この記事をまとめると
■レーシングマシンの色を受け継いている色が多い
じつは塗料は基本同じ! 高級車のボディカラーが色褪せない理由とは
■その色で既にレースに出ていなくても、色だけは今でも健在している
■環境問題などにより当時の色のまま作れない物もある
ブランドイメージにも繋がる象徴的なボディカラーたち
名車とボディカラーには、切っても切れない関係があり、インパクトのあるクルマは、それぞれ印象強いイメージカラーを持っているもの。そうした象徴的なボディカラーには、メーカーの志、気高さ、モータースポーツの逸話などが込められている。
そんな逸話のある代表的なボディカラーをいくつかピックアップしてみよう。
1)チャンピオンシップホワイト(ホンダ)
タイプRシリーズ各車のイメージカラーとして人気のある、チャンピオンシップホワイト。
チャンピオンシップホワイトは、ホンダの第一期F1参戦時代のマシンのカラーに由来したもの。
当時、ホンダはF1参戦にあたって、「アイボリーホワイト+赤の丸」をナショナルカラーとして登録。そのアイボリーホワイトのF1マシン、とくにF1で初優勝したRA272を彷彿させる色として、「チャンピオンシップホワイト」を設定。
ホンダのレーシングスピリットを象徴するボディカラーして、初代NSX-Rから採用された。
2)WRブルー(スバル)
スバルのコーポレートカラーはブルー。このブルーは、スバルのエンブレム「六連星」の由来と言われている。六連星(むつらぼし)」は、おうし座のなかにあるプレアデス星団のことで、エンブレムのブルーが、夜空の部分を表現している。
1990年代に入ると、レガシィ、インプレッサでWRCに参戦。このときタバコブランドの「555」がメインスポンサーとなり、スバルのワークスマシンは、いわゆる「555カラー」で出走。WRCでの活躍がイメージアップとなり、2代目インプレッサから、「555カラー」を模した「WRブルー」が用意されるようになった。
今でも人気の衰えない象徴的カラーの意外なストーリー
3)ワンガンブルー(日産)
ワンガンブルーは、2019年に発表されたR35GT-Rの2020年仕様に設定された新しいカラー。湾岸=公道最高速……というイメージを抱くかもしれないが、じつはR34GT-Rのベイサイドブルーを現代版にアレンジしたもの。
環境的な問題などで、現行車をベイサイドブルーでペイントすることは許されなくなり、それに近い色を新技術で作り直したのが、湾岸ブルー。つまり、「ワンガン」=「ベイサイド」という意味。
ワンガンブルーは特別色なので、この色を選ぶと、33万円のプラスとなる!! その分、ベースコートにもブルーが入った、4コート2ベークの手の込んだ塗装で、太陽光と水銀灯の下では、違う表情を見せるのが特徴。
とくに、水銀灯の光を浴びた時にボディラインを美しく映し出す深みを持たせることにこだわって開発された。
4)グランプリマルーン(日産)
グランプリマルーンは、1971年に登場したフェアレディZの240ZGの専用色。この頃、メタリックカラーは米国車のイメージが強く、ソリッドカラーはもっぱらヨーロッパの高級車が好んで採用していた。
そこでフェアレディZの限定上級グレードであることをアピールするべく、カラーデザイナーが塗装メーカーでブレンドを繰り返して開発したのが、このグランプリマルーン。赤系の顔料の耐久性が向上したことではじめて実用化できた色だった。
5)チャンピオンイエロー(スズキ)
二輪と四輪の両方を生産しているスズキ。バイクのGPでは、ブルーがワークスカラーだったが、オフロードではイエローがイメージカラーだった。
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みんなのコメント
トヨタのスーパーホワイトとホンダのグランプリホワイトでも、色味が違って面白い。