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マツダ新型「CX-80」はCX-60と何が違う? どう進化した? 新しい3列シートSUVは“居住性も快適性も安全性も格上”です

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マツダ新型「CX-80」はCX-60と何が違う? どう進化した? 新しい3列シートSUVは“居住性も快適性も安全性も格上”です

新型「CX-80」は「CX-60」と何が違うのか?

 マツダの新3列シートSUV「CX-80」は、「CX-60」と多くのメカニズムを共用するモデルです。なかには「何がどう違うの?」と感じている人もいることでしょう。

【画像】「えっ!…」乗り心地などの快適性は格段に進化! これがマツダの新型「CX-80」です(30枚以上)

 そこで本記事では、新型「CX-80」と「CX-60」の違いにフォーカスし、「CX-80」のキャラクターを解明していきたいと思います。

 まず焦点を当てるのは、ボディとシートアレンジです。

 2列シート車の「CX-60」に対して、新型「CX-80」は全長とホイールベースを各250mm伸ばした3列シート車としています。誤解を恐れずにいえば、「ロングボディにした『CX-60』に3列シートを配したモデルが『CX-80』」といっていいでしょう。

 新型「CX-80」のデザインは、基本的に「CX-60」を踏襲していますが、サイドから見ると明らかに、ボディが長いことを実感します。「CX-60」とは明確にプロポーションが異なります。

 加えて、ピラーやクォーターウインドウといったリア回りの形状も「CX-60」とは異なり、新型「CX-80」の方が落ち着いていてエレガントな雰囲気に仕上がっています。

 新型「CX-80」には、フロントグリルの右上にライオンがツメで引っかいたようなクロームのアクセントが備わる点や、フロントフェンダーにつくバッジがベーシックグレードでも「CX-60」の上級グレードと同じ仕立てとなるのも識別点です。

 一方、インテリアは単にサードシートが追加されただけでなく、フロントシートに対するセカンドシートの取りつけ位置をより後方(かつ、前後スライド機能も追加)としたことで、セカンドシートに座る乗員のヒザ回りが広がっているのもポイント。たとえサードシートを使わなくても、セカンドシートに座る乗員にはメリットがあるのです。

「CX-60」には設定のない、左右が独立した2列目席のセパレートシートを選べるのも新型「CX-80」の魅力。セパレートシートは2タイプが設定されますが、特に“セパレートタイプ”と呼ばれる、左右席間に大型コンソールを備えた上級仕様が魅力的です。

 この場合のセカンドシートには、電動式リクライニング調整機構が備わっており、シートヒーターに加えてファンで表面の空気を循環させるベンチレーション機能も備わっています。快適性と上級感が格上というわけです。

 また、キャンプやスキーといったアウトドアレジャーを楽しむ人にとっては、サードシートの背もたれを倒すことで、広いラゲッジスペースを確保できるのも「CX-60」にはない新型「CX-80」の大きなアドバンテージといえるでしょう。

 そんな新型「CX-80」には、3タイプのパワートレインが用意されます。

“スカイアクティブD 3.3”と呼ばれる3.3リッターの直列6気筒ディーゼルターボをベーシックに位置づけ、そこへモーターを加えてマイルドハイブリッドとした“e-スカイアクティブD 3.3”を用意。さらに、2.5リッターの4気筒ガソリンエンジンに強力なモーターと外部充電可能な大型バッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッド“e-スカイアクティブPHEV”も設定しています。

 実はパワートレインのラインナップにも「CX-60」との違いが。実は「CX-60」は4タイプのパワートレインを設定しており、新型「CX-80」では選択肢がひとつ減っているのです。

 減ったのは、「CX-60」の「25S」シリーズに搭載される純粋なガソリンエンジン。2.5リッターの4気筒自然吸気ガソリンエンジンを新型「CX-80」に採用しなかった理由は、「上級モデルと考えたときに、『CX-60』より重い車体にはパワー不足だから」といいます。

 そうそう、新型「CX-80」と「CX-60」は、グレードのラインナップも少し違います。

 ベースグレードである「XD」に始まり、最上位に「プレミアムモダン」と「プレミアムスポーツ」を位置づける構成は基本的に同じですが、「CX-60」にある“e-スカイアクティブD 3.3”の「エクスクルーシブモダン」と「エクスクルーシブスポーツ」が“e-スカイアクティブPHEV”専用となり、代わりに「CX-60」には存在しない“e-スカイアクティブPHEV”の「Lパッケージ」が用意されています。

 ちなみに新型「CX-80」の価格は、「CX-60」に対してざっくり40~50万円ほど高い印象(6人乗りモデルはさらにプラス)。より高価格帯のポジショニングとなっていることが分かります。

乗り心地のことを心配せずに買える新型「CX-80」

 そんな新型「CX-80」ですが、実は見えない部分でも「CX-60」に対して変更が加えられています。その一例がサスペンションです。

「CX-60」からの変更内容を具体的に挙げると、リアスタビライザーを外した上で、リアサスペンションのバネレートをダウン=やわらかい方向に変更(パワートレインにより異なる)。一方、ショックアブソーバーは前後とも減衰力を高めています。

 さらに、リアサスペンションはバンプストッパーを短くしてサスペンションストローク量を拡大するとともに、クロスメンバーのブッシュの取りつけ方向を変えることで路面からの入力に対する足の動き方を変更。

 もちろん、サスペンションの変更に合わせて、“KPC(キネティック・ポスチャー・コントロール=コーナリング時に内側の後輪に軽くブレーキをかけて車体姿勢を安定させる機能)”やパワーステアリング、そして4WDやDSC(スタビリティコントロール)の制御も見直されています。

 こうした変更のねらいは、バネレートを下げて入力の衝撃を抑えつつ、ショックアブソーバーの減衰力アップで振動を素早く抑え、乗り心地を向上させることだといいます。

 では、実際にドライブしてみてどうだったのか? 「CX-60」では煮詰め不足が否めず、あらさが露呈するシーンも多々あっただけに、その熟成ぶりが気になるところです。

 結論からいえば、「これなら納得」と思える出来栄え。乗り心地は、快適性を追求したSUVのレベルにまでは達していませんが、「CX-60」に比べるとしっかり改善されています。

 そう感じた一例が車体の上下動。「CX-60」は、高速道路などである程度、速度域の高い状況で凹凸を乗り超えた際に、車体の上下の収まりが悪く、これが乗り心地に悪影響を与えていると「CX-60」オーナーでもある筆者(工藤貴宏)は感じています。

 しかし新型「CX-80」は、この部分を改善。「『CX-60』もこのレベルだったら、乗り心地が悪いとの指摘も今ほどされずに済んだに違いない」と思わずにはいられないレベルにまで達しています。新型「CX-80」なら、もう乗り心地のことを心配せずに買えるでしょう。

 参考までに、“スカイアクティブD 3.3”を搭載する「XD」系、そのマイルドハイブリッド版である“e-スカイアクティブD 3.3”を搭載する「XDハイブリッド」系、そして“e-スカイアクティブPHEV”を積む「PHEV」系を乗り比べてみると、最も乗り心地がいいのは「XD」系。次点はわずかな差で「XDハイブリッド」系。そして最後に「PHEV」系の順だと筆者は感じました。「『PHEV』系は重量が重いことから条件的に不利で、乗り心地を向上させるのがより難しい」ようです。

 一方、新型「CX-80」のコーナリング時の車体の動きを見ると、「CX-60」に対してショックアブソーバーの減衰力を高めたことでロールスピードは抑えられているものの、バネレートを落としたことでサスペンションのストローク量自体は増えています。

 とはいえ、“コーナリングが得意なSUV”というキャラクターは「CX-60」の路線をしっかり継承。峠道もしっかりハンドリングを楽しめるSUVに仕上がっています。

「『CX-60』はハンドリングを重視し過ぎたので、『CX-80』はバランスのよさを求めた。快適性は高めたものの、乗り心地がいいだけの普通のSUVにはしたくない」というサスペンション担当開発者の言葉こそが「CX-60」からの進化点であり、新型「CX-80」というクルマのキャラクターを端的に表しているといえるでしょう。

 いずれにせよ新型「CX-80」は、ハンドリングと乗り心地のバランスが「CX-60」よりもさらに高まっていると断言できます。

 加えて新型「CX-80」は、「CX-60」の初期モデルで一部の車両に生じていたトランスミッションの異音などもしっかり改善されていました(これは「CX-60」でも途中で制御が改善されて問題は解消。初期モデルもプログラムを更新済み)。

 さらに、高速道路で運転支援機能を使ってみると、「CX-60」との違いは歴然。車線の中央を走るようステアリング操作をアシストしてくれる機能が大きく進化しており、「CX-60」よりもフラつきが減り、ビシッと車線の中央をトレースするようになっていたのです。

 その進化は、ゆるいカーブを曲がっていく際に特に強く感じられ、「CX-60」よりもずっと上手にラインの中央を走ってくれます。他社のモデルと比べても、その制御はかなり正確だと実感しました。

* * *

 こうして「CX-60」と新型「CX-80」の違いを並べてみると、見た目やパッケージングだけではなく、多くの進化が施されていることが分かります。

 特にサスペンションに起因する新型「CX-80」の乗り心地に関しては、すでに「CX-60」のオーナーになっている人や、その購入を考えている人も気になる部分かもしれません。

 ちなみに、新型「CX-80」の開発で得たノウハウは、「CX-60」の進化にも反映されるといいます。改良版の「CX-60」も近いうちに登場しそうです。

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