルドランダーよりも目立っている印象を受けた。

 昨年も同タイミングで広州ショー取材のために広州市を訪れたが、ちょうど乗用車やタクシー向けに、ナンバープレートの上部が白で下部が薄いグリーンとし、センターへ向けグラデーションとなっているナンバープレートを“新能源車(新エネルギー車/BEV、PHEV、FCEV)専用に設定したばかりで、新能源車の本格普及が始まっていた時期。1年後となるいま、広州市内を訪れてみると、市内中心部の路線バスの大半がBEVとなっており、タクシーも見た感じでは4割強がBEVとなっていた。

 一般ユーザー向けのBEVも順調に増えているようで、トヨタオリジナルではなくても、トヨタブランドでBEVをラインアップしたいと販売現場が考えるのも無理のない話。そうしたなかでもBEVではない新型レビン(広汽豊田でラインアップするカローラの兄弟車)は堅調に売れているが、補助金やナンバー発給規制対象外など、その手厚いインセンティブは消費者から見ればかなり魅力的なものであり、メーカーや販売現場も新車販売という面でBEVを無視できないのは当たり前だ。

 レクサスブランドもついに市販EVを中国で発表

 もちろん政府のNEV規制を睨んだ動きもあるし、筆者が見た感じでもNEVが増えているといっても、街なかはタクシーやライドシェアのBEVばかり。純粋な個人需要で見れば、思ったよりはその普及スピードが緩やかに見えるので、生産する広州汽車側にも広汽豊田への供給はメリットがあるように見える。

 今回は広汽豊田が展示ブース設営などについて主体的に行ったとのことなので、やむを得ない展示レイアウト(iA5メインの展示)となってしまったのかもしれないが、日本的に言えばトヨタブースにパッソなどのダイハツからのOEMがメインに展示されているようなもので、初めて見たときには、なんとも言い表わせない違和感を覚えた。

 しかもAion Sのほうではあるが、すでにタクシーやライドシェアのクルマとして、広州市内でも数多く走っており、iA5がフリート販売を熱心にやっているわけではないが、その兄弟車の様子を見ると、カムリをフォローできるようなステイタスは望めそうもない。

 今回の広州ショーでは、レクサスUXのBEVが披露されて話題となっているが、中国市場での発売は2020年春を予定しているとのこと。いままでは中国の政策に割と静観を決め込んでいた欧米ブランドも、今回のショーでは積極的にBEVを用意してきた。やはり、技術的には市販レベルのものを持っており、あくまで静観を決め込んでいただけのようである。

 日本にいると実感が沸かないだろうが、どのような形にしろ、中国の都市部では、政府の思惑は別としても、日本とは比較にならないスピードで新能源車、とくにBEVが増えてきている。何も知らなくて勝手に不安に思っているだけならそれで構わないのだが、ただでさえ中国や欧米ブランドに比べてトレンドの古さも目立っていたので、中国にきてみると「日本メーカー大丈夫かなぁ」と不安になってしまう筆者であった。

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