この記事をまとめると
■フィアットは日本でもドブロの販売をスタートさせる
ファミリー向けなのに生活感ゼロ! ウソみたいな両立を実現したオシャレミニバン5選
■ステランティスグループのシトロエン・ベルランゴ、プジョー・リフターとの共通点も多い
■個性を生かすために「フィアットルック」にこだわったデザインとしている
話題のイタリアンMPVが上陸!
5月11日、フィアットブランドに新たに加わるミニバン、Doblo(ドブロ)が発表されました。ご存じのとおり、同社はステランティスグループであるプジョーのリフター、シトロエンのベルランゴとボディの多くを共有する3台目のモデルです。では、そのなかでドブロはどのような独自性を打ち出せるのか、ここではデザインの視点でチェックしてみたいと思います。
一見してフィアットと思えるフロントフェイス
発表会で、ステランティスジャパンの打越晋代表取締役社長は、ドブロのデザインについて、シンプルさと個性の組み合わせが「フィアットルック」であると語りました。たしかに、フィアットは自社のデザインのテーマとして長い期間愛される「永続性」を掲げています。そのために基本はシンプルであるべきとしているのです。
そうした目でドブロを見ると、まず最初にほぼグリルレスとしたフロントフェイスが目に入ります。一見して「フィアットっぽい」と思える広い平面は500eに準じた手法で、同車が中央に「500」のロゴを配したところ、ドブロでは「FIAT」のエンブレムを置きました。それでもなんの違和感もなく「フィアットだ」と思える点が肝です。
フロントランプは、超薄型のベルランゴよりリフターに近い形状ですが、ライオンの牙を模した縦型のLEDを置いたリフターに対し、2連の横型シグネチャーとしたドブロのグラフィックのほうが、一般的で馴染みやすいかもしれません。
また、細いメッキモールを施した薄型グリルも「どこかで見た」気にさせるのですが、実際には500eの表情にパンダのグリルを組み合わせたような新規のデザイン。これもまたシンプルがゆえにすんなり受け入れられる造形と言えます。
フィアットファン納得の仕立てに
コーディネイトのためのブラックバンパー
一方、話題になっているのがブラックの素材色によるバンパー。もちろん、ルノーのカングーと同じ設定だとの声です。これについてフィアットジャパンのプロダクトマネージャーである阿部琢磨氏に聞いたところ、1つはほかの2台と異なる個性を与えたいことと、もう1点はボディが間延びして見えないことを意図したそうです。
新型ドブロは、ブラックで各部をコーディネイトしているのが特徴で、このバンパーに加え、サイドのエアバンプはもちろん、ホイールもブラックを基本としており、とりわけ下半身の力強さを演出しています。力強さを打ち出すなら、リフターのような広いプロテクター類を施せばとも思いますが、それはそれでオリジナリティの問題があるのかもしれません。いずれにしても、カングーのブラックバンパーとはちょっと話が違うようです。
一方、インテリアも基本造形をほかの2車と同じとしています。そのなかで、リフターがプジョー独自のi-Cockpitを導入したり、ベルランゴがインパネやシートに独特のカラーリングを行っているのに対し、ドブロはもっともベーシックな表情になっており、ここにもシンプル指向が表れているようです。
ボディカラーについてはメインのブルーと、そのほかにグレー・ホワイトの3色展開です。前出の阿部氏によれば、本来はフィアットらしくもっとポップな色を揃えたかったそうですが、そもそもイタリア本国でも多くの用意がないとのこと。この点はリフターも同じで、ベルランゴのにぎやかさが目立ちます。
さて、こうしてデザインをチェックすると、シンプルかつベーシックに徹することでの独自性が浮かび上がってきます。「3台の差なんてわずかじゃないか」というのは真実ですが、その小さな違いのなかで各社の個性を発揮できる「素材」があることに、ある種の羨ましさを感じさせるのです。
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みんなのコメント
コクピット周りはまんまシトロエンだし、シートはリフター流用。
限られた材料でフィアットっぽく仕上げたと言われれば、お見事と言えなくもない。
しかし記事内容は、(うっすら共用感を匂わせてはいるが、)フィアットオリジナル感を強調し過ぎではないだろうか?
まあメーカーへの忖度もあるのかな?
ただ、デザインの種を知った上でこの記事読むと、ちょっと滑稽な内容に感じてしまうな。