毎月200店以上の新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回まずは、早ければ来年の登場が目されていたトヨタ ランドクルーザープラドが、2024年以降に?? という、狙っていた人からすればなんとも切ない話題から。
11月1日発表 価格判明 リッター27km! 新型ロッキー&ライズに追加されるダイハツ独自開発のe-スマートHVとは
ほか、たびたび取り上げている軽の電動化、新型セレナ、新型シャトル、それらの話題のなかで消えゆくクルマたち…などなど、国内メーカーの最新情報をピックアップ!
※本稿は2021年9月のものです
文/遠藤徹 予想CG/ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年10月10日号
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■次期型ランドクルーザープラドは2024年以降の投入に???
これまで2022年か2023年頃に発売されると見られていた次期型ランドクルーザープラドの国内仕様モデルの投入は2024年夏以降に先延ばしされる見通しとなっています。
上級バージョンのランドクルーザー300が絶好調の立ち上がりで、現段階の納期が2年以上となっています。
次期型ランドクルーザープラドを従来のように1~2年遅らせ2022年から2023年夏頃に投入すると、ランドクルーザー300の納期と重なり、販売政策上得策ではないとの判断があるためと思われます。
新型プラドは現行の人気の高さ、新型ランクル300の好調な販売により、2年程度販売を遅らせる可能性が高くなった(画像はベストカー編集部による予想CG)
■軽自動車の電動化はマイルドハイブリッドが基本 スズキはどうでる??
地球温暖化防止の一環として、2030年代までに100%ガソリン車をなくすとの政府方針に軽自動車メーカー各社は苦慮しています。スズキはモーターアシスト方式のマイルドハイブリッドを基本に対応策を急ぐ方針です。
現在同社の軽乗用車でマイルドハイブリッドを設定しているのはスペーシア、ワゴンR、ワゴンRスマイル、ハスラーの4車種で、あとはアルト、アルトラパン、ジムニー、エブリイワゴンなどが残っています。
スズキ ジムニー。マイルドハイブリッド化で魅力が半減??
このうちアルトラパンは2022年中盤のフルモデルチェンジで対応し、エブリイワゴンも追って搭載モデルを設定する方向で開発を進めているものと思われます。
問題は主軸モデルのひとつであるアルトをどうするかです。同モデルは女性、農村地区、近郊都市など大衆の足として欠かせない位置付けとなっていて、安さ、ランニングコストの低さが売りです。
マイルドハイブリッドは約20万円の値上げとなり、現行モデルの85万~90万円が100万円以上になるので、従来のように売れるかどうかが問題になりそうです。
またジムニーはターボによるオフロードでの走破性の高さがセールスポイントなので、マイルドハイブリッドにすれば、走りの魅力が半減することにもつながりそう、という懸念もあります。
■ダイハツは軽自動車の電動化をどうするのか?
ダイハツが軽自動車の電動化で苦慮しています。
スズキ、日産、三菱自動車は比較的低コストで対応できるマイルドハイブリッドを実用化しています。
しかしダイハツは、「マイルドハイブリッドは他社が先行しているので追随になるため採用しない。軽自動車にもEV走行可能なストロングハイブリッドで対応していく」と基本方針を明らかにし、開発を進めています。
しかしマイルドハイブリッドが約20万円のコストアップですむのに対して、ストロングハイブリッドのコストアップは2モーターで約50万円、1モーターでも約40万円となるとの試算もあるほどで、このコストアップがかなり深刻なレベルにあることがわかるハズです。
両側スライドドア車のタントやウェイクであれば、比較的高額な車両だから、対応しやすいですが、ミライースやムーヴなど安いモデルだと、高額になれば売れゆき悪化に直結しかねません。
ダイハツ タント。徐々に岐路に立つ軽メーカーの状況が見えつつある
今後の軽自動車戦略はダイハツにとって大きな難題が待ち受けていることになりそうです。
■日産、次期型セレナは2022年9月登場が有力
日産は次期型セレナの開発を2022年9月頃の投入を目途に進めている模様です。現行モデルの登場が2016年8月24日であることから、6年ぶりの世代交代となります。
次期型はキープコンセプトですが、新開発のプラットフォーム、室内の居住空間の拡大、安全&便利装備の充実、大幅に改良したe-POWERの搭載による走り&燃費向上などによって商品力を最大限に高めるのは確実です。
e-POWERは発電に使用するエンジンを従来の1.2Lから1.5Lに拡大し、満タン時の最大走行距離を大幅に延長します。2Lマイルドハイブリッド車も同時に設定することで、幅広いユーザー層のニーズにも対応させるもようです。
2022年は春にトヨタがノア/ヴォクシー、ホンダがステップワゴンと相次いでライバル車を投入する方向で開発を進めており、初めて同年での新型車投入が実現し、かつてない規模でのシェア争いが激化するのは必至の情勢です。
写真は現行型のセレナ(e-POWER ハイウェイスターV アーバンクロム/ブリリアントホワイトパール)
■ホンダ、2022年中盤にもインサイトをシビックに統合か?
ホンダは2022年中盤にも新型シビックにハイブリッド車を設定して発売しますが、この際インサイトを統合し、こちらを廃止する見込みです。現行インサイトは先代シビックのプラットフォーム&基本コンポーネントを使っており、1.5Lのハイブリッド専用モデルに仕立てています。
シビックにハイブリッド車を設定すれば、車格が被るインサイトは必要がなくなるので、シビックに統合するかたちでモデル廃止するものと思われます。
ただインサイトのハイブリッドは1.5Lですが、シビックは走りを重視したスポーティなコンセプトであることから、ステップワゴンに搭載されているものと同じ2Lのハイブリッドユニットが採用される可能性もあります。
昨年(2020年)8月にマイナーチェンジを果たしたホンダ インサイト。これが見納め??
■ホンダ、次期型シャトルはどうなるのか?
ホンダは2022年中盤にもコンパクトステーションワゴンのシャトルの世代交代を図る方向で開発を進めていると言われています。
この場合、従来のステーションワゴンのコンセプトを継承するか、SUV寄りのクロスオーバーカーに仕立てて路線変更するか、ホンダがどちらを選ぶか注目されます。
ワゴンを継続すれば、ワゴンの現状を考えると、月販1000台前後の小さいマーケットから脱却はできません。しかしながらSUV的な仕立てに路線変更するのであれば、月販5000台規模の大型マーケットにも期待できます。
パワーユニットは1LのガソリンNAや同ターボの搭載が見込まれます。従来のような1.5Lハイブリッドや同ガソリンNAだと、ヴェゼルとの競合で販売を伸ばせないとの読みもあり、対抗モデルはライズやロッキーになる可能性が高そうです。
ホンダはヴェゼルより小さい1Lターボ搭載のコンパクトSUVを2022年にデビューさせるが、これがシャトルなのか!?(画像はベストカー編集部による予想CG)
■トヨタ、フルモデルチェンジ前に“車種リストラ”を断行!?
ヴォクシー/ノア/エスクァイア、アルファード/ヴェルファイアのミニバン姉妹車は2022年中の世代交代で一本化かそれに近い車種整理を実施する方向にあります。
しかし、それを待たずして車種整理される可能性が高くなっています。
昨年5月の全トヨタ車全店併売以降、姉妹車の販売実績に大きな格差が生じ、売れゆき不振モデルの生産維持が難しくなっているためです。
当面、ミディアムクラスはエスクァイア、ラグジュアリークラスはヴェルファイアを先行廃止し、ヴォクシー/ノア、アルファードの3車種態勢となると見られています。
その次期型ノア/ヴォクシーは2022年1月登場が有力視されていましたが、3月頃に先送りする方向でスケジュール調整をしている模様です。
8月末現在、現行の納期は11月下旬で、1月登場なら生産調整するところですが、通常生産を継続しているのも延期を裏付ける根拠です。
編集部が作成した新型ノアの予想CG。全幅は1695mmに抑えられ、5ナンバーサイズを堅持するとベストカーでは見ている
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みんなのコメント
なんで新車が欲しいんですか?
中古がいくらでも無料みたいな値段で転がってます
セーフティネットは車じゃないですわ
スマホでもない
甘やかされ過ぎて日本人劣化してるわ
随分アバウトですね。