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【アメリカで高額落札】日本の軽トラック・軽自動車 6台がオークションに スバル360のポリスカー(?)が400万円超え

掲載 更新 11
【アメリカで高額落札】日本の軽トラック・軽自動車 6台がオークションに スバル360のポリスカー(?)が400万円超え

「エルクハート・コレクション」とは

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)

【画像】出品車両 360ポリスカー、キャリイ、N600、Z600、マツダK360【落札額がわかる】 全84枚

photo:RM Sotheby’s

コロナ禍の影響からオンライン中心で開かれていたコレクターズカー・オークションだが、感染対策を施して会場に入札者を集めるスタイルで開催されるようになってきた。

しかし、以前とまったく同じというわけにはいかず、会場への入場人数が制限される代わりに、代理入札やリモート入札が用意された。

10月23~24日にアメリカで開かれたRMサザビーズ・エルクハート・コレクション・オークションでは、会場に出向いての直接入札とリモート入札が併用で行われている。

エルクハート・コレクション・オークションは、ちょっとダークな経緯から開催された。

アメリカのエルクハートにある会社の創立者ナヒブ・カーンは、被害総額が1億ドルにも及ぶ詐欺罪で告発され自己破産。裁判所は、債権者への返済に充てるために、彼が所有する「エルクハート・コレクション」を売却するよう命じた。

ちなみにコレクションの総額は、約3100万ドル(約33億円)になるとみられている。

その「エルクハート・コレクション」は240台ものコレクターズカーと35台のモーターサイクル、膨大な量のレアパーツ、オートモビリアからなり、売却を任されたRMサザビーズがオークションを開くことになったのである。

コレクションの中身は多岐にわたり、日本の軽自動車も含まれている。

「軽」6台出品 スバル360ポリスカーも

「エルクハート・コレクション」には、王道といえるフェラーリ225、M・ベンツ300SLガルウイング、ランボルギーニ・ミウラといったコレクターズカーが含まれている。

これに加えて、ライトウェイト・スポーツ、ベーシックカー、ヴィンテージカー、ミリタリーカー、果てはトランスポーター用のトレーラー・トラックまでが含まれる。

その中で異彩を放っていたのがマイクロカー・コレクションだ。

メッサーシュミットやヴェスパ400、イセッタ、ロイド、ゴッゴモビルなどのヨーロッパ勢はもちろん、そこには日本の軽自動車も数多く含まれていたのである。

今回出品された「軽」は1960年マツダK360、1969年スバル360デラックス、1970年スバル360ポリスカー、1970年ホンダN600、1972年ホンダZ600、1993年スズキ・キャリイ・トラックの6台。

このなかで注目を集めたのがスバル360ポリスカーだ。

ニュージーランドのマナワツ・ワンガヌイ地方の運輸局で使われたという、見るからにポリスカーというカラーリング・装備が特徴だ。

しかし、フロントにニュージーランドのライセンスプレートが付くがリアにはなく、左側通行のニュージーランドで左ハンドルでマイルメーターという辻褄があわない部分がある。

RMサザビーズの車両説明でも詳細については触れられていないので、真相は不明だ。

また、ノーマルのスバル360デラックスは1968年モデルが輸出仕様が出品。形式は、K111の後に左ハンドルを意味する「L」を追加したK111Lとなる。

輸出用ホンダN600、Z600 マツダK360は日本仕様

ホンダN600、Z600についても見ていこう。

こちらは、当時アメリカに輸出された左ハンドルのアメリカ仕様。日本国内向けは360ccだったが、輸出用は600ccにスケールアップされ、前後ろのサイドマーカーランプはアメリカの規定に合致した大型のものが付くのがポイント。

両者ともレストア済で良好なコンディを保っている。

一方のマツダK360は、近年海を渡ったクルマ。日本の車検ステッカーが、ウインドウにそのまま残されていることからも分かる。

後期型のサイド・ウインドウが昇降するタイプで、オリジナルを良く保ちコンディションは極めて良い。

車検ステッカーの期限は2018年1月とある。

軽トラ「キャリイ」 作業用の車両か

スズキ・キャリイ・トラックだけはぐっと新しくなり、1993年のモデルだ。こちらも日本の車検ステッカーが残っている。

アメリカで軽トラックはコンパクトで小回りが利き、大きな荷物が積めることから人気が高く、「エルクハート・コレクション」でも作業車として使われていたと思われる。

このキャリイをチェックしてゆくと4WD版のトラックで、車検ステッカーは2019年6月になっているので、その前後に海を渡ったと思われる。

リアのライセンスプレート・ベースを仔細に見ると、汚れの中から「飛騨40」と読み取れた。

荷台のあおり扉に貼られたディーラーのステッカーは各務原市にあるショップのもので、岐阜県からインディアナ州に嫁いだことになる。

驚きの落札額は?

オークションを終えてみれば、6台中5台が予想落札額を越える人気ぶりだった。

最高落札額を記録したのは最も注目を集めていた1970年スパル360ポリスカーで、最終的に驚きといえる4万4800ドル(約471万円)で終えた。

ここにレストア済でコンディションの良い1970年ホンダN600と、恐らくアメリカにはこの1台だけと思われる1960年マツダK360が共に3万4720ドル(約365万円)で続いた。

ノーマルの1969年スバル360も人気を集め3万240ドル(約318万円)、1972年ホンダZ600もレストア済だったのだがN600の人気に一歩及ばず2万5760ドル(約271万円)に留まった。

唯一のネオクラシック・モデルとなる1993年スズキ・キャリイ・トラックも意外な額で落札された。4WDであることに加え、アメリカでの軽トラ・ブームを背景に7840ドル(約83万円)まで値を上げた。

日本なら同じ仕様が15~20万円で買えるだけに、いかに人気が沸騰しているかを物語る落札額といえる。

日本の軽自動車はアメリカでは考えられない超コンパクトで個性的なスタイリングを備え、ちゃんと走ることからコレクターズ・アイテムとして認められている。

そしてビッグネームのホンダ、マツダ、スバルが、その昔に送り出したマイクロカーという希少性もある。こうしたバックグラウンドがあるからこそ、軽自動車が高額で落札されるのである。

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みんなのコメント

11件
  • 太っちょのアメリカ人は乗れないだろう
  • アメリカ人から見た日本の軽自動車は良く出来たトミカのミニカー
    感覚で人気がある。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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