バブル期らしいエピソードをもつモデルも
バブル景気に沸いた1990年前後は、クルマにおいても潤沢な開発予算によってクラスを超えた完成度を持った車両も多く生まれ、現在でも語り継がれる名車も多く登場した時代だった。そこで今回は、バブル期に誕生した高級セダンを振り返ってみたい。
日産「セフィーロ」はバブル時代のオシャレセダンだった! いまならEVで復活したら人気が出るかも!?
トヨタ セルシオ(初代)
バブル期に生まれたセダンとして外すことができないのは、やはりこの初代セルシオだろう。1989年に北米で立ち上げられたトヨタの高級車ブランド、レクサスを代表するモデルとして開発されたこのモデルは、日本ではトヨタ セルシオとして販売がスタートした。
すでにトヨタにはクラウンという高級セダンが存在していたが、国内販売がメインのクラウンに対し、グローバルで販売することを念頭に置いて開発されたセルシオの完成度は頭ひとつ抜けていた。欧州の高級ブランドもこぞってセルシオを購入し、徹底的に研究したという逸話も残されているほどだ。
日産 インフィニティQ45
成り立ちはセルシオと同じく、日産のプレミアムブランドであるインフィニティの看板車種として開発されたのがインフィニティQ45だ。
インフィニティブランドもレクサスと同じく北米地域をメインとしていた。Q45はとくに北米市場を意識したモデルとなっていた。そのため、仰々しい大きなフロントグリルなどはあえて装着せず、グリルレスのクリーンなエクステリアを纏っていた。
エンブレムには七宝焼きのものがおごられ、室内には分かりやすい木目パネルではなく、漆塗りのパネル用意。さらに50万円以上する純金のキーが設定されていたのもバブル期らしいエピソードと言えるだろう。
三菱 ディアマンテ(初代)
三菱初の3ナンバーサイズ専用車として1990年に登場したディアマンテ。当時、高級車と言えば後輪駆動が当たり前のところ、前輪駆動レイアウトで登場した。
またこのクラスのセダンとしては珍しくVCU付センターデフ式フルタイム4WDという本格的な4WDシステムを搭載したほか、電子制御式サスペンションや4WS、アクティブECS、4輪ABSなど先進的な装備も多く搭載されていた。その結果、大ヒットを記録。第11回日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するほどのモデルとなった。
* * *
あらためて振り返ってみると、今では考えられないようなモデルや、世界を震撼させるほどの完成度を持ったモデルなど数多くの個性的な車両が多く存在していたいい時代だったのだ。
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みんなのコメント
過去形ではないだろう。石油ショック後燃費だけで売れていた日本車のレベルをポンと数段上げたのが、セルシオでありQ45だろう。
日本車が世界市場で「走り」でも評価の対象になってきた時期。それらの車があって、今に続いている。