ベストカー編集部には謎のセクションが存在している。それが今回の主役となる『ベストカー商品企画室』だ。
この商品企画室では、ありとあらゆるものの商品企画を請け負っている。手前みそながら、クルマの商品企画もこれまで手掛け実際に商品化されたものもある。自慢になるので具体的な車名はここではあえて伏せる。
不遇ジャンルに救世主? でも…儲かるの…?? セダン専門買取店その名も『セダンラボ』
今回は、ユーザーの声がダイレクトに届く販売会社に精通し、緻密なマーケット分析で定評のある自動車評論家の渡辺陽一郎氏をアドバイザーに招聘し、『こんなクルマ、仕様が欲しい』と漠然と考えているようなことを、読者のみなさんに提案してみたい。
今回は現実的で超マジメなもの、少々突飛なものなど、合計15の提案を渡辺氏に評価してもらった。さらに渡辺氏からも9モデルの案を披露してもらう。
※本稿は2021年4月のものです。本企画で提案したクルマにつきましてのお問い合わせはご遠慮ください。
文/ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年5月10日号
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■Section1:ベストカー編集部渾身のニューモデル企画提案15選
ベストカー「今回はよろしくお願いいたします」
渡辺「この手の企画はさぁ、まじめに考えるとアラだらけだから期待していなかったけど、意外にビビッと心に刺さるものがあったね。特に……」
ベストカー「ストップ!! 冒頭でいきなり結論を出すのは禁じ手ですよ。色眼鏡で見られると私たちの提案が台無しです。フ~、危ない危ない」
* * *
●提案1:日産ノートに安価なガソリンモデルを設定!
絶対に人気が出ること間違いなし。欲しい人わんさか。ヤリス&ヤリスクロスを抜くのも時間の問題!? ガソリンモデルがダメなら、e-POWERのエンジンを1Lにした廉価版が欲しいところ。
・渡辺陽一郎の評価…ノートのノーマルエンジン車は絶対必要。充実装備で170万円前後なら、登録台数も1万台に増える。上級のオーラより必要!
日産ノート
●提案2:レクサスNXにNX Fを新設定
欧州のスポーツタイプSUVに対抗するならこれしかない! RC Fはいいクルマですよ、でもねNX Fのほうが絶対に数が出るハズ。SUVでのFモデルをどう仕上げるかも見てみたい。
・渡辺陽一郎の評価…SUVは趣味性が強いから、ダウンサイジングとは逆の上級移行も必要なこと。SUVのFモデルは人気車になり得る
レクサスNX
●提案3:ホンダフィットに1Lターボを搭載
従来のRSに匹敵する走りの仕様は、開発中のモデューロXになるのかもしれないが、1Lターボ+6MTの魅力は捨てがたい。これはスイフトスポーツのライバルになり得る逸材ね。
・渡辺陽一郎の評価…NESS(ネス)とは違う正統派のRSは必要。1Lターボ+6MTは適度なパワーなのもいい。1.5Lターボの「タイプR」も欲しい!
ホンダ フィット
●提案4:トヨタハリアーに3列シートモデルを設定
レクサスRXのように3列シートモデルを追加すれば、ミニバンオーナーも絶対飛びつくだろう。あと、セダン、ワゴンもハリアーから派生させ、ハリアー王国を形成すべし!
・渡辺陽一郎の評価…トヨタのSUVで3列シートを選べるのは悪路向けのランクルと同プラドのみ。ハリアーに設定すればさらに人気が高まる
トヨタ ハリアー
●提案5:ホンダN-BOXにSUVタイプのクロスター設定
トップだからライバルを意識する必要はないという声もあるが、スペーシアギア対抗モデルが欲しい。現行のクロスターよりも旧型フィットのようなドアモールなどでギア感を強調する。
・渡辺陽一郎の評価…これ人気車になるよ。タント、ルーミー、セレナなどにもSUVが欲しい。ノートもC-ギアの後継を復活させるらしい
ホンダ N-BOX
●提案6:トヨタGRスープラに待望の6MTを設定
コンポーネントを共用するBMW Z4に本国で6MTが搭載されているのにスープラにはない、というのは由々しき問題。MT好きの多田CE、3LをAT専用とすれば、差別化できます。
・渡辺陽一郎の評価…絶対に必要。また高回転志向の3.5L NAエンジンに、クロスレシオの6速MTを組み合わせた仕様も欲しい!
トヨタ GRスープラ
●提案7:日産エルグランドに6輪車を設定
アルファードに比べて車高が低くてオラオラできない? なら6輪にしちゃえ。もちろん燃費は悪化するけど、気にしない。製作はもちろんなんでもやってくれるオーテック。
・渡辺陽一郎の評価…私にはない発想が面白い。が、飛躍しすぎ。そもそもエルグランドはフレームじゃないから構造上無理。残念
日産 エルグランド
●提案8:トヨタC-HR にダカール仕様を大胆設定
人気停滞中のC-HRに強烈なカンフル剤。まるでダカールラリーに出場するようなハードな一台に仕上げる。できればエンジンも強力にしたいけど、そこはノーマルでもOK。
・渡辺陽一郎の評価…オンロード志向で外観が鋭角的だから、超オーバーフェンダー&超大径タイヤ、200mmを超える最低地上高は絶対キマる
トヨタC-HR
●提案9:トヨタパッソ/ダイハツブーンにGRMN
もっさりすぎて危険とまで言われる(←失礼!)パッソブーンがGRMNの手でどう変わるか見てみたい。GRでもGRスポーツでもなく最高峰のGRMNへの挑戦はやりがいあるハズよん。
・渡辺陽一郎の評価…トヨタはフルラインGR体制にする。ならばパッソ&ブーンもありだ。でもブーンX4の再来を目指したところで誰が買う?
トヨタ パッソ
●提案10:ホンダN-VANにターボ+6MTを設定
現状ではN-VANのターボに組み合わされるミッションはCVTのみ。そこにN-ONEの6MTを無駄に移植。コアなファンが付きそうな一台。仕事で使う人にも安全と楽しさを!
・渡辺陽一郎の評価…N-VANモデューロXで実現すると楽しい。フルバケットシートにロールゲージとか装着する人も出てきそうでワクワク感がある
ホンダ N-VAN
●提案11:日産フーガに最強バージョンの400R
目指せ「シーマ現象」の再来。たぶん無理だけど。とはいえ、スカイラインに設定されているんだから、簡単でしょ。若い頃血気盛んだった元グロリアオーナーが喜ぶ姿が目に浮かぶ。
・渡辺陽一郎の評価…姉妹車のインフィニティQ70にはV8、5.6Lがあった。往年のセドグロのイメージでハイパワーモデルは欲しいところだね
日産 フーガ
●提案12:トヨタGRヤリスにトミ・マキネンエディション!
マキネンモデルで注目度アップ。フランスの国民的英雄のセバスチャン・オジエ・エディションも欲しい。ランエボTMEからもわかるとおり、将来的に中古車高騰も保証されている
・渡辺陽一郎の評価…モータースポーツファンの気持ちを高ぶらせる特別仕様車には大賛成。このクルマはモリゾーさんよりもマキネンというのも◎
トヨタ GRヤリス
●提案13:スズキジムニーに原点回帰のオープントップ
ジムニーは商用の2シーターが出たが、欲しいのは原点回帰のオープントップ。武骨でチープな幌でよし。絶対世界のコアファンが大喜びするから。ベンツGも真っ青の存在感間違いなし。
・渡辺陽一郎の評価…もともとジムニーはオープンだった。今の規格では難しいと思うが、昨今の人気ぶりを考えると、ぜひとも欲しい仕様だ
スズキ ジムニー
●提案14:三菱エクリプスクロスPHEVにクローラ仕様
かつてのパジェロクローラー仕様の再来で、道なき道を突き進む走破性と高い給電能力を持つという最強の災害救助カーとなるハズ! 強くてタフな三菱のイメージ復活にも期待できる!
・渡辺陽一郎の評価…話題作りにはちょうどいい。それとデリカD:5もクローラーにするとカッコイイ。これは三菱のイメージにもピッタリ合う
三菱 エクリプスクロスPHEV
●提案15:トヨタグランエースにポップアップルーフ仕様
ベンツVクラスのマルコポーロがボンゴフレンディの再来として騒がれているが、グランエースならそれを凌駕できる。3人家族ならそのまま住めるくらい快適になるし、災害時にも重宝。
・渡辺陽一郎の評価…ポップアップルーフだけじゃなく、2、3列目シートにもこだわり広大なスペースのフルフラットを実現して布団で寝たい!
トヨタ グランエース
* * *
渡辺「もう言っていい?」
ベストカー「はい、どうぞ」
渡辺「一番刺さったのはジムニーのオープントップかな。これ絶対ウケるよ。でもね、実際問題として側突の安全性などで商品化はできないんだろうなぁ。無理ならTバーでもいいよね」
ベストカー「そんなことはありません。モンスター田嶋さんに頼めば実現可能です!!」
■Section2:渡辺陽一郎の企画モデル
ここにピックアップした9台は渡辺氏が提案したものだ。氏のまじめなキャラクターを映し出したような提案だ。
さて、あなたにとって魅力的なクルマ、仕様は見つかるのか?
・トヨタ ヤリスセダン…5ナンバーセダンが遠くないうちに消滅するであろうカローラアクシオだけではダメ。ヤリスをベースに商品力の高いコンパクトセダンを造るのはトヨタの義務
トヨタ ヤリス
・マツダ MX-20…MX-30のコンパクト版。サイズはマツダ2に近いが、車内は少し広く、上質な雰囲気でリラックスできる。フリースタイルドアは小さいクルマほど有用
マツダ MX-30
・ホンダ N-ONEタイプR…660ccのNAエンジンにチューニングを施して、最高出力64psを達成。6速MTのクロスレシオで超絶楽しい! ビートしかりホンダなら朝飯前でしょ
ホンダ N-ONE
・日産 セレナクロスオーバー…セレナにSUV風のモデルを設定する。標準ボディ、エアロのハイウェイスターと併せて3つの個性を揃える。これがライバルを轟沈させるためのカンフル剤!
日産 セレナ
・日産 エクストレイルハイウェイスター…次期型エクストレイルの車高を下げてエアロパーツを装着。ハイウェイスターは日産の財産だから全車に設定。これで売れゆきアップ間違いなし
日産 エクストレイル
・レクサスLSショート…ショートボディのLSはユーザー、販売店ともに欲しがっている仕様。現行型のロングボディでは長すぎてマンションの車庫に入らないぞ!
レクサスLS
・トヨタ センチュリー2ドアハードトップ…センチュリーをベースに、豪華な2ドアハードトップを開発する。豊かな大人の2ドアモデルが今こそ必要だ。センチュリーが新たな世界を構築する
トヨタ センチュリー
・スバル フォレスターSTIバージョン…昨年スポーツに1.8Lターボを搭載したので、STIにはWRXと同様の2Lターボを積む。フォレスターならパワーアップ可能で、さらなる高性能を目指す
スバル フォレスター
・スバル レヴォーグアウトバック…本家のレガシィアウトバックが肥大化したので、レヴォーグをベースに200mmの最低地上高を与える。ノウハウがあるスバルだけに手堅いモデル!
スバル レヴォーグ
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みんなのコメント
他のは到底売れるとは思えない
渡辺は相変わらず適当だな