現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > アルファードの「バカ売れ」は残価設定で「超お得に買える」だけが理由じゃない! 販売店が「どうしても売りたい」裏事情

ここから本文です

アルファードの「バカ売れ」は残価設定で「超お得に買える」だけが理由じゃない! 販売店が「どうしても売りたい」裏事情

掲載 更新 295
アルファードの「バカ売れ」は残価設定で「超お得に買える」だけが理由じゃない! 販売店が「どうしても売りたい」裏事情

 残価設定ローンでノアヴォクとほぼ同じ支払額で乗れる

 アルファードの爆売れがとまらない。自販連(日本自動車販売協会連合会)の統計をもとに、2020年9月から2021年2月までの直近半年における累計販売台数は、5万8718となり、月販平均台数は約9786台となった。2021年1月と2月の登録車のみでの単月通称名(車名別)販売ランキングでアルファードより売れているのが、ヤリスシリーズ(ヤリスクロス含む)とルーミーだけというのは、ある意味異常事態といってもいい。

日本では敵なしのトヨタ アルファード! 世界の「オラオラ顔」ライバル車5選

 なぜここまで売れるのか? ということについては、筆者もたびたび考察してきたが、「なぜここまで売りたいのか?」については、高収益車種でありディーラーやセールスマン個々にとっては台当たり利益がハンバではないというところはわかる。だが業界事情通は、「もっと奥深いものがありそうだ」と、次のように語ってくれた。

 アルファードは間もなく改良を行うが、ここ数カ月だけで見ても売れ筋は特別仕様車のS“TYPE GOLD”となっている。この特別仕様車の車両価格は424万円(税込み)。アルファードを購入するひとはローンを利用するケースが圧倒的に多いのだが、5年払いで残価設定ローンを組むと、残価相当分として支払い最終回分として据え置く金額は200万円、つまり5年後の残価率は約50%となっている。5年後の残価率が50%というのは、いまどきの日本車ではかなり高め、据え置き額が高いことにより、月々の支払い額は格下のヴォクシー並みになり、これが人気に拍車をかけている。

 ここまでみると、ユーザーメリットばかりが高そうにも見える。しかし「支払い最終回分、つまり据え置いた200万円の精算は当該車の返却、トヨタの新車への乗り換えをすれば、現金での精算は必要ありません。ほかに現金での精算以外では再ローンを組んで乗り続けることもできます。ただ、再ローンは返済期間が2年のみなので、単純に据え置いた200万円を24回に分割すると、1回あたり約8万3000円となります、つまり、月あたりの返済額は8万円をオーバーするものとなるので現実的とはいえません」(前出事情通)。

 つまり、支払い最終回の精算について現実的な方法は、車両返却かトヨタの新車へ乗り換えるという2者択一となってしまうのである。ただ、ここで「アルファードは中古車人気もかなり高いので、買い取り専業店へ売却すればいいのではないか」と考えるひともいるだろう。

 これだけ販売台数が増えるとリセールバリューが下がるのは必至

 これについては、現場のセールスマンが興味深い話をしてくれた。「確かに現状ではアルファードのリセールバリューはかなり高いものとなっております。ただ、2020年9月以降から爆売れ状況が続いています。私の店舗のある地域の道路ではアルファードがN-BOX並みに溢れています。ここまで売れてしまうとリセールバリューのダウンは避けられないですね。3代目プリウスも似たような道を辿りましたが、そのデジャブをいま見ているようです」と語ってくれた。

 つまり、現状売れ筋のS“TYPE GOLD”あたりではとくに、5年後の残価率50%は、一般的な中古車市場では今後維持できないだろうと、このセールスマンは語ってくれた。とはいっても、トヨタの残価設定ローンは残価保証型となるので、内外装の状況や走行距離などによる減点での追加払いがあっても、仮に中古車市場の相場が下がったとしても、設定残価は維持されることになる。

 ここまで売れると、いままでのリセールバリューを維持するのは難しくなる可能性はかなり高い。そのため、買い取り店への売却で残債整理をすると、足が出るリスクが高まっているともいえる。つまり、乗り換え車種がアルファードとは限らないが、次の乗り換えもトヨタ車へとセールスマンが導きやすい環境が整っているともいえるのである。

 市場自体の縮小傾向に歯止めがかからないいまの日本市場では、新たにライバルメーカー車に乗るひとに、自社の新車を買ってもらうことも当然大事だが、現状で抱えている自社客を可能な限り他メーカー車に流れないように囲い込むことのほうが優先度合いは高まってきている。いまどきは免許証の自主返納などで、自社客の減少に歯止めがかからない状況になっているのである。

 トヨタがどこまで戦略的にアルファードの爆売れを仕掛けたのかは定かではない。ただ、深読みすると、かなり計画的に進められているのではないかとも考えることができる。

こんな記事も読まれています

全長4m級! 日産新型「小さな高級SUV」登場! 斬新グリル&豪華内装がスゴい! めちゃ上級な「ノートシリーズ」発売
全長4m級! 日産新型「小さな高級SUV」登場! 斬新グリル&豪華内装がスゴい! めちゃ上級な「ノートシリーズ」発売
くるまのニュース
アウディスポーツ最強の640馬力、『RS Q8』改良新型に「パフォーマンス」…欧州設定
アウディスポーツ最強の640馬力、『RS Q8』改良新型に「パフォーマンス」…欧州設定
レスポンス
PHEVとしての完成度も高いメルセデスAMGのスポーツセダン「C63S Eパフォーマンス」
PHEVとしての完成度も高いメルセデスAMGのスポーツセダン「C63S Eパフォーマンス」
@DIME
水平分業はどうもダメだった話【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
水平分業はどうもダメだった話【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
グーネット
児玉、菅原にオージーライダーのマックスが加入! 4回目の鈴鹿8耐で上位を目指すTeam KODAMA
児玉、菅原にオージーライダーのマックスが加入! 4回目の鈴鹿8耐で上位を目指すTeam KODAMA
AUTOSPORT web
事故時の正確な場所を把握できる!GPSを搭載したネオトーキョーのミラー型ドライブレコーダー「ミラーカム3」
事故時の正確な場所を把握できる!GPSを搭載したネオトーキョーのミラー型ドライブレコーダー「ミラーカム3」
@DIME
まさかのMrs.GREEN APPLEが登場! 話題の新型車を語る!? どこが気に入った? ホンダ新型「フリード」の魅力とは
まさかのMrs.GREEN APPLEが登場! 話題の新型車を語る!? どこが気に入った? ホンダ新型「フリード」の魅力とは
くるまのニュース
[サウンドシステム設計論]高度な「パッシブシステム」を組んで1ランク上のサウンドを満喫!
[サウンドシステム設計論]高度な「パッシブシステム」を組んで1ランク上のサウンドを満喫!
レスポンス
【MotoGP】バニャイヤが直面する新たな課題……マルケス加入後のチームの手綱を握れるか? 「和を乱すな」と今からアピール
【MotoGP】バニャイヤが直面する新たな課題……マルケス加入後のチームの手綱を握れるか? 「和を乱すな」と今からアピール
motorsport.com 日本版
スペインGPで大失速のRB、オーストリアGPのFP1で2台のマシンで比較テスト実施へ。角田裕毅「明確な説明が得られればいいんですが……」
スペインGPで大失速のRB、オーストリアGPのFP1で2台のマシンで比較テスト実施へ。角田裕毅「明確な説明が得られればいいんですが……」
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型ヴェゼル」登場! めちゃ精悍「“スポーティ”仕様」がカッコイイ! デザイン刷新の「フル無限カスタム」も設定
ホンダ「新型ヴェゼル」登場! めちゃ精悍「“スポーティ”仕様」がカッコイイ! デザイン刷新の「フル無限カスタム」も設定
くるまのニュース
VW新型「ゴルフR」世界初公開! 333馬力・最高時速270kmの最強ゴルフは「光るVWエンブレム」初採用
VW新型「ゴルフR」世界初公開! 333馬力・最高時速270kmの最強ゴルフは「光るVWエンブレム」初採用
VAGUE
マツダとヤマハ発動機、認証不正で出荷停止のロードスターRFなど 7月以降に順次生産再開へ
マツダとヤマハ発動機、認証不正で出荷停止のロードスターRFなど 7月以降に順次生産再開へ
日刊自動車新聞
VWゴルフGTIのセダン版『ジェッタGLI』に改良新型、228馬力ターボに6速MT…米国発表
VWゴルフGTIのセダン版『ジェッタGLI』に改良新型、228馬力ターボに6速MT…米国発表
レスポンス
【公式動画】アストンマーティン F1アロンソの熱望から誕生したQ By Aston Martinビスポークのヴァリアント・ヴェラールが新たな系譜に加わる
【公式動画】アストンマーティン F1アロンソの熱望から誕生したQ By Aston Martinビスポークのヴァリアント・ヴェラールが新たな系譜に加わる
Auto Prove
トヨタ「アルファード/ヴェルファイア/プリウス」オーナーに朗報! 純正ナビのテレビ視聴やナビ操作が便利になるTVキットが新登場
トヨタ「アルファード/ヴェルファイア/プリウス」オーナーに朗報! 純正ナビのテレビ視聴やナビ操作が便利になるTVキットが新登場
Auto Messe Web
3週間ぶりのMotoGP! オランダGPのFP1はバニャイヤがトップタイム。来季チームメイトのマルケス2番手続く
3週間ぶりのMotoGP! オランダGPのFP1はバニャイヤがトップタイム。来季チームメイトのマルケス2番手続く
motorsport.com 日本版
ブガッティの新たなハイパースポーツカー「トゥールビヨン」が登場。V16エンジン+3モーターで1800psを発生!
ブガッティの新たなハイパースポーツカー「トゥールビヨン」が登場。V16エンジン+3モーターで1800psを発生!
Webモーターマガジン

みんなのコメント

295件
  • 残クレで車を買うなんてディーラーが1番儲かるだけ
    普通に銀行などで融資してもらってローン組むべき
  • 残価で金持ちみたいに見栄を張るのはマジでダサい、見合った車を買わないと。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02199.0万円

中古車を検索
アルファードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02199.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村