来シーズンはさらに大きく進化する
2020年に初開催となった「オール・ジャパン・エッセ・カップ(AJEC)」。12月12日、2021シーズン最終戦が愛知県にあるキョウセイドライバーランドにて開催となった。2シーズン目となる今季は、昨年より1戦増やしたシリーズ4戦で開催。また、その名の通り、ダイハツ・エッセだけで行われるシリーズ戦であるものの、ほかの軽自動車ユーザー、またコンパクトカー・ユーザーにも門戸を広げる形で対象を拡大して開催となった。
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AJECオリジナルのSSジムカーナとは?
AJECは中部地方を舞台とし、いろいろなコース、つまりさまざまな競技カテゴリーで開催することがその特徴のひとつ。今シーズンも、開幕戦のパイロンジムカーナ(5月2日/岐阜県恵那モータスポーツランド)、林道トライアル(6月6日/長野県木曽地方)、サーキットトライアル(10月16日/三重県モーターランド鈴鹿)、そして今回のSSジムカーナ(12月12日/愛知県キョウセイドライバーランド)となる。
SSジムカーナと聞きなじみのない言葉が使われているが、これは、ラリーのSS(スペシャルステージ)のように連続してジムカーナの走行を行うことを指すAJECのオリジナル名称。通常、設定されたコースをドライバーが覚えて、そのコースでタイムアタックを2~3回行ったら、次のレイアウトのコースに移る、というジムカーナ競技に対し、このSSジムカーナは競技区間を2本一気に走行してしまうというモノ。ふたつのコースを一気に覚えなければならないが、タイム計測は2本を通しではなくそれぞれ別々に計測をしているので、どちらかをSSをミスしても、もうひとつのSSでタイムを残すことは可能だ。
今回の舞台は、全日本ジムカーナ選手権なども行われる愛知県にあるキョウセイドライバーランド。基本的には自動車教習を広くしたようなコースと言えるが、ここで1本1分程度のコースをSS1~4として4本設定し、SS1~2、そしてSS3~4を通しで走行することとなった。
最終戦はいつも以上の激しい一戦に
ダイハツ・エッセは3つのクラスに分けられている。車両のカスタムによってE1およびノーマルに近いE2の2クラス。そして車両の規定とは別に初心者やエンジョイしたい人向けのE3クラスというクラス分け。他の車両も参戦が可能ということで、「krt.66」というエッセ以外の軽自動車、1.6Lクラスまでのコンパクトカーも参戦が可能だ。
今回は全27台がエントリー(内20台がエッセとなる)。なんといってもワンカーアタックの競技のため、車両をシェアすればダブルエントリー、トリプルエントリーも可能となっているのも特徴のひとつ。E2、E3クラスはすでに今シーズンのタイトルが確定しているが、今回12台がエントリーしたE1クラスはまだタイトルが確定しておらず、今回はシリーズ初の横転クラッシュが発生(ドライバーは無傷)してしまうなど、し烈な争いが展開されることとなった。
そのタイトル争いでは、17ポイントを獲得していてポイントリーダ-の西脇裕一選手(#10 KRT・YHT甲信飯田・ウエストSR・SP青エッセ)、2ポイント差の15点で2番手につけているのが行徳 聡選手(#11 K’sパープルエッセ)、そして12ポイントを持つ武藤功二選手(#8 K’s BRIG BILSエッセ)が続く。
ランキング4番手の河合勇喜選手、同5番手の島 拓海選手は今回不参戦となっており、優勝が9点、2位が6点、3位が4点となるため、実質この3名の戦いとなった。ところが、このシリーズランキングトップの西脇選手は、前戦のエンジンブローの修理が間に合わず、今回はなんとランキング3番手につけている武藤選手と車両をシェアしての参戦となっている。
このAJECの走行は2本アタックして、そのベストタイムでの順位をポイントで競う方式となっている。このSSジムカーナでも、ランキング上位の選手、そして今シーズンは前戦から参戦となったイージュ選手(#6 やまびこっ!大福エッセ)がトップタイムを獲りあう接戦となった。
走行1回目では、武藤選手がSS1トップ(51.76秒)、西脇選手がSS2トップ(60.08秒)で、合計タイムでは西脇選手(112.36秒)が1本目でトップに立つ。続く2本目では、SS1で武藤選手がまたしてもトップ(51.88秒)。SS2は西脇選手がパイロンタッチで後退し、イージュ選手(#6 やまびこっ!大福エッセ)がトップ(60.69秒)に立った。このSS1&SS2は、1トライ目のタイムで西脇選手がトップ、2位も1トライ目のタイムで武藤選手が2位。そして2トライ目の合計タイム113.83秒でイージュ選手が3位に入った。シリーズランキング2番手につけている行徳 聡選手(#11 K’sパープルエッセ)は4位を獲得した。
そして、コースレイアウトを変更して臨んだSS3&SS4では、1本目で、SS3は武藤選手(66.76秒)、SS4はイージュ選手(67.72秒)がトップに立つ。1本目の順位は、イージュ選手、武藤選手、西脇選手、行徳選手の順。続く2トライ目ではSS3、SS4ともにベストタイムでイージュ選手がトップとなり、武藤選手、西脇選手がこれを追う形となり、トップ3が同点という結果となった。そのため、この3選手によるサドンデス(優勝決定戦)が行われることに。
ここで西脇選手は「タイトル確定したので、借り物の武藤選手の車両を壊しちゃいけないんで」と、このサドンデス進出を辞退。武藤選手とイージュ選手の対決となったのだが、武藤選手のマシントラブルが発生し、あっさりイージュ選手が優勝を決めることとなった。
シリーズタイトルは、西脇裕一選手(#10 KRT・YHT甲信飯田・ウエストSR・SP青エッセ)がE1クラスを制したことになる。続くシリーズ2位には、今回2位に入った武藤功二選手(#8 K’s BRIG BILSエッセ)と今回4位になった行徳 聡選手(#11 K’sパープルエッセ)が同着での2位となった。
学生最後の年にクラスチャンピオン
E2クラスでは、シリーズタイトルを決めているゆっぴ選手が無敗の4連勝で負けなしのクラスチャンピオンに輝き、学生生活最後の年を締めくくった。同じくE3クラス鈴木博司選手も同様に無敗でシリーズを締めくくっており「来年はE1クラスに挑戦したいな」とコメント。
これで今シーズンすべての競技が終了したが、今回は、試走というカタチで競技の合間にアバルト4台がこのキョウセイドライバーズランドにやってきて、AJECのSSジムカーナに設定されたコースを同様に走る機会が設けられた。今回は、参加したアバルト・オーナーたちはこの走行を楽しんでいたようだが、この4台は「チーム東海トリコローレ」のメンバー。そのなかでもサーキットを走ってみたい、走っていこうというこのアバルト・オーナーたちのネットワークに、このAJECがジョイントする形で2022年シーズンに組み込まれていく可能性があるという。
ほかにも来シーズンに向けた情報がエントラントに伝えられた。2022年シーズンは、大阪の舞洲と愛知の美浜サーキットを追加する形で、年間6戦の開催を検討しているという。また、今シーズン同様、ダイハツ・エッセを中心としつつもエッセ以外にも門戸を広げたシリーズとなり、今回試走をしたアバルトオーナーとのコラボで「アバルトカップ」を設立。ほかにも「ユーロクラス」、「クラシックカークラス」、「ATクラス」などのクラスの増設を含めて検討するとしている。来シーズンに向けた詳細およびスケジュールは近日中に発表される。
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みんなのコメント
あの角っとしたのより売れると思うけど?
上げても下げてもかわいいと思うし