■中古のSUV購入時のポイント
クルマのボディタイプのひとつであるSUVは、アクティブなライフスタイルから日常のドライブまで幅広く対応しています。
今回は、新車・中古系元販売員がこっそり教える中古SUVを検討するときに見ておくべきポイントを紹介します。中古SUVだからこそ気を付けたい部分とはどこなのでしょうか。
SUVは、スポーツ・ユーティリティー・ビークル(Sport Utility Vehicle)の略称です。
かつてのSUVといえば、道なき道をタフに走り抜くクロスカントリー車を指していましたが、現在では日常のドライブからアクティブな趣味にまで対応できる多用途車として、多くのユーザーから支持されています。
ひと言でSUVといっても、軽自動車規格のSUVを始め、コンパクトSUV、ミドルSUV、ラージSUVと幅広いセグメントが展開されています。
そのため、数多くあるSUVから自分に合ったモデルを選ぶ場合は、自分の使用用途を明確にすることが大切です。
SUVの場合、用途によっても強靭なボディ構造を持つSUVにするのか、乗り心地や快適性を重視したSUVにするのか変わってくるため、どのような場面で使うのかを明確にしておく必要があります。
例えば、日常の買い物やドライブがメインであればコンパクトなクロスオーバーSUVが最適です。
クロスオーバーSUVは、コンパクトカーやステーションワゴンなどの乗用車と同等のボディ構造を採用している場合が多く、日常の運転領域における乗り心地に優れています。
一方で、キャンプや山道、川などの悪路走行性を求める場合には、本格SUVと呼ばれるクロスカントリー車やラダーフレーム(はしご型フレーム)構造のモデルを選ぶと良いでしょう。
本格的なSUVは、丈夫なフレームの上にボディを被せる構造を採用しており、悪路走破にも耐えられる骨格設計がされています。
それゆえ、乗用車と比較すると乗り心地が劣る部分があると感じるシーンがあるものの、道なき道を走るときの安心感は高いといえるでしょう。
また、SUVは見た目だけで選んでしまうと、予想していた乗り心地や使い勝手ではなかったと後悔してしまう可能性もあるため注意しなければなりません。
ほかにも、地上からボディまでの最低地上高が高いため、車高が高くなる場合があります。
自宅や契約している駐車場に高さ制限がある場合は、適合しているサイズなのかどうかも忘れずにチェックしましょう。
とくに中古のSUVを検討している際は、悪路走行した車両はボディの歪みやサビ・劣化の心配があるため新車よりも気を遣う必要があります。
そのため、どのような部品を交換してきたのか、エンジン交換などの大がかりな修理がされていないかなど、「定期点検記録簿」の内容を確認しましょう。
■良い中古SUVの見分け方
では、良質なSUVの中古車はどのように見分けると良いのでしょうか。
気にしておきたいのが「修復歴」と「悪路走破の跡」です。
SUVは、コンパクトカーやセダンなどの車両よりも悪路を走破する確率が高く、下回りなどをぶつけている可能性も高くなります。
そのため、クルマの骨格(シャシ)部分の交換や修理の有無がわかる修復歴を確認しましょう。
修復歴があると、ボディの耐久性が下がっていたり歪みがあるため、走りが安定しない場合があります。
また、悪路走破の跡という点では、舗装されていない砂利道や河川敷などを走行することで、タイヤから巻き上げられた小石などにより、ボディやフレームに細かなキズがつきます。
こうした細かなキズ塗装に深く及ぶと、サビ止めを塗布しないで放置することで金属が酸化し、洗車や雨によってサビが発生したり、腐食する可能性があり、結果的にボディの耐久性が低下してしまいます。
そのため、中古SUVを選ぶときは、泥はねを放置していたり、細かなキズがついていないかどうかチェックするようにしましょう。
一般的なチェック方法は、エンジンルームを覗き込んで泥はねした乾いた泥の跡を探すと悪路を走行したかどうかが分かります。
さらに、タイヤハウス内のサスペンション付近に泥がこびりついていないかどうかを見ることで、定期的に洗車をしているかどうか判断できます。
加えて、クルマの下を覗き込んでサスペンションまわりやシャシにサビや劣化がないかどうかのチェックもおこないましょう。
下まわりやボディにサビ・劣化があると、乗り心地や耐久性が落ちてしまいます。
※ ※ ※
SUVの中古車を選ぶときは、自分に合ったSUVを使用シーンから絞り、ボディにキズや劣化の跡がないかどうか確かめましょう。
また、外装や内装だけでなく、下まわりや足まわりまでしっかりとチェックして、良い中古SUVを見極めることが大切といえます。
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