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【こんな時だから「かつての隣の芝生」を眺めたい】 クルマ業界+α 大ヒット&景気のいい話 9選

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【こんな時だから「かつての隣の芝生」を眺めたい】 クルマ業界+α 大ヒット&景気のいい話 9選

 消費税増税、(もう正直あんまり話題に出したくもないですが)新型コロナウイルス、冷え込む市場……。昨年から今年にかけて、どうにも景気活性化していない状況ですが、売れまくっているものもあるのです。

 クルマ界はもちろん、各分野の「売れ売れ」のものをドンドコ紹介。景気いい話のシャワーを浴びて景気よくいきましょう!

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※本稿は2020年2月のものです
文:ベストカー編集部/写真:AdobeStock、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年3月26日号

■ロールスロイスの売上が過去最高に!!!

●昨年の世界販売5152台! 過去最高を記録しちゃった!!!

 いきなり、こんなにも景気のいい話。ただでさえお高いロールスロイスが、昨年、創業116年で世界販売台数最高記録。前年比25%増の5152台というからため息が出る。昨年、消費税が10%になる前に、駆け込みでモデルチェンジ前のホンダフリードを買った企画担当は空しくなりました(涙)。

過去最高記録に貢献したカリナン。価格は3920万円から。売れまくりました

 記録更新の要因は、初のSUV、カリナンが堅調に売れたことという。加えて各車に設定される、黒仕立ての「ブラックバッジ」モデルを若い人が好み、好調。販売台数は北米が引き続きトップで、中国、欧州と続き、日本での販売数も記録更新したそうだ。あやかりたい、景気のいい話ね。

●関連記事→【夜の黒王見参!!】 最高級SUV ロールス・ロイス カリナンに漆黒の「ブラック・バッジ」登場

■輸入車モデル爆上がり!!!

●不景気風は関係なし!!? 前年比、大幅増加だらけ!!!

 輸入車を見渡しても、昨年の販売台数が前年比で増加というブランドは多い。例えばジープは16.8%増、ランドローバーは14.8%増、シトロエンは15.5%増、DSは20.7%増……といった具合。ラングラーのような新モデル、あるいはC3のような定番人気モデルが堅調に売れたのが要因といえそうだ。いい商品を作れば、売れ売れになるんですね。

 そして、ここでも目を引くのは前項同様に超高級車。ランボルギーニが24.9%増、ベントレーが20.4%増という事実。「不景気風、どこ吹く風ですか?」という状態だね。

■ランボルギーニ&ベントレー

●世界販売台数が43%も増加! 売れすぎてゴメンね

 そのランボルギーニ、日本の前年比24.9%増も驚くが、昨年の世界販売台数がなんと43%も増加!!! 販売台数は史上最高の8205台でウラカンなども堅調だが、SUVのウルスが4962台と半分以上を占める。ランボのSUVはやはり最強だったか!!!

押し出し感強すぎのウルス 約2918万円

 お次はベントレー。昨年の日本販売台数は20.4%増と凄いが、昨年の世界販売台数も好調。7年連続で1万台を超える1万1006台。

 前年比は5%増とランボに比べれば控えめだが、こちらも超高級車だから1台あたりの価格が違う。新型のコンチネンタルGTコンバーチブルやSUVのベンテイガが増加の要因とのこと。

ジェントル感もあるベンテイガ(約2042万円~)

●関連記事→ランボルギーニウルス「猛牛」ぶりを堪能!! 3000万円超高級SUV!!??

■売れまくった国産車に注目!

●なぜこのクルマたちが昨年売れまくったのか?

 昨年の日本車総販売台数は前年比1.5%減と、3年ぶりの前年割れとなった。が、そんな状況で「なぜ前年比でかなりの増加なの!?」というモデルもある。渡辺陽一郎氏へ聞いてみた。

・2015年登場のシエンタ、前年比17.9%増加。4年経過してもなぜ売れるのですか?

 年間で11万台超えの売れているシエンタが、前年比で絶好調ですね。以前トヨタに要因を聞いたんだけど「わからない」と言う(笑)。昨年10月にクロスオーバー風の特別仕様車「グランパー」が加わったけど、直前9月の前年同月比が約85%増加と凄い数値。この月は消費税10%の駆け込みといえそうだけど、4年経過したシエンタが前年比17.9%増加したワケは次のことがいえそうだ。

 (1)ミニバンのなかでダウンサイジングの流れが加速。(2)突飛に見えたデザインが見慣れ、オシャレに感じるようになった。(3)2列シートモデル追加の効果。(4)実用重視車は時間経過とともに伸びる「あと伸びの法則」にハマった。

ダウンサイジングの流れに乗って絶好調のシエンタ

・カローラスポーツは前年比35.2%も増加。昨年登場したのはセダンなどですけど?

 セダンやツーリングが新登場し、カローラというブランドに目が向いたということはあるでしょう。セダンの商談へ行ったらスポーツのほうがいいね! というケースも。また、マツダ3やインプレッサのモデルチェンジが昨年あり、ライバル車比較でも目が向いた……と。これらが要因ですね。

・スペーシアは前年比9.4%増加。昨年フルモデルチェンジのタントが伸びるならわかりますけど?

 これは明確で、スペーシアギアの功績です。全体台数の2割がギアでそのまま上乗せされている。スペーシアは昨年16万6389台だから、そのなかの約3万3000台がギア。この数字は大きいね。

まさに孝行息子のスズキ スペーシアギア

■「檸檬堂」超ヒット!!!

●満を持して発売するも、製造一旦中止となるほどの人気に

 売れすぎて製造が追いつかない……。最近のクルマ界ではスズキジムニー&シエラがあるが、飲料業界では缶酎ハイ「檸檬堂」。こちらは製造が追いつかないどころか、今年1月一旦中止してしまうほどの超絶な人気ぶり。

「確かにほかと味が違ってうまい」と担当も思う。もちろん、飲んだら乗るな! ですよ。140円ほどで販売中

 あのコカ・コーラグループが初めて手がけるアルコール飲料で度数別に4タイプある。昨年10月に全国発売するとあれよあれよと売れ始め、定番レモン(度数5%)はわずか3カ月で缶酎ハイ部門の販売首位に!

 激戦区の缶酎ハイ界で首位なんて、クロスビーが大ヒット中のロッキー/ライズを販売で上回り、首位に立つようなもの。快挙です(スズキさん、ごめんなさい)。「レモンフレーバーの味付けが絶妙にいい!」というのが檸檬堂の大ヒットの要因という。しっかり研究・開発すれば売れる! という好例だね。

■新ペットボトル紅茶 繚乱!!

●考え抜かれた「微糖」。デザインも秀逸。

 お次も飲み物の売れ売れ。見出しに「新」と入れたのは、ペットボトル紅茶は以前からあるけど、写真のような幅広のポテッとしたカタチの容器のものが昨年、大ヒット。

 主役は「クラフトボスTEA ノンシュガー」などのボスシリーズと、「午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」(←言っちゃなんだが仰々しい名前ですね)などの午後の紅茶シリーズ。午後の紅茶はブランド全体で前年比8%増、3年ぶりに過去最高を記録したという。

 いずれも微糖で、お茶本来の味とミルクなどの優しさが女性にウケた……というのが要因。女性の味覚を制するものは市場を制するわけです。

デザイン、可愛いですよね~。いずれも150円ほどで販売中

■まさかの「焼きペヤングメーカー」

●焼いて食べるペヤングが想定外の2万台以上出荷!

 企画担当の個人的意見ながら、まずいお店の焼きそばよりうまいと思うのが「ペヤングソース焼きそば」。言わずと知れたカップ焼きそば界のキングだが、“焼きそばなのに焼かないじゃないか”とツッコミたくなる時も。

 それに対応したわけではないのだろうが、「焼きペヤングメーカー」というホットプレートをライソンという会社が売り出し(ペヤング製造元のまるか食品ではない)、昨年8カ月で2万台以上売れたヒット商品に!

麺がソースを吸ってより香ばしく。まいう~。価格2980円

 お湯で戻した麺をホットプレート上で焼くというもので、お好みでキャベツを入れるのもよし。「3000台売れればいいかな」というライソンの見込みを市場は覆したというわけだ。

 焼そばUFOを焼いたらダメなのか、お好み焼きは作れないのか……など疑問も湧くが(笑)、ニッチから生まれたヒットに拍手!

■スシローでタピオカ オツです

●寿司店なのに寿司よりタピオカドリンクが超人気!?

 飲食関係の売れ売れが続くが、まだいきます。低価格回転寿司チェーンの大手「スシロー」。昨年、本場台湾の企業とコラボ開発したタピオカドリンクを販売したところ、全国531店、3カ月で175万杯以上も売れるというメガヒットに! 予想を超えた人気ゆえ、一時販売休止という事態も。

寿司店でタピオカというのもオツ

 税別で280円だから、100円の寿司を約3皿食べられるのにこの売れゆき。まさに「主役(寿司)を食った」というタピオカ。都市部以外ではタピオカを飲める機会が少ないという背景もあり、売れ売れになったわけね。

■ワークマン絶好調!!!

●市場を虜にした“職人向け”店舗の鮮やかな転身!!!

 沈みがちなアパレル業界で、昨年から絶好調なのが「ワークマン」。作業服から“ポストユニクロ”へ鮮やかな転身を図ったことが大成功。

2018年9月誕生の東京都立川市の「ワークマンプラス」、この店が火付け役に

 具体的には、職人向けの従来の店舗「ワークマン」に置いてある、一般ウケしそうなカジュアルアウトドア系の服を「ワークマンプラス」という新業態の数店の店舗へ置いたところ、「質がいいのになぜ激安なの!」と瞬く間にお客の心をつかみ、その波及効果で従来の「ワークマン」にもお客が殺到。それまで近寄らなかった女性たちも入店し、“ワークマン女子”という言葉までも誕生しちゃった。

 現在、2つの業態合計で全国848店あり、店舗数がユニクロを抜き去り、売上高は11カ月連続で2桁増! と物凄い状態に。計算されつくした戦略の先には大成功がある。見習いたいです。

【番外コラム】逆に……残念ながら意外と売れていない&ハズしちゃったトホホなものたち

 日本車でいうと、大注目されたわりには販売が伸び悩むMAZDA3。2タイプ合計でも1月販売は約1400台。価格、高いのかな……。同じく昨年登場のカローラセダンも約1500台。かつての国民車。日本でのカローラの役割は終わったということ? 世界で売れているからいい……のかな。

 さて、“キラキラ映画”と呼ばれる日本の恋愛映画。2017年「君の膵臓を食べたい」(興収35.2億円)など大ヒット作が多かったが、昨年から潮目が変わった。「うちの執事が言うことには」などは興収約6億円と惨敗。ジャニーズを主演においてもアカンですね。

 映画といえば今年の正月映画の年末~年始の興収。話題の「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」は約53億円。いいじゃないと思うが、「アナと雪の女王2」は約113億円、「スターウォーズ」、意外とトホホな結果かもね。

 2017年、名古屋市に誕生の「レゴランド・ジャパン」。最近、休日は混んでるけど平日はガラガラらしい。大丈夫か。年間入場者目標は200万人だが、入場者数は非公表。なぜでしょう? ファストファッションの「GAP」(写真)、こちらも売り上げが厳しいという。ユニクロやGUに対抗できていないんです。

苦戦中!!? の「GAP」

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