もくじ
どんなクルマ?
ー ステップワゴン ハイブリッド導入
ー 直動機構とは? 短所改善のキモ
どんな感じ?
ー トルクの立ち上がり制御が〇
ー i-MMD ミッション車に似た余力感
「買い」か?
ー 1.5ターボ車 競合のヴォクシー どう考える?
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どんなクルマ?
ステップワゴン ハイブリッド導入
2ℓ級の1BOX型ミニバンは、今やファミリーカーの代名詞と言っていいだろう。5代目となる現行ステップワゴンは親しみやすいスタイルや居心地、乗り味を強化した先代の路線を踏襲し、同カテゴリーの主市場となる子育てファミリー層を見据えて開発されている。
今回のMCではAEBS(Advanced Emergency Braking System)、ACC、半自動操舵LKAなどを含むホンダセンシングが全車標準化されたが、スパーダ系のみの変更が主となる。中でも注目されるのは2ℓハイブリッド車の追加である。
スパーダHVのパワートレインは、アコードやオデッセイにも導入されている直動機構を備えたシリーズハイブリッドのi-MMD。シリーズハイブリッドは日産流に言えば「e-パワー」であり、エンジンを発電機として用い、その電力で電動モーターを駆動するのが特徴。パワートレインの大まかな機構は電気自動車に発電機を載せたレンジエクステンダーと変わらないが、外部からの充電機構がないので電気自動車には分類されない。
直動機構とは? 短所改善のキモ
シリーズハイブリッドは機構面から変速機能を持たない電気自動車と同様の長短があり、中でも高速域での効率低下が課題となる。i-MMDはその短所を改善するため、高速域専用にエンジンの駆動力を直接駆動輪に伝える駆動機構を備えている。
これにより高速域では
・エンジン発電/電動のシリーズ方式
・エンジンと電動モーターのパワーを併用するパラレル方式
・エンジン停止でも電動モーターのみで行う電動走行
の3パターンの駆動方式を状況によって使い分けることになる。ただし、エンジン直動機構が作動するのは巡航などの比較的負荷の低い領域に限定されている。結果、JC08モード燃費は従来の1.5ℓターボ車に対して約56%アップの25.0km/ℓとなり、市場で真っ向からぶつかるヴォクシー系HVを1.4km/ℓ上回った。
なお、ハイブリッド車はホンダセンシングもグレードアップされ、ACCに停車発進も行う渋滞追従機能が追加され全車速型となった。
どんな感じ?
トルクの立ち上がり制御が〇
ハイブリッドの導入は燃費の向上が一番の魅力になるが、動力性能の向上も大きな長所である。ざっくりとした運転感覚では2.5ℓ級に勝るとも劣らない力感を示した。
低中速域では電動モーターの特性を活かしたドライバビリティが印象的だ。発進ではアクセルを軽く踏み込んだ瞬間にぐいっと動き出す。トルクの立ち上がりは滑らかに制御されているので、極低速のコントロール性もいい。走り出しても加速応答性のよさが踏み込み量の減少にも繋がり、同様の走行条件でもターボ車より浅く穏やかなペダル操作で済んでしまう。
駆動モーターへの電力供給はエンジンと駆動用バッテリーから行うが、走行中はエンジン稼働が基本となっている。当然、ペダル操作に対するエンジンの発電量はタイムラグがあるが、発電量の応答遅れ分は駆動用バッテリーが充当させるので、電気自動車同様にペダル操作にリニアな加速を示すのだ。
この時のエンジン制御も見所のひとつ。低中速域ではエンジン直動は行っていないのに、エンジン回転数の変化はまるでCVT車のようなのだ。メリハリを感じる回転変化は意図的な制御を行っている証拠だが、ともかく「勝手に発電している」感じがしない。フィットなどが採用するDCTを用いたパラレル方式のi-DCDほどではないが、内燃機車のドライブフィールを好むドライバーにも違和感少なく扱えるのもホンダらしいこだわりだ。
i-MMD ミッション車に似た余力感
エンジン直動走行はミッション車のトップギアに相当する変速比となるため、80km/h以上がターゲット速度域。直動に入ってからの減速では60km/h近くまで維持するが、実質的には非実用域である。
直動に入るとエネルギーフローインジケーターの中央に歯車アイコンが表示。この状態ではエンジン回転数は速度に比例するので、運転感覚は多段ミッション車のトップギア走行と同じである。巡航や緩加速、緩やかな登坂では直動を維持し、要所要所で駆動バッテリーからの電動アシストが入る。また、緩減速や降坂で負荷が減少すると余剰となったエンジン出力で発電を行う。この辺りの制御はi-DCDとよく似ている。
直動の解除は負荷軽減による電動走行への移行と急加速時。急加速では直動を解除し、大電力を発電させた電動モーター走行となる。AT車のダウンシフト急加速を想像すれば分かりやすい。もっとも、100km/h近い巡航で解除される頻度は少なく、ふつうに運転していれば直動が維持される。
低く安定した回転数で稼働するエンジンと切れのいい加減速反応。大トルクのミッション車にも似た余力感はi-MMDの特徴のひとつであり、高速巡航燃費の改善とともに動力性能面での上級設定モデルであることをドライバーに実感させてくれる。ACC任せの高速巡航ではほぼ100%直動状態。エンジン音も穏やかであり、運転支援機能とのコンビで走りの車格感は1ランクアップだ。
「買い」か?
1.5ターボ車 競合のヴォクシー どう考える?
20.7kg-mという最大トルクを1600~5000rpmで発生する1.5ℓターボ(写真青)は実動力性能でNA2ℓ車を上回る。とくに高速巡航でその効果は大きい。しかし、エコ性能に優れたダウンサイジングターボながら実燃費でアドバンテージがほとんどない。追加されたハイブリッド車は動力性能でも燃費でもターボ車を上回り、2ℓ級1BOX型ミニバンでもトップクラスである。
ターボ車とハイブリッド車の価格差は40万円強。相当なヘビーユーザーでも燃費で元を取るのは難しく、純粋に経済性だけで選ぶには無理がある。また、ハイブリッド車がスパーダに限定されているため、スパーダの内外装や引き締められた専用サスチューンに魅力を感じれば別だが、標準系を好むならスパーダ系との差額の20万円弱も上乗せされるので、費用対効果はさらに厳しい。
一方、ハイブリッドでライバル関係になるヴォクシーとの差額はおおよそ20万円。スパーダの「スペシャリティ」分と全車速ACC、半自動操舵LKAのアドバンテージを考えればほぼ同等。嗜好的な差異あるいはキャビンユーティリティが両車の選び分けでは主要因となるが、高速域の余力感や巡航燃費ではスパーダに分がある。
標準系へのハイブリッド車の展開が望まれるが、いずれにしても燃費と動力性能という1BOX型ミニバンのウイークポイントを改善するにはi-MMDは極めて有効。運転支援機能の充実もあって、長く乗って元を取るなら、初期投資が嵩んでもハイブリッド車は魅力的である。
ホンダ・ステップワゴン・スパーダ・ハイブリッドG EXホンダセンシング
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