毎月足しげく新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回はトヨタ シエンタ好調、ホンダ・ダイハツ・スズキの電動化戦略、トヨタモデルのオーダーストップ・納期情報、ホンダ軽EVの投入時期…などなど、「旬」の情報をまとめてお届けします!!
ホンダ・ダイハツ・スズキ電動化の動向が見えてきた! 新型シエンタ好調で販売の内訳&納期は? 国内メーカー注目情報
※本稿は2022年11月のものに適宜修正を加えています
文/遠藤徹、予想CG/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年12月10日号
■トヨタ シエンタ好調! ハイブリッド車の納期は2023年8月
今年8月にフルモデルチェンジした新型シエンタは好調な販売推移を見せています。
なかでもハイブリッドの最上級モデルの「Z」が好調で、販売構成比は全体の60%以上を占めています。8月に6カ月待ちだった納期は、10月には10カ月待ちと、徐々に延びています。
また、ハイブリッド車の比率は70~80%で、納期はガソリン車の2023年4月よりも4カ月以上も遅くなります。
2列シート5人乗りと3列シート6~7人乗り仕様の販売構成比は約半分ずつで、3列シート車が約70%を占めていた従来モデルから大きく変わっています(ベストカー2022年12月10日号掲載時)。
トヨタ 新型シエンタ
■ホンダの軽EVは商用車が先行して2024年に発売
ホンダは軽の電気自動車を、まず商用車から2024年に発売する計画で開発を進めています。軽乗用車は2025年以降の発売になる見込みです(文章はベストカー2022年12月10日号掲載時)。
画像は2022年12月7日にホンダが発表した軽バン「N-VAN(エヌバン)」をベースとした、新型軽商用EV(電気自動車)のプロトタイプ。ホンダは、2050年にホンダが関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指している
■ダイハツ、ハイブリッド車を全ラインナップに拡大
ダイハツは、現行ロッキーに採用しているエンジンを発電に使う「エクステンダー式」のハイブリッド車を軽自動車と小型車の全ラインナップに展開する方針です。
軽自動車は現在、他メーカーではマイルドハイブリッドで対応していますが、ダイハツはマイルドハイブリッドは設定せず、エクステンダー式ハイブリッドで1本化する方針です。
なお、このハイブリッドは2023年度に投入する新型車から順次拡大していく方針のようです(ベストカー2022年12月10日号掲載時)。
ダイハツ ロッキー。2021年11月にハイブリッドシステム「e-SMART HYBRID」搭載モデルの販売を開始。「小さなクルマに適したシステム」としている
■スズキ、2025年度までにさらなる電動化を推進
スズキは、2025年度までにストロングハイブリッドやEVなどによるさらなる電動化を進めるもようです。
ハイブリッドはこれまでマイルドハイブリッドが中心で、ストロングハイブリッドは1モーター方式を一部の小型車に搭載していましたが、MTベースのトランスミッションによる変速ショックに違和感があるのと、燃費がそれほどよくなかったことから、搭載車の売れゆきは不振でした。
そのため次世代モデルのハイブリッドは、コストアップが抑えられる1モーター式とCVTとの組み合わせで進化させるものと思われます。
EVについては軽自動車、小型車のユニット開発を同時進行で行うプロジェクトを進めていくとしています。その第1弾としては、2023年度後半から順次搭載モデルを投入する方針です(ベストカー2022年12月10日号掲載時)。
現在、スズキはスペーシアをはじめ軽自動車にマイルドハイブリッド車を設定しているが、今後はストロングハイブリッド車やEVを投入する計画
■日産 エクストレイルは10月いっぱいで一時オーダーストップ
日産が7月に発売した新型エクストレイルは、10月いっぱいで一時オーダーストップになりました。半導体などの部品供給の遅れで、生産が滞りがちになっているのがその理由です。
新型エクストレイルの10月下旬現在での納期は2023年11月で、1年以上の納車待ちになっています。初期受注の構成比は、90%が4WD、グレード別では最上級モデルが80%を占めています(ベストカー2022年12月10日号掲載時)。
■日産 エクストレイルPHEVの2023年秋投入は先送りか?
三菱自動車からパワーユニットの供給を受けて、日産が2023年秋の投入を予定していたエクストレイルPHEVは、そのデビュー予定よりも1年程度先送りされる見通しです。
同じPHEVを搭載するアウトランダーPHEVの販売が好調で生産が間に合わないことが理由と思われます。
日産としても現在生産している新型エクストレイルが好調な売れゆきなため、生産が追いつかない状況にあり、PHEVを投入する余力がないこともあるようです(ベストカー2022年12月10日号掲載時)。
■トヨタ ハリアーは最上級グレード「Z」がオーダーストップ
トヨタが9月下旬に一部改良したハリアーの最上級グレード「Z」が、10月15日頃にオーダーストップとなりました。売れゆきが好調で受注が集中し、生産が追いつかず、納期が2年以上先まで遅れてしまっているためです。
「G」以下のグレードはオーダーできますが、人気装備の「パノラミックビューモニター」がオプションで選べません。なお、Gグレードの納期は2023年11月と、納車まで1年余りかかる見込みです(ベストカー2022年12月10日号掲載時)。
今年9月下旬に一部改良されたトヨタ ハリアーは、人気が最上級グレードの「Z」に集中。生産が追いつかないためZグレードはオーダーストップした
■トヨタ RAV4は10月いっぱいで全車オーダーストップ
RAV4は今年10月いっぱいで全モデルがオーダーストップになったもようです。受注が集中しているうえに、半導体などの部品供給の遅れで生産が間に合わなくなっているのが要因です。
「アドベンチャー」グレードを中心に受注が集中しているのですが、全モデルがオーダーストップとなり、今後の再開についての目途はまだ明らかになっていません(ベストカー2022年12月10日号掲載時)。
■トヨタ ノア/ヴォクシーのハイブリッドは納期が2023年11月に
トヨタが今年初めにフルモデルチェンジしたノア/ヴォクシーの納期は、ハイブリッド車が2023年11月、ガソリンエンジン車は2023年6月で、日が経つごとに納車待ちが長くなっています。
ノアはカローラ店が重点を置いて売り、ヴォクシーはネッツ店がより多く売っており、両モデル間の販売は競合状態になっています。
なお、ハイブリッド車の販売比率は、先代モデルでは半分程度でしたが、現行モデルでは70~80%に増えています(ベストカー2022年12月10日号掲載時)。
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みんなのコメント
さすがに非現実的だからね。
Zしか売らない事に付いて、批判的な記事を書くべきだ。