オークションに続々出品
日本では2021年8月に発売されたトヨタ・ランドクルーザー300は世界中で大人気だ。
【画像】なぜここまで人気?【ランクル300/レクサスLXを比べる】 全243枚
半導体不足やコロナの影響による生産調整も影響して、日本では納車まで4年以上待つほどの事態となっている。
そして、このランクル300は「転売禁止」のはずだが、業者オークションに出品されるケースも増えている。
2022年3月3日にAUTOCAR JAPANで「転売やめて! トヨタ・ランドクルーザー 現金一括購入も『ディーラー所有』 背景は」という記事を書いて以降、筆者(加藤久美子)のもとには、全国各地のオークションに出品されたランドクルーザー300に関する情報提供が複数寄せられている。
トヨタ車の中古車を数多く扱う都内の業者いわく「ランクル300の出品はめずらしくなくなりました。大手中古車オークションでは、1日に3台出品されたこともありました」
「落札価格も落ち着いてきていますね。一時期は新車同様の個体が2000万円超で落札されたこともありましたが、最近はそこまで高額な落札事例はほとんどないようです」
「わたしの知る限り1300~1500万円前後が中心です。登録から6か月経過した『GRスポーツ』は走行距離1万km、評価点4で落札価格は約1200万円でした」
「出品者が希望する価格まで達しないため『流札』(売買不成立)となってしまう個体もありますね」
とはいえ、これはあくまでも中古車業者による「落札(応札)」価格である。
中古車販売店の店頭に並ぶ際には落札価格+200~400万円程度の価格となる模様。
後述するが、実際に現在中古車情報誌で売りに出されているランドクルーザー300の車両本体価格は1700万円前後だ。
「転売しません」はどうなったの?
あらためてランドクルーザー300の新車価格を紹介しておこう。価格はすべて税込。
ガソリンモデル
ZX 3.5Lガソリン(7人乗り):730万円
GRスポーツ3.5Lガソリン(7人乗り):770万円
VX 3.5Lガソリン(7人乗り):630万円
AX 3.5Lガソリン(7人乗り):550万円
GX 3.5Lガソリン(5人乗り):510万円
ディーゼルモデル
ZX 3.3Lディーゼル(5人乗り):760万円
GRスポーツ3.3Lディーゼル(5人乗り):800万円
ランクル300が中古車市場で販売されているということは、誰かがディーラーで購入した新車を、業者に買い取りや下取りをしてもらったことになる。
そして最初にディーラーで買った人は、よほど信頼の厚い顧客を除いて「購入から最低1年間は転売しない」という誓約書を書かされている。
もちろん、やむを得ない事情でお金が必要になり、泣く泣く売却したオーナーもいるだろう。
その一方で最初から転売目的で購入した個人もいるはずだ。走行距離数十kmの個体は、まさに転売を目的として購入したのだろう。
転売目的であることを隠すために、ほどほどの距離を走ってから売りに出しているケースもある。
以前の記事でもお伝えしたが誓約書の内容を破って転売した場合には「今後、一生涯トヨタディーラーからクルマの購入ができない」などのペナルティを背負うことになる。
「転売しません」という誓約書に加えて、強硬策を講じるディーラーも全国にいくつか存在している。
そこでは「現金購入か割賦購入かに関わらず」最低1年はディーラーに所有権をつける協力を購入者に要請しているという。
要請というより半ば強制的におこなっているディーラーもあると聞く。
ディーラーに所有権をつけておけば、オーナー(車検証上の「使用者」)の意思だけで名義変更ができなくなるため、転売防止には非常に効果的な措置となるからだ。
2000万円で落札の個体 その後は?
2月の業者オークションで2000万円で落札されたランドクルーザー300。
これがそのどうなったのか?
車台番号とナンバープレートの情報が入手できたので関東地方の某運輸支局で「登録事項等証明書」(現在証明/過去証明)を取り寄せてみたところ……なんと(!)登録事項等証明書の備考欄に「輸出登録抹消」の文字が印字されていた。
「輸出予定日」は「令和4年4月20日」と記されている。
購入直後に「抹消」 最初から輸出目的
このランクルは残念ながら、海外に輸出される(された?)のだろう。
2022年今年1月に新規登録(ディーラーから納車された)されており、2月上旬の業者オークションに出品され、早くも2月8日には名義変更がおこなわれている。
走行距離は100km以下なので、つまり、最初から転売(輸出)目的でディーラーから購入し、すぐさまオークションに出されたものと推察できる。
ここで少し説明しておきたい。
「輸出抹消登録」とは、海外に輸出をするための「抹消登録」(=日本国内での登録を抹消する)のこと。海外に中古車を輸出する場合は、必ず、この手続きをおこなう必要がある。
「輸出予定日」とは、「令和4年4月20日」と記されているが、これは「この日までに輸出する」という意味で4月20日に輸出するということではない。
輸出抹消登録をしてからこの個体の場合は3月中に輸出されている可能性が高い。
なお、運輸支局に確認したところ、輸出が完了(つまり日本から出る)したことが確認できたら税関から運輸支局に情報が届き、「登録事項等証明書」の記載も輸出が完了したという内容に変更されるとのことであった。
プレミア価格のランクル 買ってもいい?
今からの注文で納車はどれくらいになるのか?
画像はトヨタ自動車公式サイトの「ランドクルーザー」の紹介ページの最初に記載されている案内である。
「2022年4月18日の時点で」、「今からご注文頂く際の納期は4年程度となる場合がございます」と書かれている。
生産状況によっては4年以下となる場合もあるだろうし、それ以上となる可能性もある。
4年待つべきか……しかし、4年とはあまりにも長い。
おそらくほとんどの人にとって、新車の納車に4年待つのは初めての経験だろう。
4年待っても買う価値があるクルマであることは分かっているが……。
ランドクルーザー300を購入するもう1つの選択として中古車を購入する方法もある。
大手中古車情報サイトには、5月1日現在4台のランドクルーザー300が掲載されている。
4台のうち2台は価格が出ており(1698/1748万円)、あとの2台は「応談」となっている。
走行距離は10km、550km、1000km、8000kmと開きがあるが、10kmなどという数字は納車されて1度も動かされていないレベルの距離だ。
「いわくつき」のアフターサービスは?
そして気になるのが、これら中古車を購入した場合のアフターサービスである。
いずれもほぼ新車に近い個体ばかりだから、トヨタの「新車保証」(最長5年間または10万km走行時点のいずれかの早い方まで)も十分に残っているはず。
ただ、実際これらのランクルは、最初のオーナーが「誓約を破って」転売しているクルマたちだ。
誓約を破れば、「今後トヨタ自動車の新車購入は生涯、不可能となる」というペナルティを課せられている。
中古車として購入した場合、「ちゃんと保証が引き継がれるのか」、「ディーラーで整備をしてくれるのか」そのような心配が出てくるだろう。
「登録事項等証明書」を取り寄せれば、最初のオーナーや買い取った後の所有者氏名や住所など過去の履歴もすべてわかる。
ということで、ランクル300を扱う中古車販売店とトヨタのお客様相談室に聞いてみたところ、「ディーラーで保証引継ぎの手続きをしていただく必要がありますが、新車保証はオーナーが代わっても問題なく引き継げます」という回答だった。
「転売防止の誓約を破っていても大丈夫なのでしょうか」と聞いたら「問題ありません」とのこと。
トヨタにしてみれば、転売で問題なのは海外に輸出された個体であって、国内市場では一般のトヨタ中古車と同様に扱われるようだ。
4年待つか、新車価格の2~3倍だが即納できる中古車を買うか……。
経済的に余裕のある方、なんとしてでもすぐに乗りたい方には中古車という選択もアリかもしれない。
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みんなのコメント
金額や数量、期間等総合的に考慮し検挙する。
車の場合はディーラー名義にするのが一番効力あるね。