もくじ
決勝・前編
ー ひとことでいえば「いいヤツ」なCX-5
ー SUVらしい「無敵感」満点のXC40
ー ホットなハンドリングのX1
ー スカンジナビアンの快適性は秀逸
決勝・後編
ー プレミアム勢に劣らぬマツダのクオリティ
ー エンジンパワーは力関係を変えるか
ー 三者三様の乗り味
ー 勝因は目的に見合った仕上がり
プレミアム勢に劣らぬマツダのクオリティ
これが後席と荷室の広さになると、マツダ(写真左)がボルボを打ち負かす。一方でBMW(写真右)は、一般的なファミリーハッチにも、スペースでは敵わないように思える。X1のインテリアは、他の2台より狭く感じられ、前後の席感も思うより近い。
疑いの余地なく、大型SUV並みの広さと快適さを求めるなら、XC40が一番だ。マテリアルのリッチさやクオリティ、技術的な洗練性、豪華さといった面でも、XC40が抜きんでている。この分野ではプレミアムブランド同士、つまりはミュンヘンとイェーテボリの一騎打ちを予想するだろうが、広島代表も善戦をみせる。CX-5のインテリアトリムは頑丈で、コラムレバーやウインドウスイッチ、ヒーターの操作スイッチなどの手応えはX1と同等。レザーの柔らかさやステッチの丁寧さ、上質な装飾のタッチも、BMWに引けを取らない。
ただし、インフォテイメント系の機能では、プレミアムブランド2台が優位だ。ボルボとBMWに備わる車内Wi-Fiやスマートフォンのミラーリング機能が、マツダにはない。とはいえ、それを差し引いても、X1よりCX-5に乗って時を過ごしたいと思うはずだ。相手がボルボとなると、また事情は違ってくるが。
エンジンパワーは力関係を変えるか
では、いざ走り出してみるとどうか。パワートレインの差が、3台のパワーバランスを変えるのだろうか。そう、その点ではBMWが、最も強力かつ柔軟で、たいていにおいて最も優れている。この4気筒ディーゼルは3500rpmを超えても、この手のエンジンでは異例ともいえるほどよく回る。それでいて、洗練性も実燃費もライバルたちより妥協しているわけではないのが、また素晴らしい。組み合わされる8段ATに関しても、低速でトロトロ進んでいようが、フルスロットルをくれようが、その動きは上々だ。
このエンジンには感服せずにいられないが、はたしてコンパクトSUVにここまでの力強さが必要だろうか。そこまで求めるのはさもしい気もするのだが、ライバルに190psを大きく超えるディーゼルがほとんどないことを考えると、X1は魅力的な選択肢とも思えてきて悩ましい。
XC40は、ちょうど190psだが、それで苦戦することはないように思える。トルクも十分だが、それ以上にペダルのプログレッシブなレスポンスや運転のしやすさが利いているのだ。なにより、必要以上に急ごうという気にならない。
CX-5はどうか。さらに20psかそこらを上積みしてもいいのではないか。しかし、そう思う理由はパワー不足を感じるからではなく、それも余裕でこなすだろうシャシーの存在と、われわれの貪欲さに他ならない。
三者三様の乗り味
乗り心地とハンドリングについていえば、X1とXC40のそれは全く対極にある。BMWのアダプティブ・スポーツサスペンションは路面の粗いエッジを打ち消してはくれるが、基本的には路面の感触を手元へコンスタントに伝え続ける。まるで大柄なハッチバックを思わせるハンドリングだ。
グリップはハードで、コーナリングは速く、ロールは少なく、フロントタイヤへ依存しすぎない。バランスの取れた挙動を保ち、敏捷で、まだまだスピードを上げられそうな感覚だ。快適でもあるのだが、それはスポーティなハッチバックの範疇を出ない。ややノイジーだが、これはMスポーツ仕様のランフラットタイヤ装着車であることに起因するものだ。
CX-5はもっと普通の、典型的なSUVの走りをみせる。ステアリングの手応えも速さも最適化され、フィールはナチュラルで直観的だ。サスペンションは乗員すべてが快適に過ごせるうえに、ドライビングも楽しめる。ティグアンやクーガより優れているのだから、マツダの仕事ぶりに拍手を贈りたい。ただし、バンプがシャープになると、ホイールがドタバタし始めるのだけが残念だ。
XC40はいかにもボルボらしく、歓迎せずにいられないほど実用重視ド真ん中なクルマだ。乗り心地はソフトで、サスペンションは無理な走りをしなければ、路面の傷や轍もほとんど感じさせないし、そういうペースを保つのも容易だ。
B級道路を快適に流せる速度を数km/h上回れば、穏やかな上下動とゆったりとしたロールや、不快でない程度の周期的なハーシュで、それをはっきり感じさせてくれる。「スローダウンしろ、そんなに飛ばすのはこのクルマのガラじゃない」という合図というわけだ。
勝因は目的に見合った仕上がり
このボルボのようなキャラクターのダイナミクスは、スポーティな走りを好むAUTOCAR読者には退屈に思えるだろう。しかし、他の要素が全てイコールなら、ハンドリングに優れたクルマを選んできたわれわれが選んだのはXC40だった。そして、その理由の少なくとも一部に、このクルマのハンドリングへの評価があるのも確かだ。
XC40は素晴らしく成熟していて、滑らかで洗練され、リラックスして乗れるクルマだ。それはこの比較テストに決着をつけるに十分で、自分で手に入れたいと思うほどだった。掛け値なしに。真面目な話、プレミアムSUVにあとは何を望むというのだ。
BMWは、ランフラットに起因するNVHの粗さやハッチバックと大差ないスペースにより、今回は3位に留まる。マツダは、コストパフォーマンスと実用性、運動性の円熟味によって2位に食い込んだ。しかし、その目的に見合ったダイナミクスが、ボルボに勝利をもたらす決め手になった。そしてこの結果は、2018年の最もホットなできごとのひとつだと思う。
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