さらにモダンに生まれ変わったゴースト シリーズII
ロールス・ロイスは、史上最も先進的な技術を取り入れたドライバー志向のV12エンジン搭載モデル「ゴースト シリーズII」を発表しました。また同時にリア・スイート・スペースを170mm拡大したロングボディ版の「ゴースト エクステンデッド シリーズII」もラインアップに追加されました。進化したゴーストを見ていきます。
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顧客の要望やフィードバックを反映
2024年10月8日、ロールス・ロイス・モーター・カーズは、最も人気の高いモデル「ゴースト」をパワフルでドライバー志向、そしてエレガントなデザインに進化させた「シリーズII」を発表した。顧客の要望に応えて内外装がアップデートされ、先進的なソフトウェア・テクノロジーも利用できるようになった。
エクステリアはクリーンで現代的なデザインとなり、新しいテールランプを採用。このデザインは「スペクター」からインスピレーションを得たもので、サイドとリアの調和を図っている。縦型ライト・パネルには「RR」のモノグラムが控えめに刻まれた曲線のクローム・エレメントが描かれている。
22インチ、9スポークのホイールは、全面ポリッシュ仕上げまたは部分ポリッシュ仕上げから選択可能だ。どちらもゴースト シリーズIIの現代的でありながら時代を超越したデザインをエレガントかつモダンに引き立てている。
今回、既存の4万4000色を超えるプレタポルテ・カラーとビスポーク・カラー・サービスに加え、「マスティク・ブルー(Mustique Blue)」と名付けられたエクステリア・カラーが導入される。このメタリック仕上げはカリブ海の島の色彩と華やかな魅力を表現し、ガラスとマイカ・フレークを使用することで、熱帯の海に反射する陽光を思わせる煌めきを生み出している。このカラーは1929年式「ファントムII コンチネンタル」のプロトタイプを参考にし、同様の色味に仕上げられている。
インテリアはアナログとデジタルを融合
インテリアは、アナログとデジタル両方の巧みなクラフツマンシップを讃えている。新しいピラー・トゥ・ピラーのガラスパネルに収められたセントラル・インフォメーション・ディスプレイに、最新のSPIRIT(スピリット)オペレーティング・システムが組み込まれている。これにより、ビスポークによるパーソナライゼーションの範囲はハードウェアからソフトウェアへと拡張し、デジタルのインストゥルメント・ダイアルのカラーをインテリアやエクステリアに合わせてカスタマイズすることが可能になった。
併せて、エンターテインメントとコネクティビティも大幅にアップグレードされている。後部座席のリア・スクリーンには最大2台のストリーミング・デバイスを接続し、それぞれのスクリーンで独立してエンターテインメントを選択することができる。このインターフェースでは、マッサージ、冷暖房などのシート機能も管理することができ、あらゆるタイプのBluetoothヘッドフォンを後部座席のインフォテインメント・システムとペアリングすることができるほか、センター・コンソールに配されたUSB-C充電ポートや、アップグレードされたWi-Fiホットスポットを利用することができる。
ファブリックに竹から作られたデュアリティ・ツイルを追加
助手席側のセントラル・インフォメーション・ディスプレイと並ぶのは、新しいスピリット・オブ・エクスタシー・クロック・キャビネットだ。このガラスケースには、アナログ式のクロックとライトで浮かび上がるミラー仕上げのステンレス製スピリット・オブ・エクスタシーが収められている。
精巧なディテールに加えて、助手席側の全幅に広がるのは、イルミネーテッド・フェイシアだ。ゴースト シリーズIIでは星空からインスピレーションを得て、タイムラプスの天体写真を彷彿とさせるデザインで夜空の動きを捉えている。
「グレー・ステンド・アッシュ」と名付けられたウッドパネルは手作業で染色され、微細な金属粒子を加えることで、独特かつ非常に現代的な煌めきを生み出している。この技術の開発には4年以上の年月が費やされた。
ファブリックのラインアップには、竹から作られた新しいレーヨン生地「デュアリティ・ツイル」が追加された。ツイル織りのテキスタイルには、ブランド創業者たちのイニシャルである「R」を重ね合わせて抽象的にデザインしたデュアリティ・グラフィックを刺繍。セーリング・ヨットのロープが織り成すラインを想起させるこのデザインにも、フレンチ・リビエラへのさりげないオマージュが込められている。
デュアリティ・ツイルは、現在グッドウッドのホーム・オブ・ロールス・ロイスに拠点を置く熟練の織物職人とのコラボレーションによって誕生し、その開発には1年以上を要した。インテリアの全域に施されたデュアリティ・ツイルには、最大220万のステッチと約17.7kmに及ぶ糸を使用し、20時間もの複雑な工程を経て完成される。ベースとなるテキスタイルは、ライラック、チョコレート、ブラックの3色で展開され、糸は51種類の異なる色から選択できる。
V型12気筒ツインターボを搭載
パワートレインは、静粛性に優れた6.75L V型12気筒ツインターボ・ガソリン・エンジンと、8速ギアボックスが搭載される。最大トルクはアイドリング回転数をわずか600rpm上回る1600rpmで得られるため、1つのギアが途切れなく続く感覚と、ロールス・ロイス特有の「ワフタビリティ(軽やかに漂うような乗り心地)」が生まれる。
プラナー・サスペンション・システムには、フロント・サスペンション・アセンブリの上部に独自のアッパー・ウィッシュボーン・ダンパーユニットが組み込まれている。このユニットは、連続可変の電子制御ショックアブソーバーやセルフレベリング機構付きの大容量エアストラット・アセンブリと連動し、ロールス・ロイス特有の魔法の絨毯のような乗り心地「マジック・カーペット・ライド」をさらに安定的かつエフォートレスに表現。5リンク式リアアクスルには、同様のセルフレベリング機構付きの大容量エアサスペンション技術を採用している。
最上級のリアスペースを演出するゴースト エクステンデッド シリーズIIが登場
最上級のリア・スイート・スペースを求める顧客のために、「ゴースト エクステンデッド シリーズII」が追加された。このロングボディ版はエレガントなシルエットはそのままに、リア・ドアと開口部を拡張することで、リア・スイート・スペースを170mm拡大している。
ゴースト エクステンデッド・シリーズIIの最高峰のスタイルを追求する顧客には、プライベートジェットのキャビンを想起させるリクライニング式のセレニティ・シートも注文できる。またゴースト シリーズIIと同様、シャンパン・クーラーも選択可能だ。ロールス・ロイスのスペシャリストがマスター・ソムリエに相談したところ、ノン・ヴィンテージのシャンパーニュの最適な提供温度は平均6℃、ヴィンテージのシャンパーニュの場合はおおむね11℃とのこと。このアドバイスを受け、クーラーは6℃と11℃の2種類の冷却モードで作動する。
AMWノミカタ
ゴースト シリーズIIが発表されたが、至るところにロールス・ロイスらしいこだわりの世界が反映されていて驚く。本社に繊維専門の職人がいたり、マスターソムリエの意見を参考にシャンパンクーラーの温度が設定されたり、4万4000色のカラーパレットが用意されていたり、何事にも一切の妥協を許さない姿勢を感じることができる。
今回のシリーズIIのデザインは、先代のデザインを踏襲しつつも、さらにモダンでシンプルに生まれ変わったような気がする。ロールス・ロイスでは積極的に顧客からのビスポークオーダーを受け付けているが、まるで最後の仕上げを顧客にしてもらうためのキャンバスだけを提供しているかのようで、じつにクリーンで潔い。
メーカーのお仕着せの仕様を買うのではなく、ビスポークオーダーをすることまでが、ロールス・ロイスを購入するプロセスに盛り込まれているようだ。顧客のビスポークオーダーが増えれば増えるほど、メーカーは市場のトレンドを敏感に感じ取ることができ、さらなるモデルのデザインにその要素を反映する。じつに有意義な連鎖がはじまるであろう。
【動画】内外装をアップデートしたロールス・ロイス「ゴースト シリーズ II」を観る
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