現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > WTCR王者ノルベルト・ミケリスがERC初参戦。地元開催ハンガリーにヒョンデi20 Nラリー2で出場へ

ここから本文です

WTCR王者ノルベルト・ミケリスがERC初参戦。地元開催ハンガリーにヒョンデi20 Nラリー2で出場へ

掲載
WTCR王者ノルベルト・ミケリスがERC初参戦。地元開催ハンガリーにヒョンデi20 Nラリー2で出場へ

 今季も年間全8戦で争われている2023年のERCヨーロッパ・ラリー選手権は、来月迎える最終戦にて“ハンガリーで最も成功したレーシングドライバー”の地元ラウンド初出場をアナウンス。TCR規定による世界最高峰シリーズだったWTCR世界ツーリングカー・カップの2019年チャンピオンであるノルベルト・ミケリスが、そのスキルを世界のサーキットから母国のスペシャルステージに応用し、自身初の本格ラリー挑戦を決めている。

 今季第7戦として8月に開催された名物ターマック戦『バルム・チェコ・ラリー・ズリーン』では、地元の英雄ヤン・コペツキー(シュコダ・ファビアRSラリー2)がホームラウンドでの勝利数記録を伸ばす11勝目を挙げるとともに、全8戦中有効7戦で雌雄を決するチャンピオンシップでも、ランキング首位で臨んだニュージーランド出身のヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)が、当該ラリーこそ右後輪を失うクラッシュでリタイアを喫したものの、ライバルの結果により欧州域外出身者として初となるヨーロッパチャンピオンを獲得した。

盟主コペツキーが地元戦11勝の金字塔。大クラッシュのパッドンが初の欧州タイトル獲得/ERC第7戦

 そんなシーズンの最終戦として10月6~8日に実施される『ラリー・ハンガリー』は、同国ゼンプレン北東部のニーレジュハーザを拠点とする高速でナローなセクションに、コースサイドの泥が混じる難しいステージ群として知られる。

 その難攻不落の国際ラリーで実戦デビューを果たすミケリスは、地元の石油小売業ネットワークである『OMVハンガリアKft』の支援を得て、自身が所属するヒョンデ・モータースポーツ製の最新モデル、ヒョンデi20 Nラリー2のステアリングを握る。

「僕の最初のモータースポーツ体験は(バラニャ県都)ペーチュ周辺のラリー競技に関係している。メチェク・ラリーについては非常に鮮明な幼少期の思い出があるんだ」と39歳のミケリス。

 そんなWTCR元王者にとっても、ERC最終戦への参加は「子供のころからの夢の実現」であると同時に、未知への一歩でもある。自身のラリー経験は数回のデモラン程度に限られているが、当然イベントに先立って入念なテストが予定されている。

■幼少期からの夢を叶えたミケリス「キャリアで最大の挑戦になる」
「僕はラリーでモータースポーツの魅力に夢中になり、どんなドライバーになりたいかと問われたら、間違いなくラリードライバーと答えていただろうね。そんな僕をサーキットレースに導いたのは、おもにシミュレーション時代のおかげで、それが現在の地位に導いてくれた。でもラリーへの愛情は今も変わらず、こうして子供のころの夢が叶うなんてね!」

 そのミケリスは、今季もTCR規定ツーリングカーで世界を舞台に戦い、新たに創設されたTCRワールドツアーではヒュンダイ・エラントラN TCRをドライブし、開幕戦を含む2勝をマーク。11月のオーストラリア連戦とマカオでの王座決定戦を前に、わずか4ポイント差ながらシリーズをリードしている。

 そんな“初代TCRワールドツアー王者”の争いを繰り広げる渦中にありながら、今回はヒョンデ・モータースポーツによりラリー出場への特別許可を得た。

「ここ数年、僕はたくさんのことを考えてきたが、なぜこのタイミングが『適切でなかったのか』をつねに自分に納得させてきた」と続けたミケリス。「今では慎重になるよりも、それを経験したいという気持ちのほうが強いところまで来ている。完璧なタイミングなど決して存在しないし、その瞬間を掴まなければならないんだ。それが今では、スポンサーのサポートで何とか条件を整えることができた。OMVハンガリアとヒョンデの双方にとても感謝しているよ」

 ミケリスのパートナーには、WRC世界ラリー選手権やダカールラリーへの出場経験を持ち、ERCでは表彰台も獲得するロバート・タガイがコ・ドライバーを務めることとなり、その目標についてミケリスは次のように語った。

「ステージのことはまだ分からない。マシンをテストしたのはペーチュ周辺で1回だけだから、経験はほとんどないんだ。多くの車載カメラ映像を分析し、ペースノートの書き方を練習したが、昼夜を問わず準備をしても、自分が何をしてきたかは実戦でしか分からない。経験豊富なラリーストでも簡単に困難な状況に陥ることがあるし、それは僕のキャリアのなかで最大の挑戦になると思う」とミケリス。

「とにかく目標は完走することだ。結果として、事前には何の計画も予測もしていない。それほどERCのフィールドは競争が激しく強力だからね。ホームの大観衆の前でレースをしたのは良い思い出だが、ラリーはまたハンガロリンクとは違うだろう。この新しい経験を楽しみにしているよ」

こんな記事も読まれています

雨に翻弄された101年目のル・マン。燃料ギリギリ! 50号車フェラーリが優勝。トヨタ7号車は最後尾から追い上げも届かず2位|ル・マン24時間:フィニッシュ
雨に翻弄された101年目のル・マン。燃料ギリギリ! 50号車フェラーリが優勝。トヨタ7号車は最後尾から追い上げも届かず2位|ル・マン24時間:フィニッシュ
motorsport.com 日本版
正式発売前のプロトタイプ先行試乗をプレイバック! 3代目レクサスISはBMW3シリーズを超えられたのか?
正式発売前のプロトタイプ先行試乗をプレイバック! 3代目レクサスISはBMW3シリーズを超えられたのか?
ベストカーWeb
ガソリンがリッター263円なら安い!? 給油するならドイツ、フランスを避けてルクセンブルクがオススメです【みどり独乙通信】
ガソリンがリッター263円なら安い!? 給油するならドイツ、フランスを避けてルクセンブルクがオススメです【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ル・マン24時間レース決勝速報|フェラーリ、逃げ切り2連覇達成! トヨタとの近年稀に見る大接戦を制す
ル・マン24時間レース決勝速報|フェラーリ、逃げ切り2連覇達成! トヨタとの近年稀に見る大接戦を制す
motorsport.com 日本版
7号車トヨタがレクサスとの接触でマシン破損/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 ウォームアップ
7号車トヨタがレクサスとの接触でマシン破損/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 ウォームアップ
AUTOSPORT web
マイチェンで「歴代最強」 フォルクスワーゲン・ゴルフ R 試作車へ試乗 最高水準の魅力に揺るぎナシ!
マイチェンで「歴代最強」 フォルクスワーゲン・ゴルフ R 試作車へ試乗 最高水準の魅力に揺るぎナシ!
AUTOCAR JAPAN
初心者でも安心! 自分のレベルに合わせてサーキットを楽しめる「GR Garage」主催の走行会に人気集中。ゲストドライバーに松井孝允選手も
初心者でも安心! 自分のレベルに合わせてサーキットを楽しめる「GR Garage」主催の走行会に人気集中。ゲストドライバーに松井孝允選手も
Auto Messe Web
“直線番長”プジョー9X8、劣勢も決勝に自信「正しいアプローチかどうかは、レースで分かる」/ル・マン24時間
“直線番長”プジョー9X8、劣勢も決勝に自信「正しいアプローチかどうかは、レースで分かる」/ル・マン24時間
AUTOSPORT web
前年から運用方法が一部変更。2024年のル・マン24時間セーフティカールールをおさらい
前年から運用方法が一部変更。2024年のル・マン24時間セーフティカールールをおさらい
AUTOSPORT web
伝説の「6輪F1マシン」を生んだ小屋 70年前のティレル工場が移転保存 英国
伝説の「6輪F1マシン」を生んだ小屋 70年前のティレル工場が移転保存 英国
AUTOCAR JAPAN
JAFが義務化しているユニバーサルロゴの意味は? 実際にラリー車両に貼ってモータースポーツ参戦している人の声を聞いてきました
JAFが義務化しているユニバーサルロゴの意味は? 実際にラリー車両に貼ってモータースポーツ参戦している人の声を聞いてきました
Auto Messe Web
余裕と安心の「サイレント」スポーツ ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(2) 創業者も認めた1台
余裕と安心の「サイレント」スポーツ ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(2) 創業者も認めた1台
AUTOCAR JAPAN
ロールス・ロイス傘下の「ダービー」世代 ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(1) 端正なコーチビルド
ロールス・ロイス傘下の「ダービー」世代 ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(1) 端正なコーチビルド
AUTOCAR JAPAN
日産「新型“超凄い”スカイライン」まもなく登場! 420馬力の“史上最強”モデルはまさに「集大成」! もはや「次期型」に期待な“NISMO”実際どう?
日産「新型“超凄い”スカイライン」まもなく登場! 420馬力の“史上最強”モデルはまさに「集大成」! もはや「次期型」に期待な“NISMO”実際どう?
くるまのニュース
日本のキャンピングカーは仕上がりが違う! 知られざる「キャブコン」の製造工程とは
日本のキャンピングカーは仕上がりが違う! 知られざる「キャブコン」の製造工程とは
WEB CARTOP
首都高つながらない「関越道」どう行く? 渋滞を“まるっと避ける”マル秘ルートとは “練馬から正面突破”は最悪?
首都高つながらない「関越道」どう行く? 渋滞を“まるっと避ける”マル秘ルートとは “練馬から正面突破”は最悪?
乗りものニュース
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズに『カローラ』『シエンタハイブリッド』など6車種の適合が追加
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズに『カローラ』『シエンタハイブリッド』など6車種の適合が追加
レスポンス
メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村