スペーシアベースとN-VANはどっちがイイのか？　新ジャンル「軽スーパーハイト商用車」が熱い！

2022.12.12 07:00 掲載 36

スペーシアベースとN-VANはどっちがイイのか？　新ジャンル「軽スーパーハイト商用車」が熱い！

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＜スペーシアギアと中身はけっこう違っている！＞
22年8月に発売されたスズキの「スペーシアベース」。ぱっと見は「スペーシアギア」に続いて登場したアクティブ志向の派生車種といったイメージですが、中身はけっこう違っています。

まずは、なんといっても4ナンバーの小型貨物自動車として登録される商用車であるということ。軽自動車税は5ナンバー乗用車の場合1万800円ですが、4ナンバーでは5000円と、かなりお安くなります。ただし、新車登録から2年後には最初の車検を受ける必要があり（その後も2年間隔）、自賠責保険料も少し高くなってしまいますが。

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＜乗用ベースならではの快適性がメリット＞
リヤシートはとても簡易的な作りで、そもそも1～2名でしか乗らないことを前提に、荷室を最大限広く使えるような設計となっています。その代わりといいますか、スペーシアベース最大の特徴でもあるのですが、マルチボードと呼ばれる仕切り板が荷室に用意され、取り付ける位置を変えることで荷室をさまざまな形にアレンジすることができます。

想定されるユーザー像は、普段は仕事で使うけど、できればプライベートの用事も一台で済ませたいと考える人でしょうか。エブリイのようなキャブオーバーのワンボックスは音もうるさいし乗り心地も悪いけど、もともと乗用を前提としているFFのスペーシアベースならアリだな。そんな風に思ってもらうことが、スズキ開発陣の狙いでもあります。

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＜ガチンコのライバルは強敵のN-VAN＞
ライバルとして真っ先に名前があがるのは、ホンダの「N-VAN」です。むしろN-VANの成功がスペーシアベース誕生の呼び水になった側面もあるほどですから、ガチンコなライバル関係と言えるでしょう。

N-VANには助手席側をBピラーレスとした大開口オープンドアや、後席はもちろん助手席までベタッと収納して生み出す、低くて広いフラットな荷室といった特徴があります。軽の現役最強王者である「N-BOX」で築き上げた、質感やブランド性の高さも無視することはできません。

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＜両車のラインナップと車両本体価格（税込）＞
スペーシアベース
・GF 2WD（CVT）｜139万4800円
・GF 4WD（CVT）｜151万8000円
・XF 2WD（CVT）｜154万7700円
・XF 4WD（CVT）｜166万7600円
※全車CVT

N-VAN
・G 2WD（CVT/6MT）｜127万6000円
・G 4WD（CVT/6MT）｜138万7100円
・L 2WD（CVT/6MT）｜140万5800円
・L 4WD（CVT/6MT）｜151万6900円
・+STYLE FUN 2WD（CVT/6MT）｜162万9100円
・+STYLE FUN 4WD（CVT/6MT）｜176万2200円
・+STYLE FUNターボ 2WD（CVT）｜173万9100円
・+STYLE FUNターボ 4WD（CVT）｜187万2200円

ご覧の通りN-VANの方が圧倒的に豊富な車種構成で、スペーシアベースには設定のないターボ車も最上級モデルとしてラインナップされています。

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＜スペーシアベースは2グレードのシンプルな構成＞
一方のスペーシアベースは、基本的には「GF」と「XF」のシンプルな2グレード体制です。LEDヘッドライトはいずれも標準装備され、上級の「XF」には以下のような装備も備わります。

・全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール
・後席右側パワースライドドア
・UV＆IRカットフロントドアガラス
・IRカットフロントガラス
・USB電源ソケット（タイプA/タイプC）
・14インチアルミホイール
・オーバーヘッドシェルフ

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＜スペーシアベースは電動スライドドアの設定が強み＞
スペーシアベースの「XF」と装備内容が最も近いグレードをN-VANから探してみると、「+STYLE FUN」ということになります。ただ、N-VANには電動スライドドアの設定がありません。もし「XF」の後席右側パワースライドドアに価値を見出すならば、スペーシアベースにアドバンテージがあると言えます。

同じ2WDのCVT同士を比較すると、車両本体価格はスペーシアベース「XF」の方がN-VANの「+STYLE FUN」より8万1400円安くなっています。スペーシアベースとしては後出しで王者に挑むわけですから、ちゃんと価格競争力も持たせている印象です。

ダイハツは先日、タントのクロスオーバーテイストの「タントファンクロス」を発売しましたが、そちらはあくまで乗用モデルです。ただ、ダイハツもスペーシアベースやN-VANに対抗するような商用モデルを発売する可能性もなくはないでしょう。

スペーシアベースの売れ行き次第では、このジャンルはさらなる広がりを見せていくかもしれません。

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文：小林秀雄
写真：
1~8枚目：スズキスペーシアベース
9~15枚目：ホンダ N-VAN+スタイル