希代のボクサーFRが全面刷新!
スバルは11月18日、新型BRZの米国仕様車を世界初公開した。
企画・デザインはトヨタ、開発・生産はスバル。両社の提携によって2012年3月に誕生した初代トヨタ86/BRZから8年。2020年7月に、まずはBRZが注文受付を終了。同年12月には86も終了するといわれ、希代のボクサーFRスポーツはモデルチェンジすることなく”いったん”姿を消すことに…。
この時点ではどちらも新型についての公式なアナウンスはなかったが、次期型の開発は順調に進められていた。
その新型。ティザー写真の公開に続いて今回、そのフルヌードが世界初公開となった。水平対向エンジン搭載車を想起させるロー&ワイドなスタンス、そして駆動する後輪を内包したグラマラスで塊感のあるリヤフェンダーのアイコンを踏襲。まごうことなき2代目BRZである。
顔つきは、目元の印象が一変。切れ長で独立した立体感ある先代から、フェンダー周辺との一体感を高めた意匠へ。スバル車のアイデンティティである逆台形の六角形グリルもより低く、ワイドに据えられている。バンパー両サイドには、これも先代とは逆形状のガーニッシュを伴ったエアインテークが備わっている。
フロントフェンダーのデザインも変わった。先代は上部にダミーのエアアウトレットを備えていたが、フロントタイヤ後端に位置を変えた新型は、整流効果を狙ったホンモノを採用。そこからボディサイドに目を移すと、先代が細身に見えるほどの抑揚に目を奪われる。後付けのサイドスカートのように張り出したサイドシルも新たなアイコンだ。
「パッと見のシルエットは先代と変わらないように見えますが、新型のほうが格段にグラマラスです」
とは、すでに現車を目撃した情報筋。真正面から見ると、思いのほかくびれがなかった先代。新型は、これがグッとオトナに成長した。
ちなみに「86とのデザインの違いは?」に関しては明言を避けられた。
ボディサイズはほぼそのまま! プラットフォームは?
今回公開された北米仕様のディメンジョンはいずれも換算値で全長4265mm×全幅×1775mm×全高1310mm。ホイールベースは2575mmだ。これを先代STIスポーツと比較すると、新型は全長が25mm長くて全幅は同寸。全高は10mm高くホイールベースは5mm長い。つまりサイズ感は先代とほぼ同じだ。それは、基本となるプラットフォームが先代からのキャリーオーバーだから。
とはいえ、「な~んだ」ではない。
新型は、次世代車台「スバルグローバルプラットフォーム」の開発から得た知見を積極的に導入。さらに、新型レヴォーグにも導入されたインナーフレーム構造、構造用接着剤の使用範囲を拡大してボディを再構築。これにより、初代比でフロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%と大幅に向上させている。
補剛する一方で軽量化も実施。ルーフとボンネットフード、フロントフェンダーをアルミパーツとして重量増を抑えるとともに、前後左右の重量配分の適正化も実施している。
サスペンション形式も、前ストラット/後ダブルウイッシュボーンと先代を踏襲。低い重心がもたらすロールの少なさに加えて、先代が改良ごとに積み上げてきた、足がよく動き、駆動力をコントロールしながら荷重変化を楽しめるFRらしいセッティングが施されているはず。タイヤサイズは215/40R18、215/45R17の2種類を設定。18インチにはミシュラン パイロットスポーツ4が採用された。先代はタイヤの性能に頼らないというコンセプトのものと、”プリウス用タイヤ”のミシュラン プライマシーHPだったが…。剛性アップや後述するエンジンパワー向上に伴い、グリップ重視のタイヤが採用されることになったのだろうと想像する。
エンジン排気量アップ!サーキット試乗でインプレッション
そしてエンジン。自然吸気のボクサー4はそのままだが、型式はFA20からFA24となった。これは、北米市場に投入済みの新型レガシィなどに積まれる2.4Lターボがベースと思われる。これにトヨタの燃料噴射システム「D-4S」が組み合わさるのは先代と同じだ。
同機は排気量アップによる出力向上とともに、先代の2Lユニットよりも吸排気効率を高め、フリクションを低減。これにより、トルクを約15%向上(21.6km→25.4kgm)させているのが大きな特徴。低・中回転域のトルクが足りなかった先代の2L。MT車では、シフトアップ時のクラッチ操作でトルクが落ち込み緩慢な操作を許容しなかったが、新型はプラス400ccの余裕によりこの点が大幅に改善したという。馬力は228hp(ps換算で224.8)とパワーアップも遂げている。
ちなみにトランスミッションも、6速MT/6速ATともに基本はキャリーオーバーとなるが、AT車はスポーツモードの制御が進化。クルマがスポーツ走行中と判断したときには、運転者の意図や操作に応じて適切なシフト操作を自動で行う。
今回、北米でのお披露目ではサーキット試乗も行われた。馬力アップはもちろん、特に中間回転域でのトルクがアップしたせいか、落ち込みを感じずスムーズに吹け上がるパワフルさが印象的。実際にステアリングを握ったテストドライバー、スコット・スピード氏によれば、2→3速のシフトアップが引っかからずにスムーズに。さらに、ボディ剛性、タイヤグリップ性能のアップでコーナリングでの粘りはかなり進化しているという。(排気量アップにより)エンジンが重くなったぶんは、各種アルミパーツとすることで前後重量配分バランスは取れている、とのことだった。エキゾーストサウンドは、より低音で心地よいものになっているとの情報も。
最大のトピックは…アイサイトの搭載か
そしてインテリア。目を引くのは先代以上に水平基調となったインパネ。さらにメーターフードを先代よりも低く配置することで、より広い前方視界を実現した。メーターは、先代のデジタル速度計と指針の回転系の組み合わせから、7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶を組み合わせるデザインとなった。水平対向のピストンをイメージさせる意匠が粋。質感アップも見どころで、特にドアパネル、ダッシュボードなどは格段にグレードアップしている。スエード調素材の使用面積も広くなっているように感じた。
先代では皆無に等しかったエンターテイメント機能も最新版をインストール。8インチディスプレイの「スバル スターリンク マルチインフォテイメントシステムを採用する。もちろんApple CarPlayやAndroid AutoもOK。さらに不意の事故などの事態に備えたつながる安心を提供するコネクティッドサービスにも対応している。
最大のトピックは、AT車への運転支援機構「アイサイト」が標準装備されることだろう。衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付きクルーズコントロールも備わる。
新型の国内導入は…2021年夏と予想する!
〈文=ドライバーWeb編集部〉
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「右車線ずっと走って何が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「捕まるよ」「違反です」の声も…投稿者は「後ろから煽るほうが悪い!」と主張 法律ではどちらが正しいのか
「知り合いの女の子が、軽自動車に軽油を入れて動かなくなってしまった」 ガソスタでの減らないトラブル、どうする? 元店員の「間違え」とは
なぜ日本人はBEVを買わないのか? 世界で乗用車新車販売比率18%だけど日本だと1.8%な理由
「サクラなら見かけるけどモデルYって……」 日本人が驚く世界でもっとも売れてる乗用車
「横断歩道で譲らないクルマ多すぎです。『止まれ!』と叫んでもいいですか?」質問に回答殺到!?「分かる」「ルール知らん人多すぎ」の声も…法律ではどう書いてあるのか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
内装もよくなりましたね。