フェラーリを所有するうえで、多くのオーナーが悩むと言われるのが“バッテリー問題”である。
というのも、セキュリティ機能などが常時作動するフェラーリは、停車中もバッテリー電力消費量が大きいため、バッテリー上がりが頻発するからだ。
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筆者の360モデナは、先日、オーディオの音質を高めるべくバッテリーをパナソニック社の「caos(カオス)」に交換した。電源を遮断するキルスウィッチは、フロントのラゲッジ・ルーム内にある。キルスウィッチによって電源を遮断した場合、セキュリティ・システムが作動しなくなるほか、オーディオ・システムの設定もリセットされてしまうため、バッテリー上がりを防ぐためとはいえ、極力使いたくない。聞くところによると、F355や360モデナの場合、1~2週間以上放置するとバッテリーが上がって、エンジンがかからなくなってしまうそうだ。また、1度バッテリーが上がると、再充電しても元に戻らない場合がほとんどで(アイドリングなどが不調になるという)、結果、新品に交換せざるを得なくなるという。
とはいえ、定期的にエンジンを掛け、クルマを走らせていれば、バッテリー上がりを心配するにはおよばない。しかしフェラーリの場合、多くのオーナーがごくたまにしか乗らない。「久しぶりに乗ろうと思ったらバッテリーが上がってしまいクルマが動かない!」という事態に直面するオーナーが多くなるゆえんである。
【前回のおさらい】Vol.31 バッテリー交換で爆発の危険性発覚!?
バッテリー上がりを防ぐべく、1週間に1回は運転する。が、家の周辺は、フェラーリを運転するのに適した交通環境とは言い難い。近所のコンビニにも、360モデナで行くことはたまにある。が、出入り口の段差に注意しないと、アンダーボディを擦ってしまう。ボクはというと、バッテリー上がりを防ぐべく、1週間に1回は必ず乗るようにしている。しかも先日、バッテリーを新品(パナソニック社製の「caos(カオス)」)に交換したばかりだからムダな出費は抑えたい。だから、なおさらバッテリーが上がらないよう、気をつけている。
それでも、9月初旬に、バッテリーが上がってしまう可能性が出てきた。理由は、2週間以上愛車にまったく乗れなくなってしまうからだ。
フェラーリを乗るには時間と覚悟が必要!?理由は、1週間のイタリア取材に行くことになったからだ。かつての愛車だったアルファロメオ「ジュリア」の生産拠点(カッシーノ工場)などを訪れ、9月8日のF1イタリア・グランプリを取材することが決まった。
しかし、「1週間のイタリア出張なら、出張前・後で乗れば問題ないのでは?」とも考えられる。とことが、コトはそれほど単純ではないのだ。
イタリア出張では、アルファロメオ「ジュリア」などが生産されるカッシーノ工場も見学した。ALDO_FERRERO360モデナに乗るには、それなりの“覚悟”と“時間”を要するということがひとつある。まず、エンジン・サウンドが大きく、近所に迷惑がかかるため、早朝や深夜は乗れない(ボクの家は、俗にいう“閑静な住宅街”に位置する)し、雨が降る日は、クルマが汚れるので乗りたくない(そもそもボディ・カバーを外すのが大変)。
また、1度乗ったあとは、エンジンまわりが高温になるため、すぐボディ・カバーをかけられないのも厄介だ。とはいえ、ボディ・カバーを被せないと、盗難や天候(雨や雹)が気になってしかたないから、落ち着かない。だから、エンジンまわりの温度が落ち着くまで辛抱して自宅待機し、ボディ・カバーを被せる。温度が落ち着くまでには数時間要するからなおさら厄介だ。
【前回のおさらい】Vol.31 バッテリー交換で爆発の危険性発覚!?
搭載するエンジンは3.6リッターのV型8気筒DOHCエンジン。最高出力は400ps/8500rpm、最大トルクは372Nm/4750rpm。走行後は、エンジン・ルーム内の熱を逃がすため、リア・ゲートを開けるようにしている。さらに、普段縦列で停めている360モデナを出し入れするとき、極力ハンドルを切りたくないし(パワー・ステアリングのシステムに負担がかかる)、前進・後進を繰り返したくないので(クラッチの摩耗を減らしたい)、もう1台停めているクルマをいったん公道に出してから、360モデナを出し入れする。
こうすると、だいたい1~2回の切り返しで停められるようになるが、もう1台のクルマをわざわざ動かす手間が面倒だ。
360モデナは普段、ボディ・カバーを被せ、縦列で停めている。出し入れ時は、もう1台のクルマ(ボルボ)を公道に出し、前後のスペースを拡げることで、ハンドルの切り返しやギア・チェンジの回数を減らしている。以上、360モデナに乗るための“作業”をまとめると、(1)ボディ・カバーを外す→(2)エンジンを掛ける→(3)もう1台のクルマを出す→(4)駐車場から360モデナを出す→(5)公道を走る→(6)もう1台のクルマを出す→(7)360モデナを駐車場に戻す→(8)エンジンを切る→(9)エンジンまわりを冷ます→(10)ボディ・カバーを被せる、といった内容になる。「ちょっと時間があるからサクッと乗ろう!」なんてことは、とても出来ないのだ。
もっとも、“雑”に乗ることにすればもっと気軽に乗れるだろう。が、愛着ある我が360モデナゆえ、大切にしたい。そのため、1回乗るごとにそれなりの労力と時間を要するのは致し方ない、と、諦めている。
【前回のおさらい】Vol.31 バッテリー交換で爆発の危険性発覚!?
乗るためには、半日以上の時間が必要になるが、乗るたびに「あぁ、いいクルマだなぁ」と、思う。またしても“フェラーリ価格”話を戻すと、2週間以上も愛車に乗れなさそうなので、バッテリー上がり対策を早急に施す必要が出てきた
そこで、バッテリー交換時に「バッテリー・コンデショナー」を購入し、装着することに決めた。
車検時、筆者の360モデナにはディーラー所有のバッテリー・コンデショナーが接続されていた。バッテリー・コンデショナーは、家庭用コンセントからバッテリーを充電するとき必要になるもので、常時接続したままでも過充電などを防いでくれる優れものだ。
早速購入すべく、フェラーリ横浜サービス・センターに問い合わせた。純正品である「プロフェッショナルJS 4.3 Ferrari スイッチモードチャージャー(パルスメンテナンス、フロート充電および診断機能搭載)」の在庫はあるとのこと。スウェーデンに本社を置くCTEK(シーテック)社製のものになるそうで価格は3万5000円(税別)。
【前回のおさらい】Vol.31 バッテリー交換で爆発の危険性発覚!?
購入したフェラーリ純正のバッテリー・コンデショナー「プロフェッショナルJS 4.3 Ferrari スイッチモードチャージャー(パルスメンテナンス、フロート充電および診断機能搭載)」。価格は3万5000円(税別)。ちなみにロールス・ロイスの純正バッテリー・コンデショナー(CTEK社製)は、ロールス・ロイスのロゴ入り。3万5000円が高いのか安いのか……よくわからないので、ウェブで調べると、CTEK社製の汎用品であれば2万円前後で購入出来るというではないか!
約1万5000円の差はなにかというと、本体カラーがフェラーリのブランド・カラーであるレッドになり、かつフェラーリのロゴ入りになるぐらいか。もちろん、汎用品も360モデナに取り付け可能だ。
汎用品の場合、フェラーリのロゴではなくCTEK社のロゴになる。「たったそれだけで……」と、思う人も多いはず。が、ボクは、その“特別感”に惹かれてしまった。バッテリー・コンディショナーに描かれる“跳ね馬”が誇らしい。それに、ディーラーで装着するのであれば純正品しか選択肢がない。ゆえに、少々高いフェラーリ純正のCTEK社製バッテリー・コンデショナーを選んだ。
はたして、“高級バッテリー・コンデショナー”を装着した結果はいかに? 次週、報告する。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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